AKB48を卒業し、のんべんだらりと過ごしていた無職の日々。しかしひょんなことから訪れた幸運をつかみ、ニートから売れっ子タレントに大変身! 人生は何が起こるかわかりません。気まぐれな運命に翻弄されるボートレース女・福留光帆が、日常の中から幸せをつかみ取るための法則を探し出す連載「幸せをつかむマイルール」。第2回はブレイクの渦中で心に響いた音楽と、今の心境について赤裸々に綴ってもらいました。
福留光帆
(ふくとめ・みつほ)2003年生まれ、兵庫県尼崎市出身。AKB48元メンバー。『佐久間宣行のNOBROCK TV』での大喜利センスが話題を集め、ニート生活を脱出し目下ブレイク中。
ヨルシカ「盗作」と、今年の夏
私の一番好きなアーティストさんはヨルシカさんです。特に好きな曲が何曲かあります。「ブレーメン」、「ルバート」、「盗作」。その中でも最近の私がよく聞くのは「盗作」です。
今年の夏は本当に幸せな夏だった。私は季節の中で夏が一番好きです。なんてったって日照時間が長いから4時半くらいには外が明るくなるし、19時くらいまで暗くならないし。外も気持ちもずっと明るい時間が長くて、悩むことが冬より少ない気がします(笑)。
あとは私は服装を考えるのが苦手だから。かわいい服があってもどんな上着を合わせたらいいかわかんないし、自分で選んだ組み合わせをダサいと思われるのもいやだし……。でも夏は上着を着ることが少ないから、上の服と、下の服を考えるだけで済むし。
まだまだいろんな理由があります。海で泳げるし、プールも行けるし、セミも泣いてるし、花火大会とかお祭りとかもたくさんあるし。気のせいかもしれないけど、なんとなくひとりで外にいても孤独を感じる瞬間が少ないような。
夏ってだけで幸せなのに、今年の夏は格別に幸せでした。憧れのテレビにも出られたし、大好きなボートレースがお仕事につながったし、そしてなにより、ファンの方を含めたくさんの素敵な方々に出会うことができました。お仕事をさせてもらえるぶん、休みの大切さを知って、家族との時間が今まで以上に楽しくなりました。
たまに、学生時代に戻りたいなとか、なんにも考えずニートしてたあのころに戻りたいなとか思うけど、私はきっと今年の夏をこれから先の人生で思い出し続けるような気がします。
今が当たり前だと思いたくない
今がなくなるのが怖い。最近そうよく思います。
アイドルのときは周りが活躍しているのを陰で見ているだけで、中学生のときは周りになじめなくて嫌われたりハブられたり、まあもちろんこれまで楽しいこともいっぱいあったけど、アイドルも学生時代も最初に思い出すのはネガティブなことが多くて。
そんなふうに言ってしまうとこれまでの自分を否定してしまうみたいでかわいそうだし、アイドルのときに応援してくれていた方も否定するみたいで申し訳ないけど、今みたいにすべてが幸せで、だいたいのことがうまくいったことが、今までなかったから。
楽しいことがあればあるほどそのぶん不幸がある、そんなふうに思っているからこそ幸せすぎると怖くなります。だから毎日怖いです。何かを投稿すれば瞬く間にたくさんいいねをつけてもらえること、通知欄を見るたびに新しい通知が来ていること、少し前の自分はこれが当たり前ではなかったから。当たり前だとは思わないようにしなくちゃ。
見向きもされなくなったときに、後悔しないように
道端で会って応援してるよって声をかけてもらえること、福留ちゃんと出会って毎日楽しいですって言ってもらえること、なにより誰かに期待をしてもらっていること。
今まで生きてきてこんなにも誰かに期待されたり、求めてもらえることがなかったんだから、その期待に絶対に応えて、これからも求めてもらえるようにがんばらなくちゃ。飽きられないように、常に新しい自分を見せられるように、消費されないように、今の自分をただのフィーバータイムで終わらせないように。
活躍を喜んでくれる家族のために、見つけてくれたマネージャーさんのために、アイドル時代からずっと応援してくれてるファンの方のために、新しく知ってくれてこれから応援しますって言ってくれた方のために。
多少の期待をされても全部裏切ってきたんだから。
中学生の時だってソフトボール部に入って、いいバッティングができるように、たくさんバッティングセンターに連れて行ってもらってバッティングの練習をしたのに、グローブを買ってもらってスパイクも買ってもらってたくさん部活の用品も買ってもらったのに、人間関係がうまくいかなくて10カ月で投げ出したし、アイドルだって、せっかく追い続けてアイドルになれたのに、応援してくれる方に出会ったのに、これからが楽しみだよって言ってくれる方がいたのに、加入してすぐコロナ禍だったのを言い訳に売れなかった自分を正当化してしまってるし。
がんばらなくちゃいけないときにがんばりきれなかったから。何もなかったころから突然いろいろなことに挑戦させていただけることに、家族もまわりの人もファンの方もみんな驚いてくれるけど、誰よりも驚いてるのは自分自身です。
実力が全然ないのに、実力以上のことを求められるとやっぱりうまくいかなくてつまずくし、でもつまずいてると違う蕾が開花しちゃって、私は必要がなくなってしまうし。
ボートレースのお仕事ができたり、お仕事がたくさん増えて楽しいでしょ?って言われるけれど、正直最近はなによりも焦りが強い。だからこそ聴いてる曲が「盗作」です。
別になに何かを盗んだわけではないですよ。ほんとに。まだ私の人生はこの曲の歌詞の3番にも到達できてないかな。ただ、見向きもされなくなったときに今の自分を後悔しないように。精いっぱい与えてもらったことをがんばりたいです。今の幸せを更新できるように!
【連載】福留光帆の幸せをつかむマイルールは毎月更新予定
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