隣の大天狗の振り見て我が振り直す。初の全国ツアーを終えて<エバース佐々木「ここで1球チェンジアップ」>

エバース佐々木

正統派スタイルながら、独特な切り口を持った漫才で注目を集めるエバース。そのネタ作りを担当する佐々木隆史は、野球一筋の学生時代を過ごしてきた。現在は相方・町田和樹とともに漫才一本で強豪たちと戦う佐々木が、あのころの自分と重ねながら日々を綴る連載「ここで1球チェンジアップ」

9月12日に大阪・なんばグランド花月で初の全国ツアー『それでも、ワインドアップ』の千秋楽を終えたエバース。この成功におごらず、すでに次の目標へ向かっている佐々木は、隣にいる町田がかなり調子に乗ってしまっていることに引っかかっているという。

あのガールズグループの前でも町田は…

どうも全国ツアー『それでも、ワインドアップ』を無事終えて急いでコラムに取りかかってるエバース佐々木です。

全国ツアー大成功でした。来てくれた人、配信観てくれた人、あらした。

エバース『それでも、ワインドアップ』
『それでも、ワインドアップ』を完走したエバース

思い返せばエバースが初めて単独ライブというものをやったのは3、4年前くらいだったと記憶してるんですけど、そのときは神保町よしもと漫才劇場の120席がギリギリなんとか完売になって、配信は100枚ちょいでした。

それが今年は全国6カ所の会場合計で約4,000席が即完、配信も6,000枚くらい売れて、本当にこの10年がんばってきてよかったなって感じです。買ってくれたお客さんには頭上がんないですマジで。

普通の若手芸人なら確実に調子に乗っちゃってると思いますが、僕は隣に神奈川が生んだ大天狗がいるのでけっこう冷静です。天狗の振り見て我が振り直してます。

仕事の合間に単独のネタ考えたり、このコラムを書いてる間も、大天狗君はずっと楽屋で寝てます。視界に入るとムカつくので僕が外に出てカフェとかに移動してます。コーヒー代とか払ってほしいです。

日帰りで東京の仕事でも天狗なのでキャリーケースで来ます。まわりの芸人に少しでも忙しい感じを出したいみたいです。

個室楽屋のときはキャリーケースのせいでちょっと部屋が狭くなります。首を傾げながら入りづらそうにしてるのですが、自分のせいだとまだ気づいてません。

コンビで次の仕事に移動していて駅のホームで電車を待ってるとき、キャリーケースの上に腰かけながら「こういう使い道もあるんだぜ?」みたいな顔で僕をチラチラ見てきます。女性が来たらすかさず足を組んでまわりにカッコつけるのも忘れません。

この前、僕らのラジオにゲストでHANAのMOMOKAさんとNAOKOさんが来てくれたんですが、ふたりがマクドナルドのドリンクを持ってブースに入ってきて、それを見るなり天狗が、「マックとか行くんすねぇ! スタバとかじゃないんだ! スタバとか飲んでそうなのに!!」とか、はしゃいでしゃべり出して、これに関しては天狗なのかもよくわかりません。

HANAのふたりも「え、あ、はい。下のスタバが閉まってたんで……」って困りながらも返してくれて、それにも、「ですよね! 下の階にスタバあるのになんでマックなのかなー思てー!! あんまマックの飲み物とか普通飲まないからー!!」って、HANAにもマクドナルドにも失礼なことをダラダラしゃべってから本番が始まってました。

後日、あのときの会話はどういうつもりだったのか聞いてみたら、本番前にふたりの緊張をほぐしてあげようと思ったらしいです。

デビュー前からKアリーナ横浜を即完させ、新曲を出すたびに再生数1億回を突破し、俺らが会ったこともない大物芸能人と共演しまくってる、今、日本で一番勢いがあるガールズグループのメンバーがエバースのラジオで緊張してると思っちゃうくらいには天狗みたいです。

今年もこの大天狗連れて『M-1グランプリ』に挑まなきゃ!! がんばるぜ!!

エバース『それでも、ワインドアップ』

『それでも、ワインドアップ』大阪公演 
日時:9月12日(金)開場19:30/開演20:00
会場:なんばグランド花月
配信チケット:2,000円
※販売は9月26日(金)12:00まで
※見逃し視聴は9月26日(金)23:59まで
詳細はこちらから

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佐々木隆史(エバース)

(ささき・たかふみ)1992年11月6日生まれ、宮城県出身。お笑いコンビ・エバースのボケ担当。レギュラー番組『エバースのモンキー125cc』(stand.fm)、『エバースの野茂ラヂ雄』(Artistspoken)。

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