STARGLOW・RUIが語るデビューまでの軌跡「音楽があることに感謝しているし宝物でしかない」

2025.12.27
RUI(STARGLOW)俺の9割は音楽が占めている

スタイリスト=鍛冶古翔三(Yolken)
ヘアメイク=伊澤明日花、高松れい、津谷成花(MASTER LIGHTS)

文=小松香里 撮影=ティム・ギャロ 編集=森田真規


2026年1月21日(水)、『Star Wish』でいよいよデビューを果たす5人組ダンス&ボーカルグループ・STARGLOW(スターグロウ)。『Quick Japan』vol.181(2025年12月10日発売)では、彼らが表紙&65ページ総力特集「あたらしい光」に登場した。

ここでは本誌に掲載されたメンバーのソロロングインタビューから、一部を抜粋してお届けする。第1弾はRUI(ルイ)。音楽に救われてきた少年時代から、仲間とともに歩んだ軌跡、正義と悪について考えた半年──RUIの言葉から、その現在地に迫る。

『Quick Japan』vol.181(2025年12月10日発売)表紙/撮影=ティム・ギャロ
『Quick Japan』vol.181(2025年12月10日発売)表紙/撮影=ティム・ギャロ
STARGLOW限定ミニカード付き『Quick Japan』vol.181 【5%オフ】STARGLOW & BE:FIRST『Quick Japan』2冊セット(SG限定ミニカード付き) STARGLOW表紙&65ページ総力特集『Quick Japan』vol.181

音楽がなかったら、正直生きていても意味がない

RUI お父さんがよく聴いていたKREVAさんですね。小学3年生のときの十八番はKREVAさんの「音色」で、『THE LAST PIECE』3次審査の課題曲が「音色」で感慨深かったです。そのあと三浦大知さんが好きになって「アーティストになりたい」と思い始めて。中1のときは幾田りらさんにハマって、そのあたりからいろんなジャンルの曲を聴くようになって、USと日本のHIP-HOPも聴くようになりました。

中2から中3くらいでエミネムやXXXテンタシオン、ジュース・ワールドにハマって、あとザ・ブルーハーツさんとか銀杏BOYZさんとか日本のバンドがめっちゃ好きになって。銀杏BOYZさんの「光」っていう曲を聴いて音楽の幅広さを実感できて音楽観が広がりました。そのあとvqさんっていうアーティストの「…」という曲に出会って、一番の衝撃を受けて。何を歌ってるかわかんないところがすごくよくて、「音楽ってアートなんだな」って、自分の中で音楽が表現することの定義づけができたんですよね。

高1くらいからは本当にオールジャンルの曲を聴いてます。インディーズアイドルの曲も聴くし、ドレイクとかも聴くし。曲を聴く前にリリックを読むことが多いんです。「このリリックにどんな音楽をつけて、どういうふうに歌うんだろう?」って考えてから聴いて、「こう来るんだ!」って驚くのが好きでいろんな曲を聴くようになりました。

RUI めっちゃ好きです。Teleさんがきっかけでvqさんにハマったんですけど、この前Teleさんとジンギスカンを食べに行ったとき、「RUIくんと聴く音楽の好みがめっちゃ似てる」と言ってもらえて。Teleさんとはすごく気が合うし、ほかにもTeleさんに教えてもらった曲がたくさんあって、どんどん掘っていってます。

RUI 俺の9割くらいは音楽が占めてて、音楽がなかったら正直生きていても意味がないなって思っちゃうくらい、音楽があることに感謝しているので宝物でしかないんですよね。中学時代、人間関係でめっちゃ悩んだときに音楽を聴いたら一発で悩みが吹き飛んで、「マジで俺には音楽しかないな」って思いました。「音楽があれば人間関係の悩みなんて別にいいや」って。

そのときはエミネムを聴いたのかな。中学のときによくランニングをしてたんですけど、ずっとエミネムを聴いてて。エミネムしか聴いてないみたいな時期もありましたね。エミネムの曲も和訳を見た上でどんなことを歌ってるかを知って聴いてました。和訳を見て、「今みたいな人生じゃ楽しくないな。マジで世界行かないとな」と思ってました。ほかにもいろんな方の音楽に救われてきました。

RUI(STARGLOW)

RUI
(ルイ)2007年6月1日生まれ、東京都出身。2021年、オーディションプログラム『THE FIRST』に参加し、オーディションの最中に異例の練習生契約の打診を受ける。『THE LAST PIECE』最終審査でSKY-HIから「このグループを常識の向こう側に連れて行ってほしい」と声をかけられた

正義と悪について考えてる時期が半年くらいあった

RUI そうですね。昔は人と話すと楽しいときもあるけど、疲れることが多くて。自分は考えすぎてしまうところがあるので人間関係がめんどくさくなって、「人間と関わらずに音楽があればいいかな」と思っていたんですけど、『THE FIRST』で日髙(光啓/SKY-HI)さんに出会って、人と関わることで音楽を深く知ることができることがわかって。そこからBMSG TRAINEEになって仲間ができて。それまでは仲間って呼べる存在がいなかったんですが、仲間ができて楽しくなりました。本当にBMSGのおかげです。

RUI レッスンのためにひたすらスタジオに通っていました。いろんな音楽を聴きながら電車に乗ってスタジオに行って、レッスンが終わったら帰るっていう日々はデビューをしたら送れないと思いますし、その期間に音楽を深く知ることができたから、TRAINEE時代があってよかったなと思います。

RUI そうですね。「Diamond」を作ったときは気分が落ちていて、そのメンタルがそのまま曲に出てますね。でも今あのころの曲を聴くと、「めっちゃ作り直したい」って思います。あのころの曲は「こういうアプローチのほうが優しく聴こえるかな」とか聴き手の存在を意識してたので、そういうことを考えずにしっかり曲を作っていきたいなとは思ってます。

RUI いつだったか忘れたんですが、半年間くらい正義と悪についてずっと考えてる時期があって。人間って基本的に自分が幸せになるために生きてると思うんです。そのために世間的に悪いとされていることをしてしまったとしても、それは一概に悪ではないなって思ったんですよね。もちろん特に理由もなく悪いことをする人もいて、それは悪だと思うんですけど。

そう考えていくなかで、自分も含めて人間も動物も本能的には自分の幸せのために生きてるのって愚かだし、でも同時にそれがかわいくもあって。それで地球にあるすべてのものが好きになりました。でも、自分や自分の大切な人が何かひどいことをされたときにそう思えるかはわかんないので、あくまでも今の自分の考えではあるんですけど。

RUI そうですね。優しく接することって大事だと思うんですけど、人生って本当短くて、しかも10代から20代前半までの期間って一瞬で終わるような気がしてるんです。そう考えると人からどう見られるかを気にする時間ってもったいないって、15歳くらいのときに気づいて。その延長線で、最近は自分にフォーカスしているほうが楽しいなって思います。もちろん電車で席を譲るとかは絶対にやることなんですけど、自分が会ったことのない人のことを気にしながら生きることで感性は豊かになるかもしれないけど、それは今の俺には必要ない。それはもっとあとになってからやればいいことなので。

RUI 星は単に好きなだけです(笑)。地球上のものならもしかしたら届くかもしれないけど、星は絶対に手が届かない。宇宙には行きたいんですけど、限られた人しか行けないから自分が行けるとは思ってなくて。誰かに憧れるって、その人に依存することでもあって。

でも憧れの人ってもしかしたら自分の理想とは違うかもしれないし、その人に期待しすぎて、もしその人が自分が思ってたことと違うことをしたら「裏切られた」って感じるかもしれない。でも、憧れの存在を星にしておけばそんなことは起きない。空を見上げて心の中で星と会話をしていれば嫌な気持ちになることもないし、星が自分の夢にも思えるから好きなんですよね。そういうおかしな思考です。

RUI そうですね。今、自分に見えている星はすでになくなってる星かもしれないっていうことも知っているんですが、だからこそめっちゃ素敵だなって思います。

RUI そうかもしれないです。人間に頼るとしたら家族と日髙さんですね。裏切られる可能性はゼロではないけど(笑)、信用できる。日髙さんは自分の人生を救ってくれたし、お母さんは僕を生んでくれて、今、僕がそういう考えを持っているのもお母さんが生んでくれたからだし。でも、やっぱりずっと音楽に救われてきたんです。

特に僕が心が動かされるのが、もう亡くなってしまっている人の音楽で。悲しいことにその人はもう自分の曲に何もすることができなくなってしまってるから、星と同じような気持ちでその音楽に頼れるんです。

XXXテンタシオンの曲を聴いて、そういうことを感じて原動力にしていたこともあります。QUEENも尾崎豊さんも好きだし。「この人はもう亡くなってしまっているんだよな」と思うと、「こうやって曲が残ってるのって、生き様だよな。かっこいいな」と尊い気持ちにもなりますね。

RUI そうですね。まだ全然残せてないので、マジで死なないように気をつけないと(笑)。RUI名義の作品をTRAINEE時代に出させてもらいましたが、別の名義で作品を出したいという気持ちもあるんですよね。名義ごとに表現を変えるアーティストもいますけど、それって素敵だなって。今はまだSTARGLOWとしてプレデビューした段階ですが、いつ死ぬかわからないし、今感じていることは時間が経つと薄れてしまってもったないので、リリックを書き溜めています。いずれ出せるようにがんばります。

RUI(STARGLOW)

SKY-HIインタビュー、Aile The Shota×REIKO対談も掲載

『Quick Japan』vol.181のSTARGLOW特集「あたらしい光」では、各メンバーへのロングインタビューのほか、STARGLOWプロデューサーのSKY-HIが5人に対する期待とBMSGのカルチャーに対する現状認識を語ったインタビュー、『THE FIRST』のころからメンバーと時間をともにしてきたBMSG所属アーティストのAile The ShotaとREIKOが各メンバーとSTARGLOWに対して抱いている印象と期待を明かした対談など、合計約4万字のインタビューを収録。

『Quick Japan』vol.181(2025年12月10日発売)STARGLOW特集:SKY-HIインタビュー
『Quick Japan』vol.181(2025年12月10日発売)STARGLOW特集:SKY-HIインタビュー
『Quick Japan』vol.181(2025年12月10日発売)STARGLOW特集:Aile The Shota×REIKOスペシャル対談/撮影=番正しおり
『Quick Japan』vol.181(2025年12月10日発売)STARGLOW特集:Aile The Shota×REIKOスペシャル対談/撮影=番正しおり

また、特集ではSTARGLOWメンバー5人による「QJカメラ部」特別復活版や『THE LAST PIECE』の振り返り企画なども掲載し、合計65ページの総力特集として、彼らの過去と現在、そして未来を立体的に掘り下げている。

『Quick Japan』vol.181未掲載のアザーカット/撮影=ティム・ギャロ
『Quick Japan』vol.181未掲載のアザーカット/撮影=ティム・ギャロ
『Quick Japan』vol.181未掲載のアザーカット。撮影では10代らしからぬカッコいい姿はもちろん、10代らしさを全身で表現したポーズも披露してくれた/撮影=ティム・ギャロ

「全ての10代と、かつて10代だった全ての人へ。さあ、世界で一番自由で大きな夢を見よう。」

このステイトメントを掲げた『THE LAST PIECE』から生まれ、新たな時代の「あたらしい光」になるであろうSTARGLOWは、これからどんな夢を見せてくれるのか──その想いに迫る。

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STARGLOW

『STARGLOW』最新情報をチェック!

BE:FIRST(ビーファースト)、MAZZEL(マーゼル)に次ぐ3つ目のボーイズグループとして、SKY-HIが主宰するマネジメント/レーベル「BMSG」から誕生した5人組ダンス&ボーカルグループ「STARGLOW(スターグロウ)」。 2025年9月19日、オーディションプログラム『THE LAST PIECE(ラストピース/通称:ラスピ)』の最終回で発表されたSTARGLOWのメンバーは、RUI(ルイ)、TAIKI(タイキ)、KANON(カノン)、GOICHI(ゴイチ)、ADAM(アダム)の5名。同日がSTARGLOWの結成日となった。
2025年9月22日、プレデビュー曲「Moonchaser」でプレデビューを果たした。

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小松香里

(こまつ・かおり)フリーランスの編集者/ライターとして、音楽・映画・アート関連の記事を中心に幅広く携わる

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