2022年6月結成、2023年5月に日本武道館単独公演を成功させた4人組グループ・ExWHYZ(イクスワイズ)。メンバーのmikinaは現在、QJWebで、生活の中で降り立ったなじみの駅で、自分なりの新たな好きや自分自身の知られざる一面を探して散歩する連載「自分開拓さんぽ」を連載しており、2025年12月には30回を迎えた。そこで、改めてこれまでの30回分の連載で向き合ってきた自分について振り返りながら、グループのこと、そしてこれからの自分についてを語る。
■これまでの連載「ExWHYZ・mikinaの自分開拓散歩」はこちら
気持ちを言葉にするなかで自分と向き合う

──連載「自分開拓さんぽ」、先日30回目を迎えましたね!
mikina 私も「何回目だろう?」と思ってたんですけど、すごくびっくりしました!
──ここまで続けてきての手応えはいかがですか?
mikina やっていてよかったなと思います。私の頭の中は、基本いろいろなトピックが同時に出てきて散らかっているんですけど、無意識でいると一つひとつ深追いしないんですよ。文字にして、そのときの気持ちをコラムにする作業をしてきたから、毎月自分と向き合えているというか。最初に毎回思っていることを言葉にするんですけど、「人様に読ませるものじゃないな」みたいな文章がいったんでき上る。そこから修正して完成させるまでの時間がすごく長くて。でも、そういう作業を30回もやらせていただいたのが本当に自分の中で大きいんです。読んでくれた人から感想をダイレクトに受けるので、「ちゃんとmikinaとして存在できているんだな」って実感しています。
──毎回行く街はどうやって選んでいるんですか?
mikina 本当に気分で(笑)。空いている日に合わせて行ったり、行きたいところに合わせたり。気分次第すぎるので直前まで決まらなかったり、偶然歩いているところで「ここにしよう」って思ったりもするし。すごく自由です(笑)。
──30回の中で特に印象深い回を挙げるとしたら?
mikina 赤羽は印象的でした。夏の暑い日でバテていたんですけど、冷やし中華だけが唯一食べられて、めっちゃ復活して元気になって。真夜中の暗い赤羽のだだっ広い自然みたいなところをチャリで爆走したんですけど、すっごく怖くて。暗闇の中、若者たちが花火とかじゃなくて、宴みたいなのをやっていたんです。それがもう映画『ミッドサマー』みたいで「こわ……」と思いながら横目で見て自転車で行って。“いかにも出ます”みたいな神社に入ろうとして「やめたい」とか思ったり。北の王子のほうまでチャリで行ったり(笑)。あの日はすごく覚えています。この間読み返していて、自分で「おもしろいこと書けてんな」と思った回もあって。渋谷かな? 私の文章ってだいたい重たいんですよ。内面のことをいっぱい書くから。特に渋谷は内面どっぷり回だったので。
──渋谷の回は、2回ありますよね?
mikina 忘れてました(笑)。1回目がたしか街の雰囲気を純粋に楽しめてるなみたいな回で、自分の中でも心地よかったのを覚えています。あと、江古田の回もよかったんですよ。この年齢になっても、この景色を見て、こう思えるんだみたいなのを書き残せるから。すごく気持ちがよくて。

活動を通して新しい気持ちに出会い続ける
──改めてグループのことも聞かせていただけたらと思うのですが、2025年もあと少しで終わります。ExWHYZにとってどんな年になりましたか?
mikina 個人的には、2024年末にメンバーが4人になり、活動以外のことで引っかかっているものがないなかで年を越して。2025年はツアーも2本回ったので、自分の中で「冷静になった瞬間」が多かったかもしれないというか。自分が、環境とかまわりの人を感じ取りやすい性格っていうのもあるし、自分のことでいっぱいいっぱいだったというのもあったから、ようやく今の体制に慣れてきて。でも慣れると冷静になって、急に怖くなるんですよ。「あれ、今なんもしてないんじゃないか?」みたいな気持ちになる。必死じゃなくなるから余裕が出てきて、その余裕が逆に怖くなっちゃうというか。で、また考えて落ち込んだりもするんです。でも今慣れていてなんもしてないって感じているのは、これまでやってきたからこそなんだなっていうのもちゃんと実感できたし。そういうことの繰り返しでしたね。個人的には。
──体制が定まって安定したけれど、逆にそれはそれで不安になることもあった、と。
mikina 別に「ダメダメだったな」とかはまったく思わないんですよ。本当にがんばってやってきた気持ちはあるので、この活動は、何年経っても新しい気持ちに出会うんだなと思うことが多いですね。
──活動3周年にして初のシングルもリリースしましたよね。アルバムを出すのと感覚は違ったりするんですか?
mikina こちら側の気持ちはあまり変わらない気がするけど、受け取る側が気楽に聴けるのかな? 焦らず届けられる、っていうのはあるかもしれない。もちろんアルバムも、どの曲も大事なんだけど、「ExWHYZというかたち」の土台を作るために、とにかくハイスピードでアルバムを作って、その上で今のかたちを作っていたところもあるので、そのなかでシングルを出せたっていうのは、余裕があるというか。受け取る側も焦らないで済むのかな、みたいな気持ちはあります。
──2025年、グループとしての目標みたいなものは立てていたりしたんですか?
mikina 全体的な目標というよりは、ツアーごとに向き合うみたいな感じでしたね。序盤にあったガラクタツアー(『ExWHYZ TOUR 2025 ‘(unfinished) odds and ends’』)は、4人そろって半年ぐらい活動して、そこからもう一度、想いを届けますみたいな動きだったので、ちょっとギアチェンジして、思っている天井以上のことを考えてみるみたいな感じでやってみたり。その先の3周年のLINE CUBE SHIBUYAで、そこまでの集大成を見せられたというか。ガラクタツアーは、ライブに向き合ったツアーでもあったので、すごく細かいところをみんなで考えて、詰めて、それを実行する事実を残していけた感覚があるんです。
メンバーの成長を感じるとき

──mikinaさんから見た、メンバーの変化や成長も伺いたいなと思うんですけど、まずyu-kiさんに関しては、どんな変化があったと思いますか?
mikina yu-kiちゃんは基本的ないいところは何も変わってないんですけど、めっちゃ楽しくて好きなところがあるんだなと思える瞬間が今年すごく見えたんですよ。ライブをしていて「ここめっちゃ楽しいんだろうな。超好きで自分なりにこうやってるんだろうな」って。もしかしたらもともとそうだったのかもしれないけど、ちゃんと意志を持って動くことがわかりやすく出ている気がして。本人の中の軽いモヤみたいなのが、それまではあったのかもしれないけど、一個一個晴れていってる気がするっていうのは思いますね。
──それはライブで感じるんですか?
mikina yu-kiちゃんは「SHOWTIME」が大好きなんですけど、ほんとにラップが好きなんだなって思うんですよ。歌に対してこんなにのびのびやっている印象って今までなかったし、ラップになると、一気に生き生きして、自分の考えていることを出すから、ああ好きなんだなって。私も同時期ぐらいに「それぐらいの気持ちで歌ってやっていいよね」っていうフェーズに入っていたので、「そうだよね」って思いながら見ていました(笑)。
──mahoさんはどうですか?
mikina mahoちゃんは、しゃべるようになった。本人の中で「こう思う」みたいなのはたくさんあって、それを整理する力もあるし、まわりを見る力もあるけど、ExWHYZっていうものの中で、それを出さないみたいな印象があったというか。もしかしたら私が感じ取れてなかっただけかもしれないけど。ブログとかインタビューになると伝わるけど、対面で話したときに難しくなるみたいなのがあって。でも最近は、それがなくなってきているかなって思う。そういうのを見ていると安心します。EMPiREのころに比べたら、すごくしゃべるようになった。
──EMPiREのときは、そんなに言葉数は多くなかったんですね。
mikina mahoちゃんの中で考え込んでいるんだろうなって。こだわりもちゃんとあるし、意志も強い。私が一番mahoちゃんと長く一緒にいるので、わかっちゃうんですけど、「言葉にしないとわからないな」って最近より思うんですよ。
──mahoさんとは、同期の絆みたいなものもあったりするんじゃないですか?
mikina 私たちってわかりやすく頼り合うみたいなことはしないタイプだと思うんです。私が恥ずかしがり屋っていうのもあるんですけど、見てくれているところはちゃんと見てくれてるなっていうのが伝わる。mahoちゃんが「こういうところをちゃんと見てくれているんだな」って言葉にしてくれるようにもなったし、私もmahoちゃんに対して「この人はちゃんと考えていて、意志を持ってる人だ」っていうのを疑いなく思っている。ずっと背中を合わせ続けてるみたいな。手をつないでますよというよりは、背中を預けてますよみたいなノリな気がする。ベタベタする感じじゃなくて。
──背中を合わせ続けているって、すごい表現の仕方ですね。
mikina 前にmahoちゃんが言ってた気がするので、言葉を借りているかもしれないです(笑)。でも、本当にそうだなって思うんですよね。
──mayuさんはどうですか? 変化や成長の部分でいうと。
mikina mayuちゃんは、無防備になったっていうか。自分に悪いところ、ダメなところがあるって本人は言うけど、私たちはそんなこと思わなくて。でも、その部分をちょっとずつ「こうなんです」って言ってくれるようになったというか。本人の中で、そのハードルが少し低くなっているのかなみたいな感じはある。彼女の中でずっと葛藤していたり、自分と向き合って話し続けている人だと思うから。そこが信頼できるところでもあるし、心配なところでもあったんです。一番しゃべるタイプではあるし、頭の回転も早いし、切り返しもバンバン来るタイプだから心配する部分もあったけど、そこを伝えてくれるようになったのかなっていうのは感じるときがあります。

とにかく明るく。自分で未来を変える
──12月27日(土)には、Kanadevia Hall(旧TOKYO DOME CITY HALL)で今年最後のライブが行われます。2025年をどう締めたいなと思っていますか?
mikina 「年末マジック」みたいなものってあるじゃないですか? その日がよければ、全部よかったなと思えるというか。それをするために全力を注ぎたいというか。もちろんガチガチじゃ固い心しか伝わらないし、そんなライブはしたくないから、「終わったよね、お疲れ!」みたいなのを出せるような準備は、ちゃんとしたいかなって。
──Kanadevia Hallでのワンマンは初になるんですよね。
mikina 個人的に会場のある後楽園にはめっちゃ行っていて。学生のころによく遊んでいる庭みたいな感じだったので、すごくうれしくて。ホールって広いから、端から端まで満足させるためには莫大なパワーが必要じゃないですか? 絶対に成し遂げたいことだから、よりいっそう考えを深めて、想像力を広げて臨みたいなと思っています。
──気は早いですが、2026年はどんな年にしたいですか?
mikina 今自分の中で思い込んでいるものをちゃんと探したり、新しく自分のいいところを見つけたり、見つめ直したり、できなかったこと、やりたかったこともちゃんと見つけて、一個一個考えて、動いて、実行する。そんなことがやれたらいいなと思いますね。個人的に落ち込むことが続いて、飲まれそうだったんですけど、「明るい気持ちじゃなきゃ!」と思って。明るくしてないと未来は変えられないってことを、よりいっそう思ったので、明るくがんばりたいですね!

『ExWHYZ Special Live ‘Ⅰ’ -3rd Anniversary Final & Year End Party-』
2025年12月27日(土)開場16:30/開演17:30
会場:Kanadevia Hall(旧TOKYO DOME CITY HALL)
チケット料金:通常チケット6,000円(税込)/学生限定チケット2,500円(税込)
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