正統派スタイルながら、独特な切り口を持った漫才で注目を集めるエバース。そのネタ作りを担当する佐々木隆史は、野球一筋の学生時代を過ごしてきた。現在は相方・町田和樹とともに漫才一本で強豪たちと戦う佐々木が、あのころの自分と重ねながら日々を綴る連載「ここで1球チェンジアップ」。
2024年の『M-1グランプリ』では、初の決勝進出ながら4位と健闘したエバース。優勝に期待がかかる今年も無事に準決勝まで駒を進めている。準決勝を約1週間後に控え世間の『M-1』への注目度も上がるなかで、改めて大会にかける思いを語る。
全員をぶち抜くチャンス
店で買ったときはあんなにテンション上がってたのに、家に帰ってから着てみたらなんかあんまりで結局全然着ない服ってありますよね。エバース佐々木です。
今年も『M-1』の季節真っ只中ですね。一般の人から見た“M-1の季節”は年末だと思うんですが、芸人からしたら3回戦〜準決勝が行われる11月〜12月頭くらいが“M-1の季節”になります。何年経ってもこの時期特有の緊張感は慣れませんね。
なぜお笑いの賞レースの中で『M-1グランプリ』は特別な存在なのか、それは年末に決勝があるからだと僕は思います。
いくらほかの賞レースで優勝しようがその年の最後に『M-1』で落ちると「負けたヤツら」の烙印を押されます。だからみんな『M-1』にその年の一番強いネタをぶつけるので結果的に盛り上がる賞レースになっているのでしょう。そんな戦いが毎年あります。
前年のファイナリスト、セミファイナリストだろうが次の年に早めに落ちたり、逆に前年2、3回戦落ちでも次の年に準決勝以上を決めれば一気に若手芸人界のヒエラルキーが逆転します。
それくらい若手芸人の生活に影響を及ぼす存在が『M-1グランプリ』です。
エバースとしても『M-1』さえなくなれば平和な毎日を過ごせるのですが、『M-1』があったから僕らもこの若手芸人界のヒエラルキーの一番下からぶち抜くことができました。
昔、劇場のバトルライブで客票がなかなか入らず苦戦してたころ、とある先輩に「今の時代、ネタおもしろいだけじゃ売れないからな。お前らネタだけがんばってずっとバイトするつもり?」って言われたことがあります。
劇場でファンを増やすためにどうすればいいかとか、売れてる先輩やテレビ関係者との飲み会は積極的に参加しろとか、コンビ名がダサいから改名ライブしろとか、聞いてもないのにいろいろアドバイスされました。
ネタだけがんばって、全員ぶち抜きました。
今年もとりあえず準決勝までは来ることができ、3年連続準決勝進出です。ここで負けたら今度は自分たちがぶち抜かれる側になっちゃいます。なんとか決勝に行けるようにあと1週間がんばります。
今年でコンビ歴10年目です。旧『M-1』だったらラストイヤーですね。でも絶対今年優勝したいとかそういう気持ちは正直あまりないです。相手がいることですし、各々の漫才に対する正義があるので審査員の方々全員に評価されるかわからないですから。
ただ、優勝できるかはわかりませんが一番おもしろい漫才をする自信はあります。とりあえず黙って見とけって感じです。
がんばるぞー!!
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