『BMSG TRAINEE SHOWCASE 2026』でたしかに感じた、新たな時代が切り開かれる瞬間
SKY-HIが主宰するマネジメント/レーベル「BMSG」の育成生である「BMSG TRAINEE」によるショーケースであり、2026年春に高校を卒業する5名を祝う意味も兼ねた『BMSG TRAINEE SHOWCASE 2026 〜 Graduation Party for REN, YUTA, RAIKI, TAICHI, and ISANA 〜』が、2026年3月18日、19日に東京・豊洲PITで開催された。
出演したのは、5人組ダンス&ボーカルグループ・STARGLOW(スターグロウ)を生み出したオーディションプロジェクト『THE LAST PIECE(ラストピース/通称:ラスピ)』出身の18名──YUTA、KEI、RAIKI、TAICHI、KANTA、REN、KAIRI、KEITO、COTA、RYOMA、AOI、HAL、YU、KEISHIN、RYOTO、ISANA、LEON、KAITOだ。
QJWebにて『THE LAST PIECE』のレポート連載を担当したライターの奈都樹が、3月18日に行われた公演の様子をレポートする。
目次
パフォーマンスから感じるBMSGの理念
しばらくの暗転のあとで突如ライトがステージに放たれ、ブワッと湧き立つような歓声が上がった。BMSG TRAINEE総勢18人。ステージに現れた彼らには野心と自信が全身からあふれている。その気迫に観客は声を上げずにはいられないといった様子だ。
「全ての10代と、かつて10代だった全ての人へ。さあ、世界で一番自由で大きな夢を見よう。」
そんなステイトメントを掲げて始まったオーディションプロジェクト『THE LAST PIECE』の終了から約半年。3月18日、19日に東京・豊洲PITにて開催された『BMSG TRAINEE SHOWCASE 2026』は、惜しくもデビューを逃した彼らにとって集大成となるに違いない。そんな彼らをひと目見ようと定員を大きく上回る応募が殺到したという。高い倍率をくぐり抜けた観客が会場を埋め尽くしていた。
オープニングを飾ったのは「GRAND CHAMP」。BMSG所属アーティストたちによる“BMSG ALLSTARS”で制作されたもので、今のBMSGの名刺代わりともいえる楽曲だ。勢いを加速させるギターリフとマーチングドラムの波に乗るようにしてマイクリレーしていく。各々が理想の表現を突き詰め、いきいきとパフォーマンスする姿には「才能を殺さないために。」というBMSGのポリシーが彼らの中にも通底していることが伝わってくる。
18人の個性が際立ったカバーパート
前半はBMSG楽曲カバーパート。「GRIT」「Betrayal Game」(BE:FIRST)とミニマルなダンストラックでジリジリと攻めたかと思えば、続いて重厚なロックナンバー「MISSION」から華やかなファンクチューン「CAME TO DANCE」(MAZZEL)につなげ、フロアを一気に盛り上げていく。トレーニーは振り幅のある曲を見事にこなし、圧倒的な実力を突きつける。こんな顔もあるのかという驚きの連続に高まる歓声。観客が熱狂していくのを感じる。




特に興味深かったのは、メンバーの魅力が存分に発揮されたパフォーマンスビデオ楽曲パート。まっすぐと透き通る歌声のRAIKI、茶目っけのある歌唱が個性的なRYOMA、低音も身につけて深みが増したRYOTOによる「夢中」(BE:FIRST)。
クールな歌声を持つKAIRI、凛々しさの中に甘さのあるKEITO、抑制されたダンスと歌声が美しいYUによる「HOWL」(Ayumu Imazu)。
野性味の中に愛嬌のあるKEI、雄々しく挑発的なラップを聞かせるREN、勇ましくも色気のあるKEISHINによる「F-3」(SKY-HI)。
低音ボイスが魅惑的なAOI、荒々しい攻撃的なラップが強みのHALによる「Mainstream」(BE:FIRST)。
圧倒的なダンススキルを持つYUTA、ダイナミックなダンスで魅せるKANTA、声色を自由自在に変えながらラップするCOTA、切ない歌唱を聞かせるISANAによる「能動」(三浦大知)と、それぞれ個性がはっきりと浮かび上がっていておもしろい。遠くの観客席からでは顔はほとんど見えなかったのだが、その声とダンスだけでどのメンバーなのかがすぐにわかるほどだった。



STARGLOW・GOICHIがサプライズ登場!
本公演のサブタイトルは「Graduation Party for REN, YUTA, RAIKI, TAICHI, and ISANA」というだけに、3月に高校を卒業したメンバーを祝うパーティーでもある。高校卒業企画コーナーでは、GOICHIがサプライズ登場。BMSG TRAINEEとして苦楽をともにしてきた同志であり、昨年STARGLOWとして新たな道を歩み始めたGOICHI。
「親元を離れてひとり暮らしするのは寂しかっただろうし、トレーニーをやりながら受験やテスト勉強も大変だったと思う……」と仲間を労う手紙のあとで披露されたのは、KEI、RAIKI、GOICHIによる「Heaven’s Drive feat.vividboooy」((sic)boy)だった。これはYouTubeにアップされ再生回数170万回超えとなるも、未だライブで披露されてこなかったカバーだ。ようやく観客の前で披露できる喜びを噛みしめるように歌い踊る3人、そしてそんな3人を大事そうに見つめる観客。その温かな光景には心打たれるものがあった。

BMSG TRAINEEの歴史が刻まれた2曲
後半戦は『THE LAST PIECE』課題曲パートへ。「Just Like Dat feat. JP THE WAVY」(PSYCHIC FEVER)、「Fantasista」(Dragon Ash)、「Superstar」(Ayumu Imazu)。オーディション当時と比べてすべての曲が風通しがよく、リラックスしながら曲を乗りこなしていく。それは実力に裏打ちされた余裕そのもので、だからこそこちらも自然と体が揺れる。
そんな中でも「音色」(KREVA)のTAICHIからは目が離せなかった。消え入りそうな儚い歌唱や柔軟な身体性からにじみ出る切なさ。この曲が持つ魅力そのものといった表現で、TAICHIが歌うたび会場からは歓声が上がっていた。



また、この日はデビューを控えているYUTA、KEI、RAIKI、TAICHI、KANTAが歌唱する未発表曲も披露された。プロデューサーのSunnyとYUTAによる共作で、REN、HAL、ISANAも振り付けを手伝ったという。タイトルは「Hawkeye」。鋭く攻めるようなラップと繊細な歌唱が交互する構成で、その多面的なアレンジにはYUTAのアーティスト性を彷彿とさせるものがあった。
デビューの準備が整いつつあるBMSG4つ目のボーイズグループ。クライマックスではそんな5人による「PIECES」と「Forked Road」(RUI, TAIKI, KANON)が披露された。『THE LAST PIECE』のファイナリストたちで歌詞を書いた曲と、STARGLOWとしてデビューしたRUI、TAIKI、KANONから受け継がれた曲。どちらも夢を追いかけてきた仲間たちとの出会いと別れを歌った曲だ。
「これからは俺たち5人が同じ道を力強く歩んでいきたいと思っています」とKEIは語る。今後もこの2曲はBMSG TRAINEEに歌い継がれ、新たな道に進むメンバーを送り出す曲になるのだろう。
また同時にこれらの曲は、BMSG TRAINEEの歴史が刻まれた曲であることに気づかされる。というのも、これらの曲を聴きながらオーディション当時の彼らの姿が頭に浮かんだからだ。人生は別れの連続だが曲にしてしまえば永遠になる。そんなSKY-HIの言葉を思い出す。たとえ道が分かれても、曲の中で彼らはつながっているのだと、考えさせられる時間でもあった。

大人の価値観も揺らがせた“夢や希望”
そしてラストを飾るのは、全員歌唱による「At The Last」(SKY-HI)だ。これは『THE LAST PIECE』のテーマソングで、SKY-HIが夢を追う人々に捧げた応援歌だ。そんな同曲には真正面から夢や希望を語ろうとする強い言葉が並ぶ。
「笑われようと笑え/夢や希望を歌え/その全てを掴め/君のその無謀を全て愛そう」
大人になれば口にするのをためらうような、あまりに熱くピュアなフレーズだ。しかしそれが今、素直に胸に響いてくる。もしかしたら挫折や葛藤を乗り越えた先で、目を輝かせながらはっきりと夢や希望を歌う10代の彼らに、何か心動かされるものがあるのかもしれない。
もっと真剣に彼らの言葉を受け取らなければならないのではないか、自分は何か大事なことを忘れているのではないか。そんなことを思わされて、価値観が揺らぐ。それはきっと、私だけではなかったはずだ。何か新たな時代が切り開かれていくのをたしかに感じる一日だった。

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