2日間にわたった『DAIENKAI 2024』。ガクテンソクとアユニ・Dが漫才でコラボ!

2024.7.17

編集=QJWeb編集部


音楽×お笑いの新しいフェス『DAIENKAI 2024』が2024年7月13日(土)、14日(日)の2日間にわたって東京ガーデンシアターにて開催された。

吉本興業の主催で昨年初めて開催されたこのイベントは、音楽とお笑いが融合した新時代のフェス。アーティストと芸人によるネタあり、歌ありのコラボコーナー等、まさに“音楽とお笑いの大宴会”によるスペシャル・エンタテインメントが大きな話題を呼び、2年連続の開催となった。本稿では、7月14日の模様を送る。

二次会開会の回

前説のスカチャンが客席をしっかり温めると、スクリーンに映るカウントダウンに客席から歓声が上がる。開演時間ちょうどにオープニングVTRが流れ、2日目の幕を華やかに開けた、『DAIENKAI』。

「ENKAI BUCHO」(ナビゲーター)を務める、バイク川崎バイクの「アクセル全開で最高の音楽とお笑いのツーリングになればと思います、バイクだけに。ブンブン!」のあいさつでわかせ、2日目が本格スタートした。

「KAMPAI ACT」として登場したのは、ジュースごくごく倶楽部。ジンジャーエール阪本(マユリカ/Vo)、堂前タオル(ロングコートダディ/Ba)、辻クラシック(ニッポンの社長/Gt)など、芸人のみで構成され、ライブハウスシーンでも大活躍するこのバンド。明るくポップでキャッチーな楽曲に、初めて観る人も拳を上げて声を合わせて、会場にパーティー感が生まれる。MCでは、阪本のリードでコール&レスポンスをしっかり練習しておきながら、そんな曲はやらないというボケも。ラストは「小悪魔なんてもんじゃない」で大いに盛り上げてフィニッシュ! 気持ちよすぎて痙攣する阪本をステージに残し、メンバーは観客の大きな拍手に送られてステージを去っていった。

ライブ後はケビンス、ミキのネタが続き、熱気冷めやらぬ会場。ネタ終わり、最初のブロックの出演者がステージに集合すると、バイク川崎バイクの「僕ら、乾杯で、ベロベロになろうぜ! BKB、ヒィ~ヤ!」を合図に、会場中が「乾杯!」の声を合わせて、二次会(2日目)の開会を宣言した。

地酒に感謝の回

相席スタートのコントから、空気階段、見取り図と人気者のネタが続き、笑いと歓声に包まれた会場。

勢いよくライブをスタートしたヤングスキニーは、ヤンチャで衝動的、ピュアで優しい彼らの魅力を存分に発揮。「初めましての人も多いと思うので、僕がどんな人間かを歌で示したいと思います」と始まった「ゴミ人間、俺」では、美しく澄んだハイトーンで自分のゴミ人間ぶりを歌ったかやゆー(Vo)。ライブ中盤は「ベランダ」や「本当はね、」といった代表曲を惜しみなく披露。ライブが進むごとに客席の盛り上がりが増し、観客が彼らの魅力に惹かれていくなか、ラストは「不純愛ラブストーリー」の熱い歌と演奏でガッツリ心をつかんでフィニッシュ。

熱いライブの余韻が残るなかでステージに登場したのは、見取り図演じる、南大阪のあの“カスカップル“力也(見取り図・盛山晋太郎)&綾(見取り図リリー)。すると、ヤングスキニーの人気ぶりに嫉妬するふたりの前に、鈴木もぐらとかやゆーも登場。カスとクズとダメ人間による、夢の共演がここに実現!

「誰が一番クズか?」でモメる4人を相席スタート山添寛が制し、始まったコラボコーナーは「金玉ハリセン大喜利」。「浮気がバレたときのクズな返し」といったお題に力也、もぐら、かやゆーが回答し、一番クズな回答を出した人の金玉を綾がハリセンで叩くという、最低な大喜利大会。もぐらが2度の金玉ハリセンを受けたあと、「一番クズじゃない人を選んでください」と言われて悩んだ綾が、力也に寄り添いハッピーエンド。「“き”で始まるカッコいいものは?」のお題に「きょうりゅう」と答えて笑顔を見せるかやゆーに、客席から「かわいい!」と声が上がったのも印象的だった。

茶豆小鉢の回

PEDROのセッティングが終わると、ステージに登場したのはフースーヤのふたり。前説トークに続いてギャグを披露して会場を温めると、このブロックの出演芸人を次々と呼び出してギャグを強要。しまいにはライブを直前に控えたPEDROのアユニ・D(Vo/Ba)も呼び出してギャグを強要し、観客から温かい拍手と笑いが起きるなか、PEDROのライブへ突入。

PEDROのライブの強烈な爆音とアユニのたくましく伸びやかな歌声が会場の空気をガラリと変えると、観客の拳が力強く上がる。MCでは、アユニの「私の愛してやまない人が、アインシュタインの稲田(直樹)さんで」という説明から、2020年4月に稲田が一瞬、PEDROに加入した際の話になり、稲田がMVにも参加した楽曲「自律神経出張中」を披露。さらに“関東の父”と呼ぶガクテンソク奥田修二の話題から、「大好きな曲で、『THE SECOND』の出演前に聴いていた」と伝えられたと話す「感傷謳歌」を披露。芸人との深い関係性にお笑いファンの共感を生み、感情的かつ感傷的な歌とサウンドで観客の心をしっかりつかむと、ラストは優しくやがて激しいミディアムバラード「春夏秋冬」で締めくくった。

PEDROのライブ後は、フースーヤ、ナイチンゲールダンス、EXITと勢いあるコンビのネタが続き、『THE SECOND』チャンピオンのガクテンソクが貫禄ある漫才を魅せる。ガクテンソクのネタ中には、奥田の誘導でアユニが降臨。奥田がアユニに耳打ちしてよじょうをツッコむという、前代未聞の耳打ち漫才で笑わせると、アユニの「もうええわ!」で漫才を締め、会場から笑いと拍手が起きた。

出演芸人にアユニを加え、全員参加で始まったコラボコーナーは、“陽キャぞろいの出演者に、陰キャのアユニ・Dを明るくしてほしい”と企画された「陽キャ古今東西」。「居酒屋のメニュー」のお題を陽キャらしい答えでつなぐという、このゲーム。いざ始まると、陽キャ同士の悪ノリでゲームはまったく進まないが、明るく楽しくバカバカしい展開に会場は大爆笑!

やりすぎな陽キャたちに困惑しながらも、がんばってゲームに参加し、たくさんの笑顔を見せていたアユニ。陽キャになれたのかはわからないが、コラボステージをおもいきり楽しんでいたことは間違いなかった。

ラストオーダーの回

カベポスター、マヂカルラブリー、蛙亭と個性派コンビのネタで客席を大いにわかすと、ライブセッティングを終えたステージに蛙亭が再び登場。さっきまで演じいてたコントの続きから、「あ、今日はかまってちゃんのライブに呼ばれてるんだ」と中野周平がつぶやき、“中野がかまってちゃんの恩人的存在だった”というシチュエーションコントで笑わせる。

気持ちを切り替えるように、神聖かまってちゃん・の子が「イエーイ!」と観客を煽り始まった神聖かまってちゃんのライブは、1曲目「肉魔法」でハイテンションにスタート。「どアウェイですけど、このアニメは知ってるでしょ?」と始まった、アニメ『進撃の巨人』OPテーマでもあった「僕の戦争」。さらに自身の代表曲「フロントメモリー」にジャンプを合わせる観客が会場を揺らすと、ラストは「ロックンロールは鳴り止まないっ」をぶっ放ち、大盛り上がりの観客を目の前にしたの子が「楽しかった、みんなもいいライブしてた!」と笑顔を見せた。

全員参加のコラボコーナーは、かまってちゃんチームvs芸人チームによる「野田ゲー3本勝負」。「つり革ゲーム」「デッカチャンブロックくずし」「The 連射」の3つのゲームで行われた対戦は、どちらのチームも異常にゲームがうまく、見守る観客も大興奮! 特に「ブロックくずし」では、最後に残ったmono(Vo/Key)と蛙亭・中野が、ふたりとも2面をクリアして引き分け。コントではない、本当の友情が芽生えるひと幕も。『連射』で野田に完膚なきまでに叩きのめされて敗北したかまってちゃんチームは、罰ゲーム執行人・バイク川崎バイクによる、「即興BKB」の罰ゲーム。の子の独創性がすぎるアーティステックな「BKB」は、演者も観客も大爆笑だった。

お茶漬けの回

囲碁将棋、アインシュタイン、ロングコートダディと続いたネタのコーナーでは、劇場とは異なる音楽ファンのノリのよさに、ロックミュージシャンのネタを披露したアインシュタインの調子が狂ってしまうという楽しいトラブルが起きる。

今年結成20周年&メジャーデビュー15周年を迎えるロックンロールバンド・THE BAWDIESのライブは、「ロックンロールバンドっていうと敷居が高く感じてしまうかもしれないけど、ただのお祭り野郎と思ってください!」というROY(Vo/Ba)のあいさつで始まり、痛快なロックンロールを鳴らすステージに、ノリのいい観客が最高潮の盛り上がりを見せる。ロングコートダディとメンバーのコラボ小芝居で始まった「HOT DOG」、演奏中に乱入した囲碁将棋が直前に披露したネタにちなんだ「アン!」「ポコ!」のコール&レスポンスで盛り上げた「KEEP ON ROCKIN’」と、ここでしか観られない貴重なコラボで沸かすと、最後の曲「JUST BE COOL」で「最高の打ち上げ花火、見せてもらえますか?」と観客のジャンプを煽り、会場を揺らした。

『BACK TO THE FUTURE』のテーマソングが流れて雷鳴が鳴って始まったコラボコーナーでは、ビフ(野性爆弾くっきー!)とドク(囲碁将棋・根建太一)、進行役のアインシュタイン河井ゆずるが登場。「今日は芦田愛菜ちゃんを連れて、未来に(鈴木)福くんを探しに来てるのじゃ」というでたらめな設定でコントが始まると、芦田愛菜(アインシュタイン稲田)がステージに登場。「福くん候補を連れてきた」と、THE BAWDIESのメンバーも巻き込んでコントが展開していくと、ステージに福くん(囲碁将棋・文田大介)が登場。役者が出そろったところで始まったのは、くっきー!がウッドベースを担当し、THE BAWDIESとともに演奏する「マル・マル・モリ・モリ!」。くっきー!のベースのリードでほぼ即興で演奏する楽器隊と、それに合わせて歌う福くんと愛菜ちゃん。

最初こそ探り探りだったが、ROYがボーカルを取って英詞で歌い始めた瞬間、カッコいいロックンロールへと変貌。どんどんグルーヴィーになっていく演奏をノリノリでプレイしていたくっきー!は、途中で演奏をストップし、「やめろ! 楽しすぎんじゃねぇか!!」と満面の笑みで一喝。「この楽しい気分のまま終わろう、撤収!」と告げて、コラボコーナーを強制終了した。くっきー!とTHE BAWDIESの演奏がどんどんグルーヴしていくセッション演奏は、「もっと見たい!」と思わせるほど本格的で見応えがあった。

また会う日までの回

オダウエダ、ななまがり、令和ロマンとネタが続いた、2日間を締めくくる最終ブロック。大トリを務める予定だったミルクボーイが、内海崇の体調不良のため出演できないことが事前にアナウンスされたが、なんとミルクボーイの代打として、タカアンドトシがサプライズ出演! 歓喜する観客の強烈な声援と拍手に迎えられて登場するや、貫禄じゅうぶんの圧倒的な漫才で、この日一番の笑いを生んだふたり。

会場中を笑顔にして、ヤバイTシャツ屋さんへとバトンをつなぐ。昨年の『DAIENKAI』にも出演しており、大歓迎ムードで迎えられたヤバイTシャツ屋さんは、全国のフェスやイベントを賑わせてきたパーティーチューンであり、彼らの代表曲である「あつまれ!パーティーピーポー」で、最高潮の盛り上がりからライブをスタート。

大学の先輩であるミルクボーイの漫才とコラボ予定だったパートでは、駒場孝が内海の代役にななまがり初瀬悠太を連れた偽ミルクボーイとして登場し、大学の最寄り駅である「喜志駅」を題材にした漫才から、「喜志駅周辺なんもない」へとつなぐ。

オダウエダ&ななまがりとのコラボパートでは、パラレルワールドから来た、怪奇!YesどんぐりRPGという設定で、どんぐりたけし(ななまがり森下直人)がありぼぼ(Ba/Vo)に求婚するも、パラレルワールドから来たありぼぼ(オダウエダ植田紫帆)に阻止されるというコントから、「ハッピーウェディング前ソング」が始まるなど、ここでしか見られないコラボが満載。「僕は“おもしろい=優しい”やと思ってて。2日間、めちゃくちゃおもしろくて、めちゃくちゃ優しいイベントやったと思います。みんな笑って帰ってください」とこやまたくや(Vo/Gt)が熱く語って始まった、ラスト「かわE」では、オダウエダ、ななまがり、令和ロマンが全員集合して、最高潮の盛り上がりを見せるなかでフィニッシュ。『DAIENKAI』はいよいよ2日間を締めくくる大エンディングへ──。

「ENKAI BUCHO」のバイク川崎バイクの呼びかけで、会場に残っている芸人&バンドマンがステージに集合。川崎が「最後までガス欠しなかった? バイクだけに?」と声をかけると、「ブンブン!」と観客が元気に声を合わせる。

「最後は一本締めならぬ、いちブン締めで終わりましょう!」と、「よぉ~、ブン!」とアクセルをひねるポーズで声を合わせて終演。最高にエンタテインメントだった2日間を終えて満足感が残ると同時に、早くも来年の開催への期待が高まるばかりだった。

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  • 『DAIENKAI』

    【日時】
    2024年7月13日(土)10:00開場/11:00開演/21:00終演予定
    2024年7月14日(日)10:00開場/11:00開演/21:00終演予定
    【会場】東京ガーデンシアター
    【7月13日(土)】
    ◆アーティスト(50音順)
    キュウソネコカミ、クリープハイプ、四星球、Novelbright、ブランデー戦記
    ◆KAMPAI ACT
    ZiDol、日谷ヒロノリ
    ◆芸人
    レイザーラモン、おいでやす小田、こがけん、銀シャリ、サルゴリラ、バイク川崎バイク、金属バット、ニューヨーク、男性ブランコ、ニッポンの社長、マユリカ、コットン、さや香、ゆりやんレトリィバァ、ヨネダ2000、令和ロマン、吉本新喜劇・座長すっちー……and more
    ◆ENKAI BUCHO
    レイザーラモン
    【7月14日(日)】
    ◆アーティスト(50音順)
    神聖かまってちゃん、PEDRO、THE BAWDIES、ヤバイTシャツ屋さん、ヤングスキニー
    ◆KAMPAI ACT
    ジュースごくごく倶楽部
    ◆芸人
    野性爆弾くっきー!、囲碁将棋、ガクテンソク、ミルクボーイ、アインシュタイン、ななまがり、マヂカルラブリー、見取り図、相席スタート、ロングコートダディ、蛙亭、空気階段、ミキ、ケビンス、EXIT、オダウエダ、カベポスター、フースーヤ、ナイチンゲールダンス、令和ロマン……and more
    ◆ENKAI BUCHO
    バイク川崎バイク【料金】
    ・二日ぶっ通し券19,000円(税込)
    ・一日券9,800円(税込)
    ・各回指定券(第一部指定席・第二部指定席)9,000円
    ※お席はすべて指定席です
    ※二日ぶっ通し券は二日間とも同席です
    ※座席位置は一日券より二日ぶっ通し券が優先されます
    【チケット】
    <チケット一般販売(一日券)>
    ※FANYチケット、チケットぴあ、ローソンチケット、イープラス
    受付期間:5月11日(土)10:00〜
    <二日ぶっ通し券について>
    ※先行予約のみでの販売となります。一般発売での取り扱いはございません
    ※あらかじめ先行ごとの販売枠数を設定しております
    ※二日間共通チケットとなるため、公演期間中は紛失しないようにお気をつけください
    ※公演ごとに出演者は異なります

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