『M-1グランプリ』準決勝に初進出したゼロカラン。吉本に入って変わった意識「自分を追い込めたのが僕らには合ってた」

2026.1.14
ゼロカラン

文=青島せとか 撮影=鈴木 渉 編集=梅山織愛


2019年にコンビを結成、ほか事務所で活動したのち吉本興業に所属。それを機に仕事への取り組み方が変わり、徐々にライブの本数も増え、2025年には『M-1グランプリ』で準決勝まで進んだゼロカラン。2026年1月には、stand.fmの新帯番組『スタメンっ!!!』の中で、木曜放送の『ゼロカランの髄髄髄ぃ』を担当する。

ツッコミに定評のあるワキと、理屈っぽい語り口が妙におもしろいたいが。ふたりの持ち味は、ラジオでこそ自然に浮き上がる。そこで新番組を前に、改めてこれまでの歩みと、ふたりがこれから目指す番組像を聞いた。

ゼロカラン
ゼロカラン
ワキユウタ(1995年11月10日生まれ、大阪府出身/写真左)とたいが(1995年6月24日生まれ、大阪府出身/写真右)によるコンビ。高校の同級生で2019年に結成、2023年に吉本興業に所属。2025年は『ダブルインパクト~漫才&コント 二刀流No.1決定戦~』と『M-1グランプリ』で準決勝に進出した

理想はたいがが怒られずにワキが幸せになること

ワキユウタ(以下、ワキ) 4年前、『M-1』で3回戦敗退したときですね。悔しくて「もっといろいろやっていこう」という一環で始めました。(「第0回 M-1落ちた直後に収録してたら恋バナなった」

たいが ずっと自分たちふたりだけで、目の前にスマホ置いて録ってたんですよ。今回『ゼロカランの髄髄髄ぃ』でようやくラジオが仕事になってうれしいですね。

ワキ 『同郷のさしみ』はゆるすぎるがゆえに、ケンカが絶えなかったんですよ。

たいが 今でこそラジオでのケンカが流行ってますけど、僕らは吉本に入る直前、今から3年くらい前が一番ケンカしてた。

ワキ まあ、ちょっと腐ってたってことなんですけど。同級生なんで、ケンカというか僕の説教ですね。面と向かって言うと空気が悪くなるから、ラジオに乗せてしゃべれるのは助かる面もありました。

ワキ これまでのラジオでは説教も含めて、素の部分を出してたんですよ。聞いてくれてる芸人さんたちもそこがおもしろいと言ってくれたので、『ゼロカランの髄髄髄ぃ』でも素は出していきたいなと思いますね。

たいが でも、怒られるのが軸になるならやりたくない。

ワキ 怒られるようなことをせえへんかったら怒らんから、俺は。

たいが でも、僕からしたら何で怒られるかがめっちゃむずくて。

ワキ 一般の人はお前がおかしいとわかるはずや。怒られる人って、自分が変と思ってないんですよ。だからお前はそのままでええ。それをみんなが笑ってるんやから。

たいが 一番の理想はいっぱい笑って楽しくやるラジオです。だって人生において、一週間に一度怒られに行く日ができるなんて意味わからんじゃないですか。ワキが一週間怒りを探して生活して、毎週ラジオに怒りを持ってくる可能性あるんで。

ワキ お前が俺のこと幸せにしてくれよ。お前が俺に幸せを与えてないから怒ってんねん!……まあ、楽しくやりたいですね。

それぞれの武器を活かしたラジオに

ゼロカラン

ワキ 『同郷のさしみ』でも月替わりでいろんなコーナーをやってたんですよ。ある日募集してないコーナーにレターを送ってきたおばちゃんリスナーがいて、そこからコーナーはやめました。シルバーカーンっていう人なんですけど。ラジオネームからして古い。

たいが 僕らが話す時間が減っちゃうくらい長いレターをくれる人で。

ワキ 縦読みとか斜め読みとかに凝り始めて何書いてるかわからへんかったりして。

たいが きっと『髄髄髄ぃ』にも送ってきてくれると思います。有名リスナーになるかも。

ワキ もちろんシルバーカーンさんだけじゃなく、たくさんのラジオリスナーさんにおもしろいと思われたいので、コーナーが盛り上がってくれたらうれしいですね。

ワキ やっぱり粗品さんのYouTubeで知っていただいたので、そこに出ているツッコミがベストですかねえ。「6003」という数字に対する「田舎で見かける嘘みたいな番地か!」とか。これは素晴らしかったですね。

たいが その動画、何万再生やったっけ。

ワキ 僕のツッコミだけを集めたショート動画で、333万回。

たいが でもさ、そのうち100万回はワキが観てるわけやん。

ワキ そう、僕がずっと観てる。でもそこで僕を知った方にもぜひ聞いてほしいです。

たいが みなさんが送ってくれたエピソードに対して僕が感じたことを話すコーナーなんですけど。

ワキ たとえば、僕の兄が自分の子供に英才教育してて、全然お笑いを見せへんのですよ。だから僕らを見たことがない。悲しかったわ、とたいがに話したら、「ほんまやな」と言ってほしいだけなのに、「これからその子がどういう子になるか楽しみやな」とか言い出すんです。普通芸人さんってわかりやすくしゃべるもんですけど、たいがは難しくしゃべるんで。

たいが 何か出来事に対して、常に世界史レベルで考えたいんですよね。広く歴史として考えたらこう、哲学的に考えるとこう、みたいな話をお酒飲んでするのが好きで。

ワキ だるいなあ。おじいちゃんとかがする話やん。

ゼロカラン

兄弟の倍のスピードでしゃべる

たいが 有料の部分では、ひたすら企画をやりたいですね。リスナーと絡みたい。

ワキ YouTubeとかの企画もたいがと作家さんとで担当してくれてるので、ここはたいがに任せてるんです。たとえばどんな?

たいが 本気で僕のことを好きな方に告白してもらって、残念ながら振る。

ワキ 何それ? そんな私利私欲に使うの!? 今聞いて震えてるんですけど。お前がやりたいだけやん。

たいが あとは、リスナーに歌を歌ってもらって、「第二の鈴木愛理」を作る。

ワキ それもうお前個人の番組でやれや!

たいが あともうひとつ、ワキのちんちんを見たい人を募集して、見た瞬間になんて言うかを僕とか作家さんが当てるコーナー。

ワキ え、有料パートって18禁って意味じゃないよね?

たいが (無視して)有料パートを豊富にして、たくさんの人に入ってほしいんですよね〜。

ワキ ビューティフルトーキョーマンズさんですかね。男くさいラジオをしそうなので、タイプ的に似てるかも。あとはイノシカチョウさんも似てるかな?

たいが 日にもよるんですけど、僕らの会話、早いときめっちゃ早いんですよ。調子いい日は兄弟の倍くらいのスピードかもしれん。

ワキ たいがはラジオ好きなので本当はゆっくり話したほうがいいってわかってるんですけど、僕が間が怖いから、めっちゃ早くしゃべりたくなっちゃうんですよ。

たいが だから高速ラジオになりそう。

ワキ そこで兄弟と差をつけます。しゃべる言葉の量的には僕らの番組のほうが得ですから。

ゼロカラン

吉本に入って芽生えたプロへの意識

ワキ ただ僕の性格上、どんなにのぼり調子でも「油断するな」という気持ちになるんで、2024年の3回戦敗退のときと気持ちはあまり変わっていないですね。満足しちゃうと終わっちゃうと思う、損な性格なんです。

ワキ もしかしたら決勝に行っても満足しない可能性もあります。

たいが たしかに、優勝して『M-1』編が終わったとしても、その先にテレビ編が待ってるし。

ワキ 相方はもともとすぐ喜んじゃうタイプなんですけど、横で僕が圧かけてるんでだんだんこういう考えになってきてるかもしれません。

たいが YouTubeの報告動画で、準決勝進出のときはさすがに僕が喜びすぎて、止められました。じゃあボケようと思ってボケたら「それは腹立つかもな」とか言われて。

ワキ それはさすがに申し訳ない。

ワキ 吉本に入ったことで芸人人生はほんまに変わりました。自分たちがおもしろいと思ってたことが合ってたんだと確認できて、自信が生まれた。前の事務所にいたころは、まったくハマってなかったんですよ。吉本と非吉本、どっちにもそれぞれのよさがありますけど、僕らには吉本が合ってたんやと思います。

たいが 吉本に入ってすぐのころ、前説で中川家さんや博多華丸・大吉さんをはじめ、いろんな方を見て、プロってこういうことなんやと見せつけられた感じがあったんですよね。そこで漫才に対する意識は変わりました。それまでは、だいぶ私利私欲で漫才やってたんですよ。それしか道がなかった。

ワキ 自分らでお金を払ってライブに出てたから。

たいが お金をいただいてお客さんを楽しませるという感覚自体がなかった。自分の調子がどうであれ、しっかりエンターテイナーとして笑わせる。お客さんに感謝する。そういう意識は本当に吉本に入って生まれたものです。

ゼロカラン

同期の最前・金魚番長に追いつくために

ワキ 金魚番長の存在はめちゃくちゃでかいですね。彼らがずっと同期の中で最前を歩いてたんですよ。一緒にライブやって、飲みにも行って、同じ量やってたんじゃ追いつかんと思った結果、金魚番長よりもたくさんやるために『Best of ゼロカラン』を始めたので。同期、中でも金魚番長、イチゴ、狛犬の存在はめちゃくちゃ刺激になります。仲がいいからこそ負けたくない。

ワキ ライブも何もかも、0から始めるのは僕です。吉本に行こうと言ったのも、新ネタライブをやろうと言ったのも僕。それを彼が常にふたつ返事で「いいよ」と言ってくれるのはめちゃくちゃありがたいです。

たいが 『Best of ゼロカラン』で8本、『漫才鬼』で5本新ネタをやるんですけど、基本ネタができ上がるのがライブ当日なんですよ。だから、全然覚えられない回もあるんです。でも、えぐい集中モードに入って、全くトバさずに終わる日もあって。そういう経験をしてから、新ネタ1本下ろすライブくらいではもう新ネタとも思わなくなりました。余裕すぎて、逆に集中できなくて覚えられなかったりするんですけど(笑)。でもほんまにこれが確実に実を結んだと思いますね。

ワキ 僕ら、吉本に入る前は全然やってなかったですからね。吉本に入ってまわりを見て焦って、やるようになった。賞レースも直前にならないとしっかり取り組んでこなかった。それが、2カ月に1回入れ替え戦があるような環境になって自分を追い込めたのが、僕らにはめっちゃ合ってたんやなと思います。

たいが そうですねえ、番組をたくさん聞いてもらって、イベントやりたいです。

ワキ イベントはええな。

たいが あと、エバースさんってstand.fmのえぐいラジオスターやから、エバースさんを抜くぐらいの番組に。

ワキ うん、目指そう。

たいが 人気のラジオって会話が好かれている感じがしますけど、僕らがやろうとしている「おもろいことやってる」ラジオも楽しんでもらえたらいいなと思います。

ワキ ラジオスターを目指します。

たいが そんで、渋谷とかの大きい広告に載りたいです!

ゼロカラン

この記事の画像(全8枚)



  • 『ゼロカランの髄髄髄ぃ』

    『ゼロカランの髄髄髄ぃ』

    出演:ゼロカラン(ワキユウタ、たいが)
    配信日時:毎週木曜日17:00更新
    初回配信:1月15日(木)17:00

    関連リンク

  • 【ゼロカラン×QJWebプレゼント】フォロー&RTキャンペーン

    ■キャンペーン応募期間
    2026年1月15日(木)〜2026年1月29日(木)

    ■キャンペーン参加方法
    【ステップ1】QJWeb公式Xアカウント「@qj_web」をフォローしてください。
      ▼
    【ステップ2】「@qj_web」がキャンペーン告知をしたこのツイートを、応募期間中にリツイートしてください。
      ▼
    【応募完了!】
    締め切り後当選された方には「@qj_web」からDMにてご連絡を差し上げます。フォローを外さず、DMを開放してお待ちください。

    ※必ずご自身のアカウントを“公開”にした状態でリツイートしてください。アカウントが非公開(鍵アカウント)の場合はご応募の対象になりませんのでご注意ください。
    ※「いいね」はご応募の対象になりませんのでご注意ください。
    ※当選の発表は、こちらのDMをもって代えさせていただきます。
    ※当落についてのお問い合わせは受けかねますので、ご了承ください。
    ※本キャンペーンの当選がQJWebインスタアカウントと重複した場合、どちらか一方の当選は無効となります。
    ※本景品は非売品です。譲渡・転売はご遠慮ください。
    ※いただいた個人情報は、本プレゼントキャンペーン以外の目的には使用しません。


関連記事

この記事が掲載されているカテゴリ

Written by

青島せとか

ライター。お笑いを中心にインタビューやレポートを執筆。

関連記事

ゼロカラン、兄弟、大王ら東阪若手芸人7組の新番組スタート!例えば炎・タキノ「dirtyラジオです」

M-1グランプリ2025

『M-1グランプリ2025』準決勝、全31組の激闘レポート!ドンデコルテ、豪快キャプテン、めぞん、たくろうが決勝初進出

ゼロカラン

天性のイジられ能力&無自覚なウザさが武器のゼロカラン。学生時代から見てきた千鳥のような“くだり”芸で可能性を見出す

ケビンス×そいつどいつ

ケビンス×そいつどいつが考える「チョキピース」の最適ツッコミ? 東京はお笑いの全部の要素が混ざる

「VTuberのママになりたい」現代美術家兼イラストレーターとして廣瀬祥子が目指すアートの外に開かれた表現

「VTuberのママになりたい」現代美術家兼イラストレーターの廣瀬祥子が目指すアートの外に開かれた表現

パンプキンポテトフライが初の冠ロケ番組で警察からの逃避行!?谷「AVみたいな設定やん」【『容疑者☆パンプキンポテトフライ』収録密着レポート】

フースーヤ×天才ピアニスト【よしもと漫才劇場10周年企画】

フースーヤ×天才ピアニスト、それぞれのライブの作り方「もうお笑いはええ」「権力誇示」【よしもと漫才劇場10周年企画】

『FNS歌謡祭』で示した“ライブアイドル”としての証明。実力の限界へ挑み続けた先にある、Devil ANTHEM.の現在地

『Quick Japan』vol.180

粗品が「今おもろいことのすべて」を語る『Quick Japan』vol.180表紙ビジュアル解禁!50Pの徹底特集

『Quick Japan』vol.181(2025年12月10日発売)表紙/撮影=ティム・ギャロ

STARGLOW、65ページ総力特集!バックカバー特集はフースーヤ×天才ピアニスト&SPカバーはニジガク【Quick Japan vol.181コンテンツ紹介】