『クイック・ジャパン』のコンセプト「DIVE to PASSION」にちなんで、「私だけが知っているアツいもの」について綴るコラム企画「DtP」。
QuizKnockのライター、同YouTubeチャンネルのディレクターとして活動する志賀玲太が、ラフォーレ原宿で出会った一着のスカートへの想いを語る。
ラフォーレ原宿の地下1.5階が好きだ
ラフォーレ原宿の地下1.5階に心惹かれ続けている。
全6階の13フロアからなるファッションビル、ラフォーレ原宿。そのもっとも下のフロアにあたる地下1.5階にはAngelic PrettyやATELIER PIERROTなどのロリィタブランドが集い、いわばロリィタファッションの発信地になっている。
私はここに漂う、外とは隔絶されたような空気が好きだ。このフロアにいる間は自分が自分でいられる気がする。
ただ、ここに集まる洋服たちのことを、憧れではなくはっきりと好きと言えるようになったのは、つい最近のことだ。
スカートを履くことに躊躇した10年間
服を着るための「資格」についてよく考える。性別や人種、年齢に体型……それは目に見えない試験のようなもので、私たちを縛っている。
本当はそんな資格なんて必要ない、似合う似合わないに関わらず誰もが好きな服を着てほしいと、そう言い放ってやりたい。

しかし、同時にそれを阻むものがいかに大きいかも知っている。事実、私は一着のスカートを履くのにも10年近くの歳月を要してしまった。
何度もスカートを購入しては鏡の前で似合わない、サイズが合わないとあきらめ、そのどれもを押し入れの奥に仕舞い込んだ。
資格なんて、ぶち壊してやるしかない
そんな私は去年の秋頃、ようやく一着のスカートを纏(まと)って街へと繰り出すことができた。
そうできたのは自分の可能性を少しは信じられたからなのか、それともただファッションの懐が深かっただけなのか。
自分でもはっきりとわかっていないが、ひとついえるのは、心奪われてしまったからには、資格なんてものはいずれぶち壊してやるしかないということだ。

慣れないスカートをはためかせ、またラフォーレを訪れたときのこと。先日お世話になったMIHO MATSUDAの店員さんから「スカート、お似合いですね」と声をかけてもらう。
そりゃあなたのお店で買いましたからね、商売上手め。そう思いながら、私はまんざらでもないのだった。

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