オーディションプログラム『No No Girls』から誕生し、2025年4月に『ROSE』でメジャーデビューを果たした、ちゃんみなプロデュースの7人組ガールズグループ・HANA(ハナ)。発売中の『Quick Japan』vol.177では、「私だけの声、私だけの物語」と題したインタビュー特集を掲載している。
ここでは、本誌には掲載しきれなかった彼女たちの「声」を盛り込んだインタビューをお届けする。第3弾は、YURIとMOMOKAによるユニット対談。
オーディション当初から、その「カリスマ性」をちゃんみなから評価されていたYURI。審査されることにトラウマを抱えながらも、その思いをパフォーマンスに昇華させていたMOMOKA。「ROSE」のレコーディングに懸けた思いを口にした。

目次
アーティスト以外の道を考えられなかった
──おふたりの表現には生々しさがあるなと思っていて。これはいったいどこからくるものなんだろう、と気になっていました。
MOMOKA 性格的に泣きながら怒りながらわめき散らすタイプなんですよね。そのときに感じたことを100%伝えています。YURIはスッとうしろから来る感じだよね。
YURI ストレートに言っても何か変わるのかな、と思ってしまうタイプかもしれません。相手の性格を理解してから伝えるっていうか。
MOMOKA YURIは優しいからね。私は「こっちはこう思ってんだよ! お前はどうなんだよ!」みたいな感じ(笑)。HIP-HOPの強いリリックをずっと聴いてきたから、そういうパフォーマンスになったのかな。
──学生時代はどんな性格でしたか?
YURI 私は流れに身を任せるタイプでしたね。絶対こうしたほうがいいって、確信があるときは言うみたいな。
MOMOKA だからこそ説得力があるんですよね。YURIがこう言ってるならそうかも、みたいな。
──MOMOKAさんは?
MOMOKA 目立ちたがり屋でした。小学生のころは学級委員になったり、学芸会でも何かしらの役に立候補したり。ただ、目立ちたいくせに素行はあんまりよくなくて(笑)。遅刻したり、あいさつしなかったりで、よく注意されていました。それでも親が教育熱心だったので、受験勉強はしっかりしていましたし、高校生までは医者を目指していたんです。
──へえ、そうなんですね。
MOMOKA 中学生のころから「アーティストになってみたい」とどこかで思っていたんです。あるアーティストさんのライブに刺激を受けて、「アーティストって一番目立てるじゃん! 私もあんなふうになりたい」って。初めはそんな浅はかな考えだったんですけど……それから高校生になってダンスを習ったりしていくなかで、真剣に目指したいと思うようになりました。
──そうだったんですね。YURIさんはなぜアーティストを目指すことにしたんですか?
YURI アーティストしかやりたいことがなかったんです。小さいころからダンスと歌が好きで、ステージに立つこともすごく好きで。進路を決めなきゃいけない時期が近づいても、アーティスト以外の道を考えられなかった。そう思ってたら『No No Girls』の募集が始まって……あ、これだ!と思ったんですよね。

YURI
(ユリ)持ち前のオーラから、ちゃんみなから「カリスマ性がある」とその存在感を評価されている
ちゃんみなに言われて刺さった言葉
──『No No Girls』では、ちゃんみなさんは自分と向き合うことの重要性についてよくお話ししていましたが、それってどういうことだと思いますか?
MOMOKA 自分の行動をよく考えることですかね。私にとってはなんでもないことでも、ある人にとっては気に障ることかもしれない。そういうことを見つめ直すことかな。
YURI 私はちゃんみなさんから「YURIは弱さを認めて」と言われて、グサッときたんです。今まで「悲しくても別に大丈夫」って強がってたから、バーンって開きましたね。「私、弱いわ。わかったわかった」って。そこを認められたことが、自分と向き合うことだったと思います。
──その過程で自分にしかできない表現は見つかりましたか?
YURI ちゃんみなさんから「強気なパフォーマンスでも寂しさが残っていて、それが色気になっている」と言われて。だから、何も変えていないです。そのままでいることがよさなら、これでいいんだと思えて。しんどいことがあっても無理して変えようとしないで、しんどいままステージに立ってみようって。それで、観てくださる方には何か違ったものが伝わるかもしれないなと。
MOMOKA 私は、うーん……なんだろう。
──MOMOKAさんのパフォーマンスには“怒り”が多いですが、そうした表現をすることに恐れはありませんか? 批判されたり誤解されたりするんじゃないかなって。
MOMOKA リリックを書くときはもちろん葛藤していますけど、あとのことまでは考えてないですね。「私が言いたいことを言わせろ」ぐらいな感じで。誤解を恐れたら何も書けなくなってしまうので。

MOMOKA
(モモカ)ステージで常に強烈な印象を残す、低音のハスキーボイスと高いラップスキルの持ち主
「本当にすごい」と思った「ROSE」の構成
──メジャーデビュー曲「ROSE」は、ちゃんみなさんがリリックを書かれていますね。おふたりのパートには特に暗澹(あんたん)としたものを感じましたが、いかがでしたか?
YURI グッときちゃいましたね。4次審査のときに「ただ出口で照らしていて/気がつけばもうsun goes down」というリリックを書いたんですけど、「ROSE」では「起き上がれない今日も/生きてる事を憎んで」というパートを歌わせてもらえて。リンクしてる……って(笑)。強いつながりを感じましたね。
MOMOKA 私のパートも深くて……命が尽きてもいいと思ってしまうことがあっても、それでもまだ生きているのって、まだ少しの希望があって、あきらめたくないと思っているからで。だからこそ「まだこの世界に/ありがたいと思いたいらしい」という歌詞に、感動しました。
──今、YURIさんとMOMOKAさんが仰っていたリリックは、おふたりの声が重なり合うパートでもありますよね。
YURI あのパートはすごく好きですね。
MOMOKA あんまりない構成だよね。私とMAHINAがラップしているところに、YURIの声が聞こえてくる。私たちは表の顔で、YURIはその本心みたいな。いろんな感情がここで表現されていて……本当にすごいです。
──どんな気持ちで「ROSE」のレコーディングに挑みましたか?
YURI ちゃんみなさんの人生を預けてもらっている身として、この曲とがんばって向き合おうと思いました。
──ちゃんみなさんの感情を歌っている、という気持ちなんですね。
YURI はい、授かっている感じですね。
MOMOKA ちゃんみなさんが感じてきたことを表現する立場として、しっかり受け取っていかなきゃなと思っています。
自分の感情をもっと深く掘り下げたい
──そんなちゃんみなさんからはたくさんの刺激を受けていると思いますが、今後、自分で曲を書くとしたらどんなことを表現していきたいですか?
YURI 自分の性格的にも、がんばれって熱い言葉をかけられるよりも、一緒にゆっくり生きていこうよって寄り添うような言葉をかけられるほうが刺さるんです。だから、そんな曲を書いていきたいですね。
MOMOKA 私は楽観的で何事も「なんとかなるっしょ」と考えているタイプなんですけど、この間ちゃんみなさんから「ひとつの出来事について深く考えて、気持ちが下がったり上がったりしていくなかで、いい歌詞は書けるんだよ」と教えていただいて。だから、これからは自分の感情をもっと深く掘り下げて、いろいろな見方をしながら曲を書けたらいいなと思っています。

HANA 2nd Single『Blue Jeans』

デジタルリリース:2025年7月14日(月)
CD発売日:2025年7月16日(水)
※CDの購入はこちら
『Quick Japan』vol.177、HANA特集「私だけの声、私だけの物語」
2025年4月9日に発売された『Quick Japan』vol.177では、バックカバーと17ページにわたる特集「私だけの声、私だけの物語」にHANAが登場。


グループ全員でバックカバーを飾るほか、3つのユニットに分かれてインタビューを実施。



さらに、7人がそれぞれ「自分を表現する漢字1文字」というお題で書いたサインも掲載している。
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