2月17日(月)に発売した『Quick Japan』vol.176では、約30Pにわたって零こと川村壱馬を特集。自身の言動・音楽を通して世の中を変える挑戦をする零の影響力を、関係者の証言から紐解く。
「THE RAMPAGEの頭脳」と呼ばれ、グループのライブ演出を中心となって担当している山本彰吾。HIP-HOPユニット・MA55IVE THE RAMPAGEとしても活動している山本から見た零のラップの魅力やアーティストとして持つパワー、そしてふたりの思い出のリリックについて語ってもらった。
山本彰吾
(やまもと・しょうご)1995年10月6日生まれ、岡山県出身。THE RAMPAGEのパフォーマーで、HIP-HOPユニット・MA55IVE THE RAMPAGEとしても活動している
壱馬のHIP-HOPに惚れ込んでいる
──グループ結成から10年。出会った当初と今とでは零さんの変化はありますか。
山本彰吾(以下、山本) たぶん、初めて会ったのはEXPG STUDIOかダンススタジオだったと思うんですけど、そのときの印象は「ちょっとやんちゃな人なんだろうな」。ちょっとトゲがあるというか……でも、男が好きな男前だな、って思いましたね。ビジュアルの変化もありますけど、最初はトゲのようなものだったのが、今はシルバーで包まれたメタリックな重厚感のあるシャープなトガり方というか。一見、美しいアーティスティックな作品だと思って触れると、スパッと斬られる。目に見えないところでのオーラ的なトゲは今もあるかな、と思います。
──零さんと山本さんとの絆が感じられたのが昨年行われた『THE RAMPAGE LIMITED LIVE 2024 *p(R)ojectRⓇ at TOKYO DOME』でのパフォーマンスです。山本さんのダンスパートで零さんが山本さんについてのリリックを書かれていて、ファンの間でも話題になっていました。
山本 東京ドームの公演では、各メンバーのセクションがあったんですけど、僕のソロでは音だけじゃなくて、やっぱり誰かの歌で踊りたいと思って同じHIP-HOPが好きな壱馬にお願いしました。ただ、時間がなかったので、最初は『16』ツアー(『THE RAMPAGE LIVE TOUR 2023“16”』)での「STRAIGHT UP」のバースをそのまま持ってきてもらおうと思ったんです。でも、時間がないなか、壱馬が新しいリリックを作ってくれていて。『16』ツアーのときはグループについて歌っていたんですけど、東京ドームのときは完全に僕の、オンリーワンのものを書いてくれたんです。「これは大事にしよう」と思いました。中でも「諸葛孔明」っていうワードで僕を表現してくれたのが、壱馬っぽくてそこがすごく好きです。3月に発売するライブDVDでは、すべてのリリックをちゃんと見られるようにしているので、楽しみにしてほしいです。
──そのリリックを背負って踊るときの印象はいかがでしたか。
山本 4万人の前で、自己紹介ラップでソロを踊るなんて、そんな幸せなことありませんよね。本当にうれしかったです。後にも先にもこういうことってないような気がします。
──零さんのHIP-HOPの礎として、やはりTHE RAMPAGEがあるかと思うのですが、メンバー間で音楽の話はされるんですか?
山本 デビューしたときから、THE RAMPAGEはHIP-HOP色が強いグループといわれていたんです。HIP-HOPが好きなメンバーも何人かいたので、そのメンバーが率先して新しい曲だとかを共有していました。今でもライブ前のアップルームでも流れていますし、メンバーで集まって家でお酒を飲むときに流れるのもやっぱりHIP-HOPですし。興味を持って聴いているのが日常です。
──山本さんから見て、零さんのラップの魅力をどういったところに感じていらっしゃいますか。
山本 リリックのパワーですね。僕もそうなんですけど、普通にラップをする人ってどちらかというと耳障りのいいものだったり、聴かせたいところを小節の最後に持ってきて、そこまでの準備みたいなところを自分の語り口調みたいなところで、とにかく気持ちがいいようにリリックを当てはめていくんですけど、壱馬の場合は言葉にあるパワーを詰め込んでいるイメージなんですよ。これを普通の人がやるとリズムキープができなかったり、小節から漏れちゃったり、うまく歌えないような言葉の数だと思うんです。でも、これまでTHE RAMPAGEとして活動してきたものと、ラップを愛してきた壱馬だからこそ、それがバチッとハマって、オリジナルの壱馬のラップにつながっているんですよね。深いところにある毒や闇をラップという刀にして斬り倒していくような……。ちょっと侍っぽいんですよね。壱馬は英語の発音もいいし、英語のリリックも絶対に書けるんですけど、ラップになると日本語が多いんですよ。僕はそこも好きですね。
──零さんのデビュー曲を聴いた印象はいかがですか?
山本 「Enter」は壱馬を好きな人はもちろん、いろんな人に浸透しやすい曲だと思います。キャッチ―な中にもやりたいことがいろいろと組み込まれているのであの一曲があれば、零というアーティストがやりたいこと、できることが一気に見える曲かな、と。
──零さんのHIP-HOPに対してのリスペクトはどういったところに感じていらっしゃいますか。
山本 ファッションだったり、アーティストの人生だったり、アートが好きだったり、ということがあると思うんですけど、壱馬に関してはHIP-HOPを概念として捉えているな、と思っているんです。自分自身に対して嘘偽りなくストイックに突き詰めていって、世の中に発信するときは自分のリアルだけを届けることをHIP-HOPだと思っている。「俺のやることなすことすべてがHIP-HOP」であり、伝えること、リリック、すべてがHIP-HOP。どこまで掘ってもそこに絶対に嘘はない、というのがたぶん、壱馬のHIP-HOPなんだと僕は思っています。
──改めて零としての活動にメッセージをお願いいたします。
山本 僕としては、とにかく好きなことをやってほしいですね。16人を背負って歌うのと、ひとりで歌うのは絶対に違いますし、「俺らと俺」という入口から違うと思うので。より鋭利にトガりまくって、今の世の中を切り裂いていってほしいですね。何も誰も気にせず、なんなら僕らのことも気にせずにやってほしい。率先して斬り込んでいって、世間もそうですけど、身内すらもギャフンと言わせてほしいですね。それができるのが壱馬ですし、だからこのタイミングでスタートしたソロプロジェクトだと思います。そこは応援しながらも、僕はひとりのファンとして、零から出てくるものを楽しみにするだけです。
THE RAMPAGE DVD・Blu-ray『THE RAMPAGE LIMITED LIVE 2024 *p(R)ojectR® at TOKYO DOME』
2025年3月5日(水)発売
詳細はこちら

関連記事
-
-
「奪われたものは取り返すつもりで生きていく」FINLANDSが4年ぶりのアルバムで伝える、新たな怒りと恥じらい
FINLANDS『HAS』:PR -
牧場バイトからアイドルへ、かてぃが歩んだ多彩な仕事遍歴
求人ボックス:PR