8月23日(土)、代々木第一体育館で『LOVE IT!ROCK2025』(ラヴィット!ロック 2024)が開催された。TBSで毎週月曜〜金曜朝8時から放送中の“日本でいちばん明るい朝番組”『ラヴィット!』の出演者や番組にゆかりのあるアーティストが集うこの1日限りのフェスは今年で3年目。本稿では、その模様をお届けする。
目次
赤坂サイファー、ついにフルメンバーでパフォーマンス
1年目は奇跡だった。2年目も異例だった。3年目を迎え、『ラヴィット!ロック』のスペシャルな1日は恒例になった。
今年のオープニングアクトを務めるのは、赤荻歩、南波雅俊、熊崎風斗からなるアナウンサーブラザーズ。毎朝の放送を支える3人だ。南波アナがB’zの「兵、走る」のサビを歌い上げると、熊崎アナがボールを投げて赤荻アナが剣で受ける余興にチャレンジ。放送では8度の失敗を重ねたふたりだが、この大一番では大観衆に見守られながら4度目で成功を果たした。

流れるようにここにいる全員が毎朝聞き慣れているサンボマスターの「ヒューマニティ!」が始まる。出演者が登場し、MCの麒麟・川島明からマイクを向けられたAぇ! group佐野晶哉 の「夏の思い出なんて『ラヴィット!ロック』だけあればいいんだよ!」に会場は一気に盛り上がる。次に振られたマユリカ・中谷がハイトーンボイスで発した「わたし〜!?」にも観客は大いに沸いた。
番組オリジナルユニットである「ラヴィット!アーティスト」のスタートを飾るのは赤坂サイファー。これも3度目となる恒例の景色だ。今年は見取り図、アルコ&ピース、ロングコートダディに加え、昨年から参加の令和ロマンと一昨年のオリジナルメンバーすゑひろがりずも入ったフルメンバー10人で「Love it Wednesday(2025 VER.)」を歌う。「平日朝から夜明けゴールデン 走り続けてお陰で5周年」といった今年ならではの歌詞があるのが憎い。

年々パワーアップする南波アナのB’z
南波アナによるB’zは、『ラヴィット!ロック』の大きな目玉のひとつ。今年はなんと生バンドを従え3曲を披露。2曲目からはゲストギタリストとしてチャンス大城が登場する。シークレットのギタリストが出演することは予告されていたため、当日までさまざまな大物ミュージシャンの名前が噂されていた。ここで出てくるのがチャンス大城なのも、それを観客が喜んで迎えるのも、『ラヴィット!』が日々積み重ねてきたおもしろさ優先の姿勢のなせる技だろう。そもそも、局アナである南波アナがオープニングアクトから数えると4曲、この日出演したプロミュージシャンをも凌ぐ曲数を披露してしっかり盛り上がるのも、『ラヴィット!』だからこそ。1万人を熱狂させた南波アナに「ここまでやったアナウンサーは日本にいないと思います」と川島。

MCの田村真子アナウンサーと金曜レギュラーの近藤千尋の親友コンビが牽引し、全曜日の女性メンバーが集まった「超ときめき♡ラヴィット!宣伝部」からは、毎年の『ラヴィット!ロック』や年末の特番『ゴールデンラヴィット!』を通じて、曜日を超えての結束も固まってきたのが伝わってくる。
番組限定アーティストが続々、恒例のビリビリイスも
Snow Man佐久間大介が映像で出演し、自らがプロデュースした「湘南乃ビリッ」を紹介。赤荻、コットンきょん、アインシュタイン稲田直樹、「公式・佐久間の弟」ことGENERATIONS小森隼の4人が「睡蓮花」を歌い、歌詞を噛むか、魂のこもっていない歌唱と判断された場合は3万ボルトの“ビリビリイス”を食らうというもの。観客を煽ったり歌詞に合わせた扮装をしたり、後半には稲田が息止めチャレンジまでしたが、残念ながら判定は「×」。いつもより強めの、昨年から比べて威力3倍のビリビリイスを受けた4人。しかしサラッと触れただけでステージは次に進む。なぜならビリビリイスは『ラヴィット!』にとって日常のひとつだからだ。
おじさん芸人たちの歌に本並健治がギターで彩りを添えるヒヤシンスを経て、現れたのはMONGOL800。夏フェスが立て込んでいるこの時期にも関わらず、たった1週間前の放送で川島がノリで発した「待ってるぜ」のひと言を真に受けたスタッフのオファーに応えて緊急参戦したとのこと。このスピード感こそ『ラヴィット!』の強みだろう。
2曲を披露したあと、東京ホテイソン・たけるが、自身が高校時代コピーバンドで歌っていたという「小さな恋のうた」をリクエスト。ボーカルの上江洌清作から「よかったら一緒に歌いませんか?」と誘われたたけるが飛び跳ねて喜ぶ。全力で歌ったあと「うわーやべえ!」と上気した表情からは心底興奮している様子が伝わってくる。

続いてはなすなかにしの進行で「どうしてもやりたかったステージ」。映像でもかなりの尺を使い、さらにステージでは鶴崎修功も参加しての謎解き&ドラマを繰り広げたのは人気コーナー「チャーハン大捜査線」。舘さまことSnow Man宮舘涼太が映像で登場し、ジョン万次郎(ビビる大木)との芝居をたっぷりと見せたあとに会場全体が夏祭り会場と化した「ジョン万音頭」。観客を巻き込んでのやりとりと、見取り図・盛山晋太郎らによるツッコミでさらに盛り上がりが加速する。

知らない間に300万円使われる、さらば青春の光・森田
RAG FAIRも加わっての「夏祭り」を披露した「金曜アカペラ部」、会場全体で「俺たちの明日」大合唱となった木曜メンバーによるバンド「青春サースデイ」のあとに始まったのは、さらば青春の光・森田哲矢、宮下草薙・草薙航基、KEY TO LIT・岩崎大昇へのサプライズ誕生祝い。リアルタイムで渋谷の巨大モニターをジャックした様子が中継され、森田は「ありがたいけどやりすぎやって!」「渋谷に俺のこと好きな層いないって!」と叫ぶ。「本当、森東って儲かってるんですねえ」という川島のひと言をきっかけに、このコーナーにかかった費用総額実に300万円がすべて森田の経営する事務所、ザ・森東の協賛金によって成り立っていることがネタバラシされる。森田は「今すぐこんなイベントやめろ!」とわめきながらハケていった。
『ラヴィット!』を支える芸人総勢51人によるラヴィットキッドの「浅草キッド」を挟み、次はおだみょん。昨年の『ラヴィット!ロック』終了直後、「リベンジやりたいですね」と言ったことから今年の『ヴィット!ロック』発起人という位置づけになった彼。練習を重ねた弾き語り、「愛の花」「裸の心」の“リベンジメドレー”は見事成功。『ラヴィット!ロック』の原点とも言えるおだみょんのまっすぐな歌声に会場全員が心打たれた時間だった。「毎夏、おだみょんの歌を聴かないと夏を越せない」と田村アナ。またも彼が発起人になりそうな予感を残しておだみょんパートは幕を閉じた。

MC川島、魂のこもったスピーチ
「5分ほど、『ラヴィット!』を代表してお話をさせていただきます」と始まった川島のスピーチ。1年目は『ラヴィット!』立ち上げ直後の苦しい時期のこと、2年目はJアラートが発令され日常が揺るがされた1日について話した川島。今年彼が語り始めたのはつい1カ月前、7月28日(月)の放送のことだった。なすなかにし那須晃行が脳梗塞から復帰して1年3カ月、ようやく復帰後初のビリビリイスをくらった那須が「ただいま」と発した、記憶にも新しい場面。
さまざまな理由でいったん番組を、テレビを離れなければならなかった人たちが回復したり反省したり、それぞれ元どおりになっても帰る場所がない、と語る川島。そしてこう続けた。「『ラヴィット!』は帰ってこられる場所になったらいいなと思って、スタッフさん、演者のメンバーが相変わらず楽しいバラエティをずっと守り続けております」。それはけっして演者だけに向けた思いではない。環境の変化で今までのように『ラヴィット!』を観られなくなった視聴者に対しても、またふとテレビをつければ「変わらない日常、真剣にふざけるみんなの様子」があるといい、「寄り添うなんておこがましいことは思ってないですけど、つらい、しんどいときは『ラヴィット!』にもたれてください」と締めくくった。並々ならぬ覚悟で川島が、スタッフが『ラヴィット!』という場を守っていることに改めて気づかされる。

「明日があるさ」の大合唱で本編が終了したあと、アンコールの拍手の中で姿を現したのは令和ロマン。2023年の上半期一番スベった「アニマルパラダイス」、2024年の上半期一番バズった「ヨギソダイブ」に続き、「上半期一番ラヴィットファンに心配をかけた人」枠とのこと。さらっとこの数時間を振り返るしゃべりでもたせて見事にサンボマスターにつなぐ。これも3年目となる全員による「ロックンロールイズノットデッド」で3時間50分にわたる『ラヴィット!ロック』は幕を閉じた。とびきりスペシャルな“恒例行事”が終わり、月曜からはいつでも、誰もが帰ってこられる場所、『ラヴィット!』のある日々がまた続く。
公演の模様は9月7日(日)23時59分までオンラインで見逃し配信中(チケット販売は同日20時まで)。Snow Man佐久間大介プロデュース「湘南乃ビリッ!」練習映像やSnow Man宮舘涼太による「ジョン万音頭」振付動画、「チャーハン大捜査線」未公開NGシーン、超ときめき♡宣伝部による舞台裏インタビューなど、豪華な配信限定特典映像つきとなる。

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