2月13日(金)より発売中の『Quick Japan』vol.182に、ニューヨークが表紙&「凡才のカリスマ」をテーマにした60ページの総力特集に登場。1年間の密着取材を通して、なぜふたりが多くの人から信頼を集めているのかに迫った。
本特集では、ふたりへのソロインタビューに加え、ニューヨークを「お笑い界の希望」と語る先輩芸人・永野と対談を実施。芸人としての在り方も変化する今の時代、下の世代からかっこいいと思ってもらえる芸人とはどんな姿なのかをふた組に聞いた。本稿では、そんな対談の一部をお届けする。

「お前らとは違うから」はしたくない
──ふた組の接点ができたのはいつごろですか?
嶋佐和也(以下、嶋佐) たぶん、僕らがデビュー当時にライブで何度かご一緒させていただいたことがあって。でもそんな頻繁ではなかったですね。
屋敷裕政(以下、屋敷) お話しさせてもらったことはなかったけど、勝手に「おもしろいな」って思ってました。
永野 ありがたい、それはうれしいですよ。僕としては、今みなさんが思ってる「永野っぽさ」が世間に認知されたのはニューヨークのYouTubeに呼んでもらったことがけっこう大きくて。
屋敷 永野さん、よく言うてくださいますよね。「ニューヨークと鬼越(トマホーク)のYouTubeがきっかけでこうなった」って。でも俺らが呼ばせてもらったときって、もう今の感じでめっちゃブイブイいわせてるイメージだったんすよ。
永野 全然全然。本当、あのふたつのYouTubeのおかげで仕事が来ました。感謝してます。
──ニューヨークさんも永野さんも、下の世代から憧れられる存在であるところが共通項です。そこで今回は「2026年4月に養成所に入学して芸人を始めた場合、どうしたら15年後、後輩芸人から憧れられる芸人になれるか」を考えてみたいのですが、前提として、それぞれが思う「先輩としてのかっこよさ」とはどんなものですか?
屋敷 永野さんは“孤高”のイメージがありますけど、YouTubeの『永野ショートムービーCHANNEL』で後輩とめっちゃじゃれ合ってますよね。あれって金持ちになる動きじゃないと思うんですよ(笑)。面倒見いいんやろうな、って思ってました。
永野 俺ね、こないだ、うちの事務所の4年目以下の子たちがやってるライブに出たのよ。「出てほしい」って言われて、ここで出ないのはかっこつけてると思ったんですよね。だからバッキバキに衣装着て、新宿バティオスで若手と平等に3分ネタやりました。
ニューヨーク へ〜!
永野 今の質問でいうと、それがかっこいいと思ってる。そこで「お前らとは違うから」とはしたくなくて。
屋敷 永野さん、「かっこいい」よりも「かっこ悪い」を意識してません?
永野 してる!
屋敷 俺らもそこは近いんですよ。「かっこよくありたい」よりも「何がかっこ悪いか」のほうが気になる。
嶋佐 そっちのほうが気をつけやすいですもんね。「かっこいい」はいっぱいありすぎるから。
永野 まさにそう。キャリアを積んでいく中でどんどん人脈広げて上を目指して……っていうかっこよさもあるけど、芸人はちょっと違う気がするんですよ。「あ、こいつ、着々と行ってるな」って見透かされちゃうじゃないですか。誰の目線かわからないけど。そこは気をつけてますね。
屋敷 俺らも、ちょっとテレビ出て“売れた”に近づけば近づくほどそこが気になってきましたね。自分らが売れてないときに見てた“売れてる兄さん”たちも、めっちゃ俺らの目線を気にしてたんやろうなって最近わかりました。
永野 わかるわかる。ただ、一個思うのが、ニューヨークのかっこよさと自分が思う自分のよさは違うかなって。やっぱり俺は望むと望まざるとに関わらず、亜流なんです。ピンだし見た目もこんな感じだし吉本じゃないし、もともとの性格もあって、こういうポジションの取り方しかないんだろうなと思ってて。じゃあニューヨークはどうだろうと考えたときに、これは悪い意味じゃなく、バランスがすごくいい気がするんです。その理由のひとつが、吉本にいることなんじゃないかと思ったんですよ。
屋敷 へぇー!
永野 大手の事務所にいて「NSC◯期です」みたいな動きもできて、エッジの効いたネタをやっているけど意外と吉本の兄さん方ともうまくやれている、そういうバランス感。あと、テレビにちゃんと出ているのもデカいですよ。そこに希望を感じるんです。
ニューヨークが歩いてきたのは王道?
──『永野&くるまのひっかかりニーチェ』(テレビ朝日)に屋敷さんが出られた際、「ニューヨークはお笑い界の希望」とおっしゃっていましたね。
永野 そうそう。今は配信の時代になっていて、僕なんかはやっぱりそれはそれで寂しいんですよ。テレビ局で緊張した経験がないヤツ特有の明るさってあるじゃないですか(笑)。ニュースターたちには色気を感じなくて。その中でニューヨークは王道を行っているんですよね。しかもかつて売れた先輩方の方法論をマネるでもなく、自分たちのやり方で。王道だからこそ誰の気持ちもわかってる感じがするんです。テレビを観てるおっさんの気持ちも、若いヤツらの気持ちも。本人たちが狙わずとも輪の中心にいる感じがして、いいなぁと思います。
屋敷 たしかに、俺ら、実はめっちゃ王道なんですよね。YouTubeでいろんな芸人さんと話してて、それは思います。フリーライブも地下ライブも経験してなくて、めっちゃNSCで、めっちゃ吉本なんすよ。ちょっと恥ずいぐらい。
嶋佐 自分で事務所調べてオーディション行ったこともないですし。
屋敷 真っ当な泥水しかすすってないです。
永野 そうでしょ! そこがいいんですよ。そこにコンプレックスを感じる必要は全然なくて、マジでそれが希望だなって思う。それと、特に嶋佐がそうだと思うんだけど、どんな場所でも自然体でいるように見えるんですよね。俺はね、たまに「芸人向いてないな」って本当に思うんです。変なことやるのは大好きなんだけど、テレビって団体芸じゃないですか。それは常に「うわ、きっついな」って思ってるの。
屋敷 『ダウンタウンDX』(日本テレビ)出たあと『ニーチェ』でめっちゃ文句言うてましたよね。あれ、おもろかったです。
永野 だって本当にみんなリモートで打ち合わせしたことをカメラに向かってしゃべって、最後に大きい声出してるだけなんだよ。
屋敷 わかりますよ。『DX』に限らず、みんなが“音出してる人形”に見えて、「この世界に自分ひとりだけ」みたいな気持ちになるんすよね。そういうときって、ただ自分が調子悪いだけなんですけど(笑)。
嶋佐 くっきー!(野性爆弾)さんが昔どこかで「エピソードトークするのって恥ずない?」って言ってたんですよ。それは僕もわかるなって思いますね。
永野&屋敷 あー、わかる。
屋敷 「オチがある」って恥ずいっすよね。
永野 恥ずかしい。あと、これは俺が神経質すぎるのかなぁ。収録中にパッと何か思いついて、それを言ったときにニューヨークが笑う画を頭に浮かべるじゃないですか。そうするとダメなんですよね。「これ言ったらウケるだろうな」だと、口に出すときにやらしさがあってウケない。
屋敷 『マルコポロリ!』(関西テレビ)みたいに「明日ケンカせなあかん」って現場もあるじゃないですか。対戦相手へのパンチライン的なものは何も用意しないんですか?
永野 いや、用意は自ずとしてるんです。でもフワーッと浮かばせてバン!ってやらないとダメだね。「これを言うぞ!」だと白々しすぎて。
屋敷 川島(明/麒麟)さんとか若林(正恭/オードリー)さんが「お前、よく弾込めないままこの場に来たな」みたいなことを言うじゃないですか。でも俺、「弾込める」があんまりよくわかってないというか、たぶんちゃんと込められたことがないんですよ。
永野 俺も前は『マルコポロリ!』とかはいちいち考えてたんですよ。だけどさすがにこんなにやってくると経験があるじゃないですか。弾を込めると「これを言わなきゃ」って窮屈になるけど、なんにもないほうが気持ちが盛り上がるし、「経験でやれる」って自信でいけるんだと思う。人に対しても「今浮かんだにしてはあまりにも熟考されたたとえだな」って感じると冷めちゃいますね。
嶋佐 わかります。準備してきたものをまっすぐ言うのはできないというか、やりたくない。ただ、それを夢中でできる人もいるじゃないですか。その瞬間は「いや、そんなんいいけどな」って思っちゃうんですけど、その人がいないと番組は成立しないんですよね。全員が冷めちゃったら成り立たないから。
屋敷 サビがなくなるから、それは要るんよな。聞いてて思ったんですけど、俺らが知ってるテレビの世界ってコロナ以降なんですよ。永野さんはその前の、昔の残り香がちょっとあるテレビを経験してるじゃないですか。その時代はそんなスタンス、全然許されなかったんじゃないですか?
永野 無理だったでしょうね。そういう意味では時代が変わって助かったよね。
※インタビュー全文は発売中の『Quick Japan』vol.182に掲載

『Quick Japan』vol.182
2025年2月13日(金)発売
サイズ:A5/並製/144ページ
【通常版】1,650円(本体1,500円+税)
【日記付き限定版】2,970円(本体2,700円+税)
※内容は予告なく変更する場合があります
※QJストアでの売り上げの一部は、能登半島地震の復興支援のために寄付いたします
※QJストアでは別途送料がかかります
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