「T-POPを世界へ」「目標は東京ドーム」タイ発ボーイズグループ・ATLASが描く夢

2024.5.29

文・編集=菅原史稀 撮影=長野竜成


本場のグルメや雑貨などさまざまなタイカルチャーが一堂に会すとあり、毎年多数の来場者で賑わいを見せる『タイフェスティバル東京』が、代々木公園にて5月11日~12日にわたり開催された。

同イベントの目玉となるのが、伝統舞踊からムエタイのデモンストレーション、そしてタイポップス“T-POP”のアーティストまでが楽しめるステージ。今年も数々の人気アーティストがパフォーマンスを見せたなか、ひときわ大きな声援を受けていたのが、タイを拠点に活動するボーイズグループ・ATLASだ。

バックバンドの生演奏に乗せて爽やかな歌声を届けながら一糸乱れぬダンスを披露した彼らは、日本のみならずシンガポールや香港など海外のイベントにも出演するなど、活躍の場をグローバルに拡大中。今回は『タイフェスティバル東京』出演直後の7人にインタビューを実施、グループの魅力や今後の目標について語ってもらった。

ATLAS
(アトラス)タイの7人組ボーイズグループ。Junior(ジュニア)、Jet(ジェット)、Poom(プーム)、Nice(ナイス)、Erwin(エーウィン)、Muon(ミウオーン)、Tad(タッド)で構成される。2021年に1stデジタルシングル「MAYDAY MAYDAY」でデビュー。2024年5月、『タイフェスティバル東京』に初出演した。

ドキドキと喜びの日本初パフォーマンス

──今日はみなさんにとって日本での初パフォーマンスだったと思いますが、いかがでしたか?

Junior タイからこれほど遠く離れた場所で公演をしたのは初めてだったので、始まる前はすごく緊張しました。でも多くの方々が観に来てくれてうれしかったし、これからも世界へT-POPを広げていきたいなと改めて感じました。

Muon(ミウオーン)

Muon (日本語で)そうだね。それから日本はタイに比べて暑くないので、パフォーマンスしやすかったです。

──質問の途中ですみません、Muonさんの日本語が本当に流暢でびっくりしました……! 過去には日本語でラップを披露されていたこともありましたもんね。

Muonの日本語でラップする姿はこちらからチェックできる

Muon ありがとうございます! 僕は高校で日本語を学んで、そのあと京都へ留学していたんです。

メンバー一同 そうだったの~?

Erwin ……ごめんなさい。もちろん僕らは知ってましたけど、知らないフリをしてみました(笑)。

Erwin(エーウィン)

──(笑)。それでは先ほどのお話に戻ると、ステージ上では気候の違いを感じられていたんですね。

Erwin タイはとても暑いから、野外でパフォーマンスすると30分くらいでメイクが落ちてきてしまうのが大変で。

Junior 僕らを観に来てくれているお客さんも暑さで疲れてきちゃうしね。今日は天気がよかったけど涼しくて、快適でした。

お互いの好きなところ、グループの個性は?

──すごくカッコいいステージで、お客さんも大盛り上がりでしたね! さてここからは、グループの個性にせまる質問をしていきます。各メンバーの好きなところを紹介していただいてもいいですか?

Muon もちろん! Poomの魅力といえば、「かわいい」です。いつも愛らしくて、そういうところが好きですね。

Poom(プーム)

Poom Erwinは作詞作曲ができるグループの音楽担当ですし、歌のことなどいつも助けてくれるメンバーです。

Erwin Juniorは面倒見がよく、誠実で頼りがいがあります。何か起こるといつも一生懸命に解決しようとしてくれる、すごくいいリーダーです。

Junior Tadはポジティブなオーラを放つ人で、まわりのみんなを幸せな気持ちにしてくれる人。だけど、何か悩みがあるとひとりでずっと考えて、少しずつ解決していきます。そういう経験を経てすごく成長を遂げたメンバーだと思います。

Tad(タッド)

Tad Jetはまず、ルックスがカッコいい。だけどいつも努力し続けて、ダンスの練習もできるまでやめないんです。

Jet(ジェット)

Jet なんでもできちゃうオールラウンダーなNiceは、カリスマ性がピカイチです。僕らも彼からいつもインスピレーションをもらっているんですよ。

Nice Muonはステージ上で観客を惹きつける個性が強いメンバーです。すごく素敵なキャラクターを持っていると思います。

──そんなメンバーが集う、ATLASというグループの魅力を表すのにふさわしいひとことを教えてください。

Nice ひとりずつ答えていこうか。僕は「パフォーマンス」だと思います!

Jet 「ユニーク」かな。

Tad 「フリーダム」!

Junior(ジュニア)

Junior やっぱり「ファミリー」。

Erwin 「おもしろい」(笑)。

Muon 「パッション」です。

Poom 「かわいい」!

メンバー一同 おおー! かわいいー!(笑)

グローバルな存在になりたい

──本当にさまざまな魅力を持つグループですね! デビューから約2年半が経ち、当初からどんな変化を感じていますか?

Nice(ナイス)

Nice まず歳をとってきたかな(笑)。

Erwin たしかに(笑)。もちろん経験もたくさん積んで、ステージ構成などのアイデア出しを自分たちからするようになったなど、全体的に成長していると感じます。

Tad セーフティゾーンから抜け出して、新しい挑戦もいっぱいできるようになってきました。

Muon 大人になって、一人ひとりのカラーが明確になってきたよね。

──最後に、グループとしての具体的な目標や「こんなグループになりたい!」という理想を教えてください。

Poom これからもベストを尽くすしかないと思います。後輩の見本になれるような存在になりたいです。

Muon 僕の夢は、15歳のときからずっと東京ドームに立つことなんです。東京ドームでBTSがパフォーマンスする映像を観て以来、憧れています。いつかATLASとして日本をツアーで巡って、夢の舞台に立ちたいですね。

Jet T-POPアーティストみんなでシーンを盛り上げて、今よりもグローバルに活躍できるようになれたらいいなと思っています。そのために、僕らもタイの音楽を世界へ発信できるような存在になりたいです!

『クイック・ジャパン』vol.172でT-POPを特集!

『Quick Japan』vol.172掲載「T-POP特集」より

2024年6月5日(水)より発売となる『クイック・ジャパン』vol.172では、これから世界を席巻するであろうニューカルチャーとしてT-POPを大特集。ラッパーのF.HEROへのロングインタビュー、アイドルシーンからはQuadlips、PROXIE、QRRA、PERSESが登場し、新たなムーブメントを作るタイカルチャーに迫る。

【通常版】『クイック・ジャパン』vol.172 【限定表紙版】『クイック・ジャパン』vol.172

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菅原史稀

(すがわら・しき)編集者、ライター。1990年生まれ。WEBメディア等で執筆。映画、ポップカルチャーシーンの分析を主な分野とする。

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