世界最大規模のガレージキットの祭典であり、2月9日に千葉・幕張メッセで開催された『ワンダーフェスティバル2025[冬]』。同イベントで『餓狼伝説』や『ベヨネッタ』といった人気ゲームや、アメコミ作品のキャラクターに扮していたコスプレイヤーたちにインタビューを実施。“衣装やメイクに対するこだわりポイント”を聞いたレポートをお届けします。
コスプレイヤーに聞いた“衣装やメイクに対するこだわりポイント”
コスプレイベントといえば会場を彩るレイヤーたちの衣装を通して、その時期に旬のアニメやマンガ、ゲームなどを分析できるところも参加する上での醍醐味のひとつ。2025年も全国各地でさまざまなコスプレイベントが開催され、いずれも大盛り上がりとなっている。
そうしたイベントに興味はあるもののまだ参加したことがないという方に向けて、本稿では今年行われたコスプレイベントをプレイバック。取材時に撮影させてもらったレイヤーたちの写真を掲載しつつ、それぞれに聞いた“コスプレに対するこだわりポイント”と併せて紹介する。
ここでピックアップするのは、世界最大規模のガレージキットの祭典として知られる『ワンダーフェスティバル』の最新回であり、2月9日に千葉・幕張メッセで開催された『ワンダーフェスティバル2025[冬]』(略称:ワンフェス)に参加していたコスプレイヤーたち。
ちなみに『ワンフェス』といえば、プロ・アマチュアを問わず、誰でもフィギュアや模型といった造形物を出展・販売できるイベントとして親しまれており、2025年にはついに40周年目に突入。このたびの『ワンフェス2025[冬]』では、アニメ制作会社「タツノコプロ」の代表作『タイムボカンシリーズ』の放送開始50周年を記念した特別企画『タツノコワンフェス』も実施され、好評を博していた。
一方、屋外に設けられたコスプレエリアをのぞいてみると、『餓狼伝説』シリーズの人気キャラクターであり、2025年2月には『ストリートファイター6』にも参戦して話題になった不知火舞をはじめ、さまざまなゲーム作品のキャラに扮したコスプレイヤーが集結。
また、インディーズコミックでありながら、爆発的な人気を誇るアメコミ作品『仮面アメリカ』のヒロインなど、こだわりの光るコスプレ衣装を自作で用意したというレイヤーも大勢参加しており、それぞれに撮影のための長蛇の列ができていたのが印象的だった。
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「この衣装は、一からすべて自作で用意したもの。『ストリートファイター6』での不知火舞ちゃんの実装に合わせて、がんばって作りました。シルエットの再現だけでなく、専用塗料を使ってエナメル生地に桜の柄を転写したところもこだわったポイントなので、注目してもらえるとうれしいです。
それと今回は髪型にもこだわりがあって。ウィッグではなく部分エクステでポニーテールを再現してみました。なるべく高い位置できっちりと結びたかったので、ハリウッドセレブの“ポニーテールの作り方”を紹介する動画などを見ながら練習しました。個人的には、大成功の出来栄えかなと思っていて、仕上がりには満足しています。かわいい舞ちゃんが表現できていたら幸いです」(『餓狼伝説』シリーズ:不知火舞/僕のプリンさん)


「長年一緒に写真作りをしているカメラマンさんが造形が得意な方なので、衣装&小道具一式を制作していただきました。こちらの衣装は各所に金の鎖がついているんですけど、別のベヨネッタレイヤーさんから“本物の鎖を使うと関節が曲がらなくなる”というアドバイスをいただいていたので、金のゴム紐を鎖編みしたものを用意して、それを縫いつけて現状の形に仕上げました。
特徴的な髪型に関しては、ベヨネッタのヘアスタイルは“夜会巻き”と解釈していたので、地毛で再現することにこだわりました。頭頂部の髪は、穴を開けた紙コップからポニーテールの先を出し、毛を巻きつけて接着して。さらに地毛でシニヨンを作り、上から被せてピンで留めることで特徴的なシルエットを再現してみました。
メイクに関しては、もともとの作画がリアル感のある大人っぽいビジュアルなので、カラコンの色を合わせたり、アイシャドーを紫にしたくらいで、あとはほとんど普段のメイクと変わらないですね。私にとってはかなりの重装備で、案の定、移動するたびにパーツがどんどん壊れたり、崩れ落ちたり……。全体的に修繕して、また別のイベントでも着たい一着です!」(『ベヨネッタ』ベヨネッタ/テレジアさん)


「今回はひとりでのコスプレ参加でしたが、普段は5人でアメコミ作品『仮面アメリカ』の公式公認コスプレイヤーとして活動しています。作品に感銘を受けて、3週間かけて型紙から衣装を作り、SNSに写真をアップしたところ、原作者の方に認めていただけました。2025年の『仮面アメリカ公式カレンダー』のモデルにも起用していただいたり、いろいろ活動していますので、よかったらチェックしてみてください。
ちなみに、5キャラのうち4キャラ分の衣装制作を担当していまして。作中での登場順に合わせて衣装を制作し、ひとりずつSNSで紹介。最後にコミケで5人集結、という流れで全員の衣装を公開したところ、作品に関わられている大勢の方が盛り上がってくださいました。このマスクは原作者の先生からいただいた、ものすごく貴重なアイテムです。
私自身は、普段はキックボクシングとピラティスのインストラクターをしています。練習生としても日々トレーニングで鍛えているので、キックポーズなどはバシッとキメられます。ワンフェスでは“背中を撮らせてほしい”との注文があったので、いつものノリで背筋を際立たせるムキムキポーズを取ったところ、“ちょっとたくましすぎるので、もう少し抑えてください”と言われてしまいました(笑)。
また、格闘技衣装屋でデザインや縫製作業も行っているので、そこで得た知識や技術もコスプレ衣装制作に活かせています。こちらの衣装に関しては、胸元の星の切り抜きがこだわりポイントで、きれいに見せつつ、胸元のよけいな部分は見せないようにするのが大変でした」(『仮面アメリカ』仮面アメリカ/川崎優さん)


QJWebでは今後も、全国各地で実施されるさまざまなコスプレイベントに取材参加し、レポート記事を作成していく。連載形式で順次アップする予定なので、こちらもご期待いただきたい。
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