「イチリンソウ」が届けるメッセージ
2019年の終わりにリリースされたアルバム『α』は、1年の集大成と呼べる作品だ。アルバム全体から伝わってくるのは1stアルバム「Rainbow」、2ndアルバム「identity」から格段にビルドアップされたシンガーソングライターとしての音像。それは、プロデューサー陣によって引き出された山本の才能でもあるが、なにより1年の全国行脚を経て獲得したものであるはずだ。そして、多彩なジャンルのサウンドが並ぶこのアルバムの中でも「イチリンソウ」は堂々と咲き誇り、伸びやかな歌声とともに力強くメッセージを放っている。
彼女の歌を聴き、“アイドルとしての山本彩”を思い浮かべる者はもういないだろう。
また次の春が来たら あなたに会いたい
その時は今よりも 強くなった僕だ
「イチリンソウ」より
ラストの歌詞を、山本はこう締めくくる。
2019年4月にリリースされたこの曲が、“次の春”が来るこのタイミングに、『Mステ』という晴れの舞台で歌われるのは運命的に思えてくる。ソロとして2年目を迎える山本は「イチリンソウ」という原点に立ち、誰かの道標になるような歌声を響かせてくれるだろう。
※記事初出時、発言引用部分の日付を「2019年11月19日」としておりましたが、「2017年11月19日」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。