萩谷慧悟・阿部顕嵐・長妻怜央、7ORDER第2章への決意を込めた新曲「But」での挑戦とこれからのグループのかたち
結成5周年の記念日である2024年5月22日に「But(裏)」を、その2日後に完全サプライズで「But(表)」をリリースした7ORDER。同じ曲をダンスバージョンとバンドバージョンで制作するという新たな試みに挑んだ本作には、メンバーの脱退を経て新体制でスタートした彼らの決意が込められている。
また、グループに在籍しながら今後は俳優業に専念していくことを発表した阿部顕嵐は、本作のミュージックビデオでもほかのメンバーとは異なるかたちで参加。そんな、これからの“7ORDER”を表現する曲となった「But(裏)」「But(表)」について、そしてこれからのグループの在り方についてを萩谷慧悟、阿部、長妻怜央が語る。
挑戦するほうを選んだ
──結成記念日の5月22日に「But(裏)」をリリースし、『7ORDER 5周年記念特番』を生配信。その2日後に「But(表)」をサプライズリリースしました。発表前は楽しみと同時に不安もあったんじゃないですか?
長妻怜央(以下、長妻) ありましたね。サプライズリリースを含めて挑戦的な部分もあったから、曲に込めた思いがどう伝わるかな?どう受け取ってもらえるのかな?って。
阿部顕嵐(以下、阿部) でも、ファンの方の反応を見ていると、新しいチャレンジとして受け止めてもらえたようでよかったです。
萩谷慧悟(以下、萩谷) MVも顔があまり見えなかったりして挑戦的じゃないですか(笑)。それも“アート”として楽しんでくれたりとか、新しいことに向けたワクワクを僕たちと一緒に楽しんでくれているようでうれしかったです。生配信ではフェスやリリースツアーも発表したんですけど、改めて声を大にして「よろしくお願いします!」と言ったことで、自分自身、第2章がいよいよ始まったなという気持ちにもなりました。
──ダンスバージョンの「But(裏)」とバンドバージョンの「But(表)」を作るという今回のアイデアはどこから?
萩谷 そういうことをやりたいねって前々から話していたんです。ライブでは1曲の中でダンスとバンドの両面を見せるアレンジをすることが多いけど、楽曲としてそれをやりたいという気持ちがあって。
──過去には「Get Gold」のように、1曲の中でダンスとバンドの二面性を見せるケースがありました。今回はひとつの素材で味の違う料理を作るような、7ORDER史上初の試みになりました。
長妻 アイデアを聞いたときは率直におもしろいと思いました。ダンスもバンドも7ORDERの武器でもあるので、どんな感じになるのか楽しみだなと。
萩谷 今回、楽曲制作を自分たちでやるかどうするかという話し合いをしたときに、第2章スタートにあたって挑戦するのもありだよねと。自分たちの引き出しにないところを表現したほうがステップアップできるんじゃないかという話になって、ふたつのアレンジの整合性を取るためにも、自分たちのアイデアを外部プロデューサーに叶えてもらうという作り方をしたんです。
──楽曲制作でこだわった部分は?
萩谷 1曲を別アレンジにする場合、この部分をカットとか、メロディが違うとか、そうなることが多い。今回、でき上がった2曲は少し構成が違うけど、最初はまったく同じ構成でダンスアレンジとバンドアレンジに分岐していく曲を作ろうという発想だったんです。だから、「But(裏)」で「So this is celebration」と歌うところが「But(表)」にも入っている。ここは間奏で楽器演奏にすることもできるんだけど、あえてそのパートをそのまま残してる。楽曲制作の段階からそこまでリンクさせることは初めてだったから難しいところもありました。
──「But(裏)」はこれまでの7ORDERにないR&Bテイストのダークな曲調です。最初に聴いたときの印象は?
阿部 「But(裏)」は、僕が普段聴く音楽の曲調に似ているんです。メロウな感じで、ゆっくりしたテンポだけど、ちゃんとビートがある曲が好きだから、ドライブでよく聴く曲の雰囲気だなと思いました。
萩谷 僕は、大人っぽいこの曲に似合うようなパフォーマンスをしなくちゃって思いました。「大人っぽい曲に挑戦したよね」じゃなくて、第2章スタートに向けて、この楽曲が似合うグループになっていたいなって。
長妻 ただ、音数がすごく少ないので、こういう曲でどういうふうに踊るんだろうと。
──ダンスはどのようなアプローチを考えたんですか?
長妻 クリエイティブディレクターのアドバイスもあって、コンテンポラリーダンスとジャズダンスのレッスンを受けました。ただ、ダンスレッスンとキーボードの練習の両立がしんどかったですね。レッスンから夜中に帰ってきて、そこからレコーディングに向けてキーボードの譜面を起こしたりとか。けっこうキツかったです(笑)。
──一方、バンドバージョンの「But(表)」を聴いたときの第一印象は?
阿部 すごくキャッチーでアニソンみたいだなって。でも、「But(裏)」がいつもの僕たちっぽくない曲だから、逆に「But(表)」はポップでキャッチーなほうがいいんじゃないかって。
長妻 僕の第一印象は、“速っ!”って感じ。BPMが190なんですよ。
──7ORDER史上最速?
長妻 最速です。だから、最初はびっくりでした。
萩谷 若旦那さんが以前作ってくださった「青空と爆弾」という曲が190くらいなんですけど、今回のようなバンドサウンドでMAXに速かったのが180くらいだったんです。だから、一回聞いてみようということで試しに188に下げてみたんです。そしたらめちゃくちゃ7ORDERっぽくなるんですよ。2下げただけなのに。「これって俺らっぽいよね。なじんでるよね」って。でも、それだと違うんじゃない?ということで、190のままいくことにしたんです。そのほうが挑戦してる感が出るし、ひと味違う表情になると思ったから。
自分と向き合った時間があってのMV
──MVの仕上がりについては、どう感じていますか?
阿部 「But(裏)」のほうは幻想的なんだけど生々しい一面も垣間見られる。そのバランスが素晴らしいと思いました。
萩谷 「But(裏)」のMVは、表情だけのカット、フリー演技みたいなカット、とにかくいろんなカットを撮ったんです。一瞬の表情を切り抜くために、めっちゃ長いこと撮影したんですけど、みんなの表情が本当に違うんですよね。『DUAL(7ORDER LIVE TOUR 2023 DUAL)』ツアーのあとのこと(メンバーの脱退発表)、それを受け止めたこと、その過程で考えたこと、今後の顕嵐のこと……それらに対してメンバーがそれぞれに向き合った時間があって出てくる表情が全然違う。でき上がりを観たときに自分でも見入っちゃいました。
長妻 僕が意識したのはフリー演技の部分。感情をただただ爆発させても伝わらないものがあることをダンスレッスンで学んだので、ダイナミックに見せなきゃいけないところでしっかり解放する。そうやってメリハリをつけたんです。
──今後、顕嵐さんは7ORDERの音楽活動への参加が流動的になるということもあって、MVでは単独シーンが多かったり、別シチュエーションでの参加になっています。
阿部 それもあって僕はあえてフラットな気持ちのまま喜怒哀楽を表現しました。ほかのメンバーは喜怒哀楽の“喜”とか、ひとつの感情にこだわって踊るパターンもあったんですけど、僕は感情の移行がわかりやすく伝わるよう踊ったんです。
──一方、「But(表)」のMV撮影はどうでしたか?
長妻 「But(裏)」のMVが陰だとしたら「But(表)」は陽のエネルギーが大きくて、すごく楽しかったです。
萩谷 「But(表)」も同じ日にセットチェンジして撮ったんです。「But(表)」は、カメラワークがマジで神すぎて。これは絶対いいものになるぞと思っていたんですけど、完成形を観ても素晴らしいと思いました。
阿部 バンドシーンを撮っているときは、僕も現場にいたんですけど、自分がカメラのうしろで見ているのがすごく新鮮でした。みんな、こういうふうにアクティングしていたんだなって。一緒にやってるとわからないことが多いんで、メンバーの動きをまじまじと見ちゃいました。ひとりのお客さんとして撮影に参加してる感覚で、それはそれで楽しかったですね。
それぞれの活動に対してのリスペクト
──先日の『7ORDER 5周年記念特番』で、顕嵐さんはしばらく俳優業に専念することを発表しました。改めて、その思いを教えてください。
阿部 メンバーが辞めて、みんな一人ひとり、人生これからどうしていくかっていうことを考えたと思うんです。そこで僕は初心に戻って、一番やりたかったことはなんだろうなと突き詰めて考えたら、俳優をやりたいと。じゃあ、どうやったらそれを現実的にできるかという話し合いをして、音楽活動には流動的に参加するかたちを取らせてもらいました。僕の申し出を尊重してくれたメンバーには感謝でいっぱいです。僕がいない状態で楽曲制作やライブをすることになるからから申し訳ない気持ちもありますし、ファンの方に対してもステージに一緒にいられなくてごめん、という気持ちです。
萩谷 顕嵐も含めてメンバーでいろんな話をしたんですけど、本人がやりたいことを抑圧するのは違うだろうと。そもそも7ORDERは個々がやりたいことをやって、それを最大限に楽しんでもらえるようにしていくというのが始まった当初から変わらないことなので。だから顕嵐に関してはすごく前向きに「カッコイイ奴になってきて」って。俺たちも顕嵐にカッコイイと言ってもらえるようなパフォーマンスをするからって。そういう感じですね。
──7月のリリースツアーは顕嵐さんがいない5人でパフォーマンスすることになります。どんな7ORDERを見せたいですか?
長妻 5人になることによって、それぞれが今までに培ってきたものをより濃く出せるんじゃないかと思います。5人になることで歌パートも変わるから、歌うときの声質とかも意識していくことになるはず。
──5人の個性や特徴を出したステージングになりそうだと。
長妻 たとえば今までの僕だったら、ちょっとおちゃらけでかわいいキャラが多かったです。それをMCで出してもいいけど、パフォーマンスになったら俺の声質的に低いトーンで歌ったりとか。逆にさなぴー(真田佑馬)は力強い声を持っているからお客さんのテンションを上げるところを担当するとか。そういう意識で取り組むことで5人がより魅力的に見えるんじゃないかと思うんです。
萩谷 5人のフォーメーションをライブツアーでやるのは初めてなので、ステージでの立ち方も変わってくるはず。グループの顔でもある顕嵐がいないライブになるわけだから、今まで以上にもっとがんばらないとなって思いますし、顕嵐が今回のライブを観たときに「俺のグループ、カッコイイな」って思わせるライブにしたいですね。顕嵐も俺たちにカッコイイと思わせる俳優になると言ってくれているわけだから。お互い、リスペクトがさらに深まるような、そんな期間にしていきたいです。
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