ExWHYZ・mikinaが生活の中で降り立ったなじみの駅で、自分なりの新たな好きや自分自身の知られざる一面を探して散歩する連載「自分開拓さんぽ」。
人に誘われ、これまでの人生で触れてこなかった「演舞」を観ることになったmikina。何かを失うことが続いたmikinaが人と交わることで増えた世界の中で、自分の中での揺るぎないものと向き合う。
遠い親戚みたいな街へ
ねえ、何かをしながら作業をするというのはたぶん無理だネ。代表的な例でいえば、ご飯を食べながら作業をする。そう私は、カフェでご飯を食べながらこのコラムを書こうとした。
けど、たぶん無理だ。
ご飯を食べながら窓から見えるアフロの人のヘアケアについて考えてしまっている。
耳はうしろから聞こえる英語をリスニングしようとしてる。
ご飯を食べるという行為は実はご飯を食べるだけで済まず……この上で作業ができるわけがないんだ!
わかってきたけど、効率がいいのが正義かと思い、スケジュールをこう組んでしまうのです……。
これなら正解なはずという思い込みは、そんなことがない!とわかったあともなんとなく続く。
そんでもって、この思い込みを切り崩していくのは自分と別の人間だなぁと最近思います。
【大塚駅】

大塚の神社でやる演舞を観ない?と人に誘ってもらった。
演舞、まったく未知&自分にはまだ早いと思っていたというか。でも普通にこの人と出かけたいぜ!と、何か一緒にすることでこの人の見る世界に参加したいなぁ〜〜が勝ったということで、ワクワク行くことにしたものの。
この日はあちらのスケジュールが合わなくなってしまった。でもこの日のこちらは、なんだか積極的だったのでひとりで演舞を観に行くことに。
大塚は行ったことはあるのに、ぼんやり輪郭がわかるくらいの遠い親戚みたいなイメージの駅。
降り立ってすぐ、北海道物産展につかまる。
駅中で寄り道がすべて完結する建物こと、アトレ……。寄り道って本来生活には必須じゃないはずなんだけど、その瞬間がこれだけ満ち満ちになるのでやっぱり、必須か。

ヘタすると数時間ここにいてしまうので、神社に向かうことに。
確実に失うことのない世界
この日は師走のまんなかなのに、想像より人が多かった。お囃子が遠くまで聞こえてきて迷わず到着。
そっか、毎年師走に、演舞を観にこうして人が集まるんやな。別の生活があることを感じるね。
そんでもって、今回のメインイベント演舞は、巳年の締めにふさわしい大蛇が題材と聞いていたが……。これが想像以上にわたしに興奮を巻き起こすわけです。
結論、文化を感じて「感激」というより。(こいつはまったく)ヒーローショーを見てるような生で行われるダイナミックさに、ひとり声、漏れまくり。


この蛇の中身は全部人。これで火吹いたり、大樽の酒がぶ飲みしたりするんだよー。笑
そんで明らかに強そうな派手な役に目を奪われてたら悪役で、殺されてしまい。推しメンが作中に死を迎え、悲しむ気持ちは演舞の世界でも……。
会場は外ですっごく寒いし、最初はうしろで座ってほんわか観ようとしてたけど。あまりにも思わぬ興奮が続きすぎて、途中から立っていたよ。
気づいたら「蛇カレンダー 2026」を宣伝する締めのタイムになってたくらい最後まで観てた。来年も来るとするなら、そのときはこのカレンダーを買っていると思う。

結果的にひとりで来たけど、私だけの世界じゃ、触れることのないものだったな〜。
思えば自分とは違う人と交わって増えた世界がたくさんあるな。この蛇もだし、大塚について振り返ってたら家族と天下寿司行ったこととか、初めてのバンドでの外のライブ、大塚でやったなーとか。
何が遠い親戚みたいな印象や。笑
この時期は、別れが重なってたというか、人とかとの積み重ねた時間を失うみたいな気持ちになる瞬間が一気に来た日々で。
何もかも失ったみたいな顔してみたり、占いとかに救いを求めたり、した瞬間もあったよなぁとか。
でも得た瞬間に失うことも決まっちゃうのがわかっちゃっても、全部好きにはなっちゃうし。やっぱり得たいよ。
だし、この増えた世界たちは確実に失うことはないね。ひとりも好きだけど、それは心において大事にしたいな。
そんな私の話。それでは。



Photo&Essay「ぶらみきな」発売決定
ExWHYZ・mikinaのフォト&エッセイ集『ExWHYZ・mikina Photo&Essay「ぶらみきな」』を発売することが決定。これまでQJWebで連載してきた「ExWHYZ・mikinaの自分開拓散歩」の過去回のほか、本作のために撮り下ろしたインタビューと「一緒に散歩」をテーマにした写真も20ページ以上にわたり収録。連載でのひとり散歩ではなかなか行けなかった場所で、ファンの方に支えられながら連載を続けてきた2年半を語る。
『Quick Japan』presents『ExWHYZ・mikina Photo&Essay「ぶらみきな」』
2026年4月24日(金)発売予定
判型:A5判/並製/84ページ(本文80ページ)
予価:2,530円(税込/本体2,300円)
※内容は予告なく変更する場合があります
QJストア特典:ミニカード(全3種うち1枚/すべてアザーカット)封入
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