「女児向けカードゲームのキャラクターなんですが、細眉やメイクで平成っぽさを表現しました」『オシャレ魔女 ラブandベリー』レイヤーに聞いたコスプレの“こだわり”

2025.9.30
(左から)もすさん、鈴谷そうるさん

文・撮影=ソムタム田井 編集=森田真規


東京・池袋のサンシャインシティ周辺で定期的に行われているコスプレイベント『acosta!(アコスタ)』。その規模を拡大した『Ultra acosta!(ウルトラアコスタ)』に参加していた、人気ゲームのキャラクターに扮するコスプレイヤーたちにインタビューを実施。“衣装やメイクに対するこだわりポイント”を聞いたレポートをお届けします。

コスプレイヤーに聞いた“衣装やメイクに対するこだわりポイント”

コスプレイベントといえば会場を彩るレイヤーたちの衣装を通して、その時期に旬のアニメやマンガ、ゲームなどを分析できるところも参加する上での醍醐味のひとつ。昨今ではほぼ毎週末、全国各地でさまざまなコスプレイベントが開催され、いずれも大盛り上がりとなっている。

そうしたイベントに興味はあるもののまだ参加したことがない方に向けて、本稿では2025年夏に行われたコスプレイベントをプレイバック。取材時に撮影させてもらったレイヤーたちの写真を掲載しつつ、それぞれに聞いた“コスプレに対するこだわりポイント”と併せて紹介する。

ここでピックアップするのは、東京・池袋のサンシャインシティ周辺で定期的に行われている『acosta!(アコスタ)』の規模を拡大し、さまざまなステージ企画や即売会なども同時に行われた『Ultra acosta!(ウルトラアコスタ)』に参加していた、人気ゲームのキャラクターに扮するコスプレイヤーたち。

『ファイナルファンタジーVII リメイク』のティファや『勝利の女神:NIKKE』のヘルムといった、コスプレイベントではおなじみのタイトルのキャラをはじめ、『デッド オア アライブ』シリーズの女天狗、高身長を活かして再現した『鳴潮』のフルールドリス、さらに、平成の人気キッズカードゲーム『オシャレ魔女 ラブandベリー』のラブとベリーなど、新旧さまざまな作品のヒロインたちが集結。

それぞれに撮影のための長蛇の列ができており、中には同じタイトルのキャラに扮したレイヤー同士で集まり、ツーショットや複数名での集合写真の撮影を楽しむグループの姿も見られた。

「ティファのスタイルのよさを再現したくて、体作りをがんばりました。1週間前から腹筋を鍛え始め、2日前からは固形物も摂らないようにして体を絞り、引き締まったウエストを再現しました。少しでもティファのスタイルに近づけていたらうれしいです。とはいえ、まだまだ仕上がりには満足していないので、次にティファのコスプレをするときはもっと体を鍛えて、腹筋を割ろうと思っています!

それともう1点。私自身はつり目なのですがティファの優しい目元を再現したくて、今回はアイメイクにもこだわりました」(『ファイナルファンタジーVII リメイク』ティファ・ロックハート/ぬなさん)

『ファイナルファンタジーVII リメイク』ティファ・ロックハート/ぬなさん
『ファイナルファンタジーVII リメイク』ティファ・ロックハート/ぬなさん

「こだわりポイントは、シルエットをきれいに見せるように仕上げた衣装の造形と刺繍の美しさです」(『デッド オア アライブ』シリーズ:女天狗/かがみ。もちさん)

『デッド オア アライブ』シリーズ:女天狗/かがみ。もちさん
『デッド オア アライブ』シリーズ:女天狗/かがみ。もちさん

「今回のコスプレでは、ヘルムの“威厳と優しさが同居する”キャラクター性を大切にしながら、全体のシルエットや表情の再現にもこだわりました。特にウィッグは、青の鮮やかな発色と自然な毛流れにこだわり、撮影時のライティングで美しく映えるよう細部まで調整しています」(『勝利の女神:NIKKE』ヘルム/JILI[池尻愛吏]さん)

『勝利の女神:NIKKE』ヘルム/JILI(池尻愛吏)さん
『勝利の女神:NIKKE』ヘルム/JILI(池尻愛吏)さん

「こだわりポイントはいくつかあって、まずひとつは身長です。個人的に調べたところ、フルールドリスの身長は約225センチと推測できました。私自身も174センチと身長が高いほうなので、せっかくコスプレをするならできる限り身長を近づけたくて、19センチのヒールを購入しました。なので、合わせて193センチの状態で『acosta!』に参加しています。ポージングでは、昔、ミス・ユニバースに出場した際に培った体幹が活かせたので、何事もやっておくべきだなと思いました。

ふたつめのこだわりは額の角の造形です。参加したのが真夏のイベントということで、汗をかいてもズレない方法を考えるのに苦労しました。現在、武器もなるべく本物に近づけたくて改良中です!」(『鳴潮』フルールドリス/シャーリーさん)

『鳴潮』フルールドリス/シャーリーさん
『鳴潮』フルールドリス/シャーリーさん

「こちらは女児向けカードゲームのキャラクターなんですけど、ポップな色使いが特徴的なポイントなので、忠実に再現するにあたってウィッグやズボンの装飾などの色味にこだわりました。メイクも細眉やブラウンを使って、平成っぽさを表現しています」(『オシャレ魔女 ラブandベリー』ラブ/もすさん)

『オシャレ魔女♥ラブandベリー』ラブ/もすさん
『オシャレ魔女 ラブandベリー』ラブ/もすさん

「こだわったのはウィッグの色味です。自分で染めて、理想に近い色を目指しました。毛先の特徴的な透け感も再現できたので、注目してもらえるとうれしいです」(『オシャレ魔女 ラブandベリー』ベリー/鈴谷そうるさん)

『オシャレ魔女♥ラブandベリー』ベリー/鈴谷そうるさん
『オシャレ魔女 ラブandベリー』ベリー/鈴谷そうるさん

QJWebでは今後も、全国各地で実施されるさまざまなコスプレイベントに取材参加し、レポート記事を作成していく。連載形式で順次アップする予定なので、こちらもご期待いただきたい。

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ソムタム田井

(そむたむ・たい)ライター兼カメラマン。コスプレ文化の研究家として、『ORICON NEWS』『まんたんウェブ』『WebNewtype』『ファミ通.com』『Movie Walker』など、多数のWEBサイトや書籍に寄稿。コスプレイベントの企画やキャスティングを担当しつつ、世界コスプレサミット『Co..