【HANAユニット対談】KOHARU×CHIKAが考える「なりたい自分」その理想像

ヘアメイク=Moe Shitate、Sakurako Handa、honoka.、Erena Tarumi(MASTER LIGHTS) スタイリング=Shohei Kashima(W) ワードローブ=山本ひとみ
文=羽佐田瑶子 撮影=YURIE PEPE 編集=森田真規
オーディションプログラム『No No Girls』から誕生し、2025年4月に『ROSE』でメジャーデビューを果たした、ちゃんみなプロデュースの7人組ガールズグループ・HANA(ハナ)。発売中の『Quick Japan』vol.177では、「私だけの声、私だけの物語」と題したインタビュー特集を掲載している。
ここでは、本誌には掲載しきれなかった彼女たちの「声」を盛り込んだインタビューをお届けする。第1弾は、CHIKAとKOHARUによるユニット対談。
圧倒的なボーカルの実力を持ちながら、過去の経験から自信を持てずにいたCHIKA。ダンサーの母と姉のもとで育ち、持ち前の性格で全体の雰囲気を明るくしていたKOHARU。オーディションで異なる存在感を放っていたふたりが認め合う、お互いの魅力とは。

目次
ありのままで自分を表現
──自分を表現する上で大切にしていることは?
KOHARU ありのままでいることです。もちろんかっこよく見せるための技術や表情は身につけたいけれど、「ストレートに響け」っていう気持ちが大きいので、ありのままっていう部分は崩さずにいろんなことを身につけていきたいです。
CHIKA 私は自分の軸を忘れないことを、大事にしています。グループになって特徴的な声を持った人に囲まれていると、すごく揺れるんですね。このままの自分じゃダメだからもっと個性をつけなきゃ、と焦ってしまって。でも、自分の軸はそのままに、振り幅を広げていけるようにしようって考え方が変わりました。たとえば喉に負担がかかるような声の出し方はしない。そこに理由があるならいいんですけど、自分の表現したいことを軸に喉と相談できるようにしようと思っています。
──グループになると個性を出そうと、無理やり色をつけようとしてしまいそうですが、違うんですね。
CHIKA 無理はせずに、もらったパートを「私色」に変えられるように意識しています。もうすでに7色あるので、私ひとりで2、3色出さなくてもじゅうぶん素敵なので。曲が増えたら、また違う色に挑戦したいです。

KOHARU
(コハル)15年以上のダンス歴を誇り、ちゃんみなからそのクリエイティブ力を高く評価されている
サカナクションとDef Tech
──おふたりが影響を受けているアーティストは?
CHIKA (ニコニコで)サカナクションさんです!
──勝手ながら、アリアナ・グランデさんやビヨンセさんといったイメージがありました。
CHIKA まさに、小さなころから海外のアーティストさんの楽曲をずっと聴いてきて、J-POPはあまり触れてこなかったんです。でも、あるタイミングからいろんな楽曲を聞き出して、そのときに出会ったのがサカナクションさんでした。
これだけ売れている山口一郎さんでも葛藤があることに、曲を作ることの壮大さを感じましたし、自分に自信がなくて歌うことがつらかった時期と重なって歌詞にも共鳴しました。初めて自分でライブチケットを買ったアーティストさんです。
KOHARU 練習前に楽曲をかけるんですけど、CHIKAが担当のときは全部サカナクションさんです(笑)。
CHIKA 寝る前も、聴きながら寝てます。「アイデンティティ」はもちろんですし、最近のブームは「フクロウ」という曲です。
KOHARU 私はDef Techさんです。父と母が大好きで、家族全員でライブに行きます。すごく温かいんですよね。歌詞や楽曲の世界観に救われてきましたし、曲とともに生きてきたので居心地がよくて、自然と聴いてしまいます。
──寄り添うような表現は、KOHARUさんに通じるものがありますね。
KOHARU うれしいです。自分の人生とともにある音楽を作れる人ってすごいと思いますし、そうなりたいと思ったきっかけのひとつです。

CHIKA
(チカ)5歳からレッスンを受け始めたボーカルスキルは圧倒的で、オーディション当初から注目されていた実力者
共感した「ROSE」の言葉
──デビュー曲「ROSE」を初めて聴いたときは、いかがでしたか?
CHIKA HANAとしてのごあいさつの曲なので、私たちが伝えるHANAとしてのメッセージが、こういう言葉でよかったなとすごく思いました。
KOHARU ほんとにそうだね。
CHIKA 『No No Girls』というオーディションで私が思ったのは、醜さは誰かにとって美しく見えるものだし、自分にとっても美しさに変わるものだ、ということ。「絶対にそうだ」とは言いきれないですけど、そういうメッセージを届けたいです。
──「ROSE」で気に入っている歌詞はどこですか?
KOHARU サビです。「醜い世界でも/咲いた 花 泥だらけでも/I can’t hide no more」ってところに、曲に共感した部分が詰まっています。私も最終審査のソロパフォーマンスで、「人はありのままで美しいし、泥だらけでも醜くても強く突き進んでいきたい」という思いを込めたので、重なるものがありました。
──「ありのまま」という意味で、先ほど撮影で「そばかすのメイク、かわいいですね」とお話ししたら「もともとあるそばかすを活かしてもらったんです」と仰っていましたよね。
KOHARU 「隠さなくていいですか?」って気を遣って聞いてくださった方もいたのですが、全然隠さなくていいなって思います。そのままで、そばかすもかわいいので。
CHIKA 私は冒頭の「Go ahead and try boy try your best/知られてる通り I’m dangerous」ですね。上から目線で「やってみな」っていう感じは、これまでの私なら怖気づいていたと思うのですが、だんだんと強いマインドになってきているので、どう歌おうか楽しみです。
──ご自身を漢字1文字で表していただいたら(『Quick Japan』vol.177に掲載の企画)、CHIKAさんは「油」。火に油を注ぐって意味ですと仰っていて、自信と強さを感じました。
KOHARU いいね~!
CHIKA ライブ会場が炎だとしたら、その燃え盛っている火を私のパフォーマンスでさらに強くさせたいなと思っています。あとは、私のパフォーマンスって情報が多いというか、持っているものをすべて乗せてこってりしているので。
なりたい自分を見つけていく
──新曲「ROSE」で「私色」を出すために、自分の表現に磨きをかけた部分はありますか?
KOHARU 私はけっこうレコーディングに苦戦してしまったんです。その理由は、自分らしい歌声というのがわからなくなってきてしまって。引き出している途中っていうこともありますけど、いろいろ試しているうちに迷いが出てしまったのが原因だと思います。
CHIKA 迷っちゃうよね。
KOHARU 「ROSE」という楽曲をいただいたときに、この曲を表現するには自分らしい歌声を乗せることが、すごく大事だと思ったんです。なので、模索しながらRECをしたのですが、これからパフォーマンスをするときにも、そのときの自分の色や感情を乗せた声が出せたらいいなと思って、今努力しています。
──自分らしい歌声って、どうやって見つけるものなのでしょうか。15年歌を練習してきたCHIKAさんは、どう考えていますか?
CHIKA 自分らしさを突き詰めて考えるというよりも、「どんな自分になりたいのか」というイメージに近づいていくことで自然と自分らしい歌声が見つかっていくのかなと私は思っています。
──どんな自分になりたいのか、イメージすることが大事なんですね。
CHIKA それが、自分を否定するかたちで設定された理想だったら違うと思います。たとえば、昔のCHIKAなら「太っているから痩せている自分になりたい」と、自分自身を否定して目標を設定していました。でも、マイナスの感情から生まれているものなので、よくないと思うんですよね。そうではなくて、自分自身を認めた上でなりたい自分を見つけていくのが大事かなと思います。まだ、私も考え途中ですが。
KOHARU 私も「どんな自分になりたいのか」考えていて、理想としては曲によってまったく違う自分になりたいです。不安定な部分もあるし迷いが出ちゃうこともありますけど、挑戦することはやめたくない。自分の軸はぶらさずに、ありのままで、いろんな自分と出会えたらいいなと思ってがんばっているところです。
──時期尚早な質問だと思うのですが、これから楽曲が増えていくなかで、どんな楽曲をやってみたいですか?
CHIKA それぞれ、やってきた音楽が全然違うので、その子にあった楽曲やメンバーが書いた歌詞をみんなで歌いたいです。NAOKOならR&B、JISOOならロック、KOHARUのコンテンポラリーダンスも触れたことがない世界なので、やってみたいです。
KOHARU コンテンポラリーの楽曲なら、後味悪い感じで作ってみたいですね。ティム・バートン監督の世界観が大好きなんですが、不気味でグロかわいいみたいなものを一度やってみたい。でも、私が思い浮かぶものってライブ向きではなくて「意味が深い……」って、みんなシーンとなっちゃうと思うんです(笑)。ですけど、そういうものもいつかは取り入れて、ファンの人たちを惑わせてみたいです。

HANA 2nd Single『Blue Jeans』

デジタルリリース:2025年7月14日(月)
CD発売日:2025年7月16日(水)
※CDの購入はこちら
『Quick Japan』vol.177、HANA特集「私だけの声、私だけの物語」
2025年4月9日に発売された『Quick Japan』vol.177では、バックカバーと17ページにわたる特集「私だけの声、私だけの物語」にHANAが登場。


グループ全員でバックカバーを飾るほか、3つのユニットに分かれてインタビューを実施。



さらに、7人がそれぞれ「自分を表現する漢字1文字」というお題で書いたサインも掲載している。
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