「ピンク色のアイライナーで粘膜アイメイクを施してバランスを整えました」新旧ゲームヒロインに扮したレイヤーたちに聞いた“コスプレのこだわり”

2024.10.15
(左から)三色にゃんこさん、あきれいいちさん、ありささん

文・撮影=ソムタム田井 編集=森田真規


世界最大規模のガレージキットの祭典として知られるイベントの最新回であり、7月28日に千葉・幕張メッセで開催された『ワンダーフェスティバル2024[夏]』。同イベントで新旧さまざまな人気ゲームのキャラクターに扮するコスプレイヤーたちにインタビューを実施。“衣装やメイクに対するこだわりポイント”を聞いたレポートをお届けします。

コスプレイヤーに聞いた“衣装やメイクに対するこだわりポイント”

コスプレイベントといえば会場を彩るレイヤーたちの衣装を通して、その時期に旬のアニメやマンガ、ゲームなどを分析できるところも参加する上での醍醐味のひとつ。2024年も全国各地でさまざまなコスプレイベントが開催され、いずれも大盛り上がりとなっている。

そうしたイベントに興味はあるもののまだ参加したことがないという方に向けて、本稿では2024年夏に行われたコスプレイベントをプレイバック。取材時に撮影させてもらったレイヤーたちの写真を掲載しつつ、それぞれに聞いた“コスプレに対するこだわりポイント”と併せて紹介する。

ここでピックアップするのは、世界最大規模のガレージキットの祭典として知られ、7月28日に幕張メッセで開催された大型イベント『ワンダーフェスティバル2024[夏]』(以下、『ワンフェス』)に参加していたコスプレイヤーたち。

プロ・アマチュアを問わず、誰でもフィギュアや模型といった造形物を出展・販売できる『ワンフェス』では、参加レイヤーたちが自作で用意したという衣装や武器からも“モノづくり”に対する熱意が感じられ、そうした点も多くのコスプレファンから支持されているポイントのひとつといわれている。

屋外に設けられたコスプレエリアを覗いてみると、巨大なチェーンソーが印象的な『ロリポップチェーンソー』のジュリエットをはじめ、『ゼンレスゾーンゼロ』『勝利の女神:NIKKE』『ブルーアーカイブ -Blue Archive-』といった人気ゲームのヒロインたち(に扮したレイヤー)が続々と集結。

銃やスーツケースといったアイテムの造形はもちろん、メイクやウィッグにも注力し、キャラクターの雰囲気を再現することにこだわったレイヤーが大勢いて、撮影の合間にはコスプレに込めた熱い思いを聞かせてくれた。

「一番のこだわりは自作で用意したチェーンソーです。作品のタイトルにもあるとおり、チェーンソーが特徴的なキャラクターなので、造形はもちろん色味にもこだわって製作しました。正面からだと見えにくいんですけど、首だけの状態で腰にぶら下がっているニック(ジュリエットのボーイフレンド)にも注目してもらえると嬉しいです!」(『ロリポップチェーンソー』ジュリエット・スターリング/ありささん)

『ロリポップチェーンソー リポップ』ジュリエット・スターリング/ありささん
『ロリポップチェーンソー リポップ』ジュリエット・スターリング/ありささん

「今回のコスプレでこだわったポイントはふたつありまして、まずひとつ目は武器の造形です。すでに作ったものがあったんですけど、仕上がりに納得がいかなくて……『ワンフェス』に合わせて、一から作り直しました。関西からの遠征なので、持ち運びが少しでも楽になるように軽い素材を使い、分割可能に仕上げたところも自分なりのこだわりです。それと、ふたつ目の注力ポイントはメイクです。トキは下まつ毛の主張が少ないキャラなので、そこは控えめにしています。その上で面長に見えないよう、ピンク色のアイライナーで粘膜アイメイクを施してバランスを整えました。もともとつり目気味なんですけどテーピングでさらに強調して、より鋭い目つきにしてみたので、それが写真にも反映されていたら幸いです」(『ブルーアーカイブ -Blue Archive-』飛鳥馬トキ/三色にゃんこさん)

『ブルーアーカイブ -Blue Archive-』飛鳥馬トキ/三色にゃんこさん
『ブルーアーカイブ -Blue Archive-』飛鳥馬トキ/三色にゃんこさん

「ニコのメイクでは“目力の強さ”と“かわいらしさ”を両立させたかったんですけど、部分まつ毛を目尻側に使用することで、その雰囲気を表現してみました。こちらのコスプレは別のイベントでも挑戦したことがあるんですけど、今回はスーツケースをより大きいサイズに新調していて、スーツケースに座るポーズも再現できます。手書きで仕上げたケースの模様にも注目してもらえるとうれしいです」(『ゼンレスゾーンゼロ』ニコ・デマラ/giRiさん)

『ゼンレスゾーンゼロ』ニコ・デマラ/giRiさん
『ゼンレスゾーンゼロ』ニコ・デマラ/giRiさん

「今回のコスプレではゴージャス感を出したくて、目元にラメをつけてみました。アイシャドウもピンクとゴールド系の色にして、華やかな雰囲気を演出してみたつもりなんですけどいかがでしょう?」(『勝利の女神:NIKKE』ドロシー/のぞみさん)

『勝利の女神:NIKKE』ドロシー/のぞみさん
『勝利の女神:NIKKE』ドロシー/のぞみさん

「顔の輪郭に合わせてウィッグのシルエットを調整しました。できるだけ横幅が出るような、ボリューム感のあるセットを意識しています。また今回は、キャラクター特有の瞳を再現するために、水光カラコン(2色グラデーションのもの)を使用。そのかいあって、いい感じに瞳の透明感も表現できたんじゃないかなと思っています」(『原神』甘雨/あきれいいちさん)

『原神』甘雨/あきれいいちさん
『原神』甘雨/あきれいいちさん

QJWebでは今後も、全国各地で実施されるさまざまなコスプレイベントに取材参加し、レポート記事を作成していく。連載形式で順次アップする予定なので、こちらもご期待いただきたい。

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ソムタム田井

(そむたむ・たい)ライター兼カメラマン。コスプレ文化の研究家として、『ORICON NEWS』『まんたんウェブ』『WebNewtype』『ファミ通.com』『Movie Walker』など、多数のWEBサイトや書籍に寄稿。コスプレイベントの企画やキャスティングを担当しつつ、世界コスプレサミット『Co..

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