7ORDER諸星翔希「想像を覆すようなライブ」をするために極め続ける個性

2024.8.6
諸星翔希

文=吉田可奈 撮影=浅田政志 編集=梅山織愛


『Quick Japan』vol.173(8月6日発売)の表紙と90ページにわたる総力特集「証明する冒険へ」に登場したアーティスト・7ORDER

歩みを止めざるを得ない出来事を超えて、彼らはなぜ再び立ち上がれたのか?

特集では、数々の選択肢の先で“自分たちらしいかたち”を模索し、新しいスタートを切った6人に密着し、その真意を紐解いた。ここでは『Quick Japan』vol.173掲載の諸星翔希のソロインタビューの一部をお届けする。

7ORDER特集『Quick Japan』vol.173 表紙
7ORDER特集『Quick Japan』vol.173 表紙
7ORDERソロ表紙ポストカード付き『Quick Japan』vol.173 7ORDER特製しおり付き『Quick Japan』vol.173

サックスというもうひとつの声を武器に

諸星翔希(以下、諸星) なんだろうな……。“こういうヤツもいるよ”というのを見せるポジションですかね。

諸星 いや、7ORDERになってからそう思うようになりました。僕たちって前の事務所ではアイドルとして活動をしていたんですが、そこで作られるパブリックイメージからは、“違和感”のある存在であろうと思っていて。わかりやすくいえば、親しみやすいビジュアルだったり、パフォーマンスはしっかりとトガっていたり、みんなが思っている想像を覆すくらいの実力を持っていないといけないなって思ったんです。それに、“7ORDERってもともとアイドルだからこういう曲をやるんだろうな”と思う想像を一気に覆すようなライブをしていかないといけないと思っていて。

諸星 まずは僕が担当しているサックスを即興でしっかりと吹けるようにならないといけないと思ったんです。これまではフレーズをちゃんと決めて吹いていたんですが、今はコードに合わせたアプローチや、その場でちゃんと即興で演奏できることで、個性が出るかなと思っていて。

諸星 そうですね。サックスって、音の引きがものすごく強いんですよ。それに、ボーイズグループが多数出演するフェスやイベントに行ったとしても、サックスの音ってほぼ聞かないですよね。でも、そこで7ORDERが始まったときに、サックスの音が鳴るだけで、一気に雰囲気が変わるんです。それに、サックスって口とつながっているから、ものすごく感情を乗せやすいんですよ。自分の息ですべてをコントロールするから、ほぼ声と同じなんですよね。

諸星 “叫び”が最たる例になると思うんですが、そこがサックスの一番の魅力なんです。

諸星 ありました。実はもともとはサックス自体、知らなかったんですよ。結成して最初の1年間くらいは、タンバリンをあてがわれていて。でも正直、ものすごく暇だったんです(笑)。そこで「サックスやってみたら?」と言われたけれど、見たこともないくらいで! なので、サックスがどれだけすごいものなのかもわからなかったんですよね。でも、最初に吹いた瞬間、ものすごくカッコいい音だなって思ったんです。それに、ダンスをやっていたから、R&Bやファンクなどのブラックミュージックが大好きだったんですが、よく聴くとこのサックスの音が入っていることに気づいたんですよね。そこから一気に親しみがあふれて、サックスを愛するようになりました。

諸星 そうですね。なので、それからは毎日練習していました。何年も経って、やっと自分でアドリブを吹けるようになってからはだいぶ気持ちも変わりましたし、より楽しくなりました。それからは音楽との気持ちの向き合い方もガラッと変わったんです。自分のキャラクターも変わってきたのも、そのころですね。

諸星 最初のころは、僕はお笑いキャラだったんです。それもグループにとってはすごく大事だけど、そのほかに何ができるだろうと考えたときに、“スキルを上げないといけない”と思ったんですよね。その意識を持ってからは、僕がパフォーマンスで引っ張らなくちゃいけないと思うようになったんです。7ORDERにはメインボーカルがふたりいますが、サックスもボーカルだと思っていて。だからこそ、フロントマンとして牽引していく存在にならなくちゃいけないと考えるようになりました。

諸星 サックスプレイヤーでいうと、宮本大路さんですね。彼はサックスを始めたのも遅くて、毎日土手で練習している感じも、すごく似ているんです。

諸星 はい(笑)。あとは、カラオケボックスや、実家の車の中で練習をしていました。ただ、車の中だと防音がしっかりしていないので、やりすぎるとクレームが来ちゃうんですよね(苦笑)。

諸星 かなり変わりました。こう見えて、かなりマジレスをするんですよ。メンバーがこれを言われたくないだろうなと思ったとしても、僕が言うんです。

諸星 そうですね。その自分のキャラを悪用しています(笑)。トゲがあると、ただの悪口になっちゃうけど、普段から僕のようなキャラが言うと、ちゃんと響くんじゃないかと思って、メリハリはつけるようにしています。

諸星 3年ほど前に、ある程度グループの軌道には乗ったけど、みんなが表現をすること、ライブをすることを前ほど楽しんでいないように感じたことがあったんです。独立して、自分たちがどう楽しむかではなく、どう7ORDERを見せるかということのほうが大きくなってしまったんですよね。それももちろん大事だけど、「本来パフォーマンスすることって、楽しむことだよね」って話したんです。それに、「前の事務所を抜けたのなら、もっとパワーアップしないと説得力はないし、純粋に楽しもうよ」とも、話しました。

諸星 はい。でも言わないと絶対にダメだと思ったんです。僕自身、“何がしたいんだっけ?”って自分を見失うこともありますが、独立したからには責任の取り方をちゃんと自分で覚えないといけないと思ったんです。もちろん、メンバーはちゃんと受け止めてくれました。

『Quick Japan』vol.173表紙・巻頭特集撮影メイキング
7ORDERソロ表紙ポストカード付き『Quick Japan』vol.173 7ORDER特製しおり付き『Quick Japan』vol.173

【総力特集】
7ORDER 証明する冒険へ

▼Special Photo:CHAPTER 1
A new adventure begins.

▼ソロインタビュー
安井謙太郎:自分たちで始めた責任。信じてくれた人の希望であるために
真田佑馬:7ORDERの軌跡を守るためなら、ひとりになっても歌い続ける
諸星翔希:逆境がなかったことがない、でも、それも楽しむ僕らは強い
萩谷慧悟:自分と向き合うなかでの成長。これからもみんなで物語を作る
阿部顕嵐:今後の人生と向き合った上での決断。時代劇の魅力を世界に発信できる俳優に
長妻怜央:まわりの人がここまで導いてくれた、これからは自分の手で「これといえば長妻」を探す

▼密着取材
1「But(裏)」「But(表)」レコーディング:チームで作る決意表明の一曲
2 MV撮影:この日の記憶を糧に
3『7ORDER NEW SINGLE RELEASE TOUR 2024』リハーサル:トライアンドエラーを経て魅せる
4『7ORDER NEW SINGLE RELEASE TOUR 2024』7月4日@立川ステージガーデン:第2章の始まり

▼VOICE OF 7ORDER CREW
1 音楽:藤本夏樹(Tempalay)自由に、楽器と遊びながら
2 演出:UNO(演出家)カッコよすぎない生き様に巻き込まれて
3 映像:カジ(映像ディレクター)「なんでも撮影OK」の潔さ
4 ライブ:カワセ136(スタイリスト)独立心とパンク精神をまとうスタイル

▼Echoes of Career ~人気者の仕事遍歴~ 安井謙太郎の成長職歴

▼特別企画 7ORDERを支える1日限定スタッフを大募集!

▼Special Photo:CHAPTER 2
I’ve always had crew!

【特別企画】7ORDERを支える1日限定スタッフを大募集!

7ORDERの所属母体である「株式会社L&L’s」と『Quick Japan』&「求人ボックスジャーナル」の特別企画として、7ORDERの1日限定スタッフを募集! 求人ボックスにて応募の受け付け中。

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吉田可奈

(よしだ・かな)エンタメ系フリーライター。著作『シングルマザー、家を買う』『うちの子、へん?』(共に扶桑社)が発売中。音楽、映画、声優、舞台、アイドル、オタク事が得意。現在は『InRed』、『steady.』(共に宝島社)、『NYLON JAPAN』(CAELUM)、『ダ・ヴィンチ』(KADOKAW..

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