ノエルの歌詞は“率直で誠実”、高校生がオアシスの魅力を紹介

昨年に引き続き、現在QJWebには学校法人自由学園が行っている「飛び級社会人」というプログラムを通して、高校生のインターン生3人が来ています。そんな3人に、それぞれ今夢中になっているものについて記事を書いてもらいました。今回は第1弾、オアシスを愛する生徒による、歌詞の魅力解説です。
オアシスを知ったのは、小学生のころ。父親の影響でライブ映像を観たのがきっかけでした。当時は英語がわからないなかで、なんとなく聞いていましたが、高校生になった今、ノエルの世の中に伝えたいメッセージがわかり、彼らの音楽に対する思いに共感するようになり、ますますOasisを聴く日々を送っています。そんな僕が、自分なりの意訳とともに刺さった歌詞を3つ紹介します。
再結成を聞いてまず頭に流れた曲
Acquiesce
Because we need each other
We believe in one another
I know we’re going to uncover
What’s sleepin’ in our soul
Because we need each other
We believe in one another
(and) in know we’re going to uncover
What’s sleepin’ in our soul
What’s sleepin’ in our soul
(俺たちはお互いを必要としているから
俺たちはお互いを信じているから
見せてやろうぜ 俺らの魂に眠っているものを)
いつもケンカばっかりしているノエルとリアムも結局はお互いを信頼しているのが伝わってきて、このサビの歌詞が気に入っています。そんな歌詞をライブでふたりが一緒に歌っているのがまた感動します。8月にオアシスの再結成を聞いたときは、頭の中にはずっとこの曲が流れていました。今年の東京ドームでAcquiesceを歌ってほしいです。
作詞者にしかわからない言葉で「君」を表現
Wonderwall
And all the roads we have to walk are winding
And all the lights that lead us there are blinding
There are many things that I would
Like to say to you
But I don’t know how
(僕らの歩く道は険しく
僕らを導く光はあまりに眩しすぎる
君に伝えたいことがたくさんあるんだけど
伝え方がわからないんだ)
Because maybe
You’re gonna be the one that saves me
And after all
You’re my wonderwall
(たぶん、君は僕を救ってくれる人かも知れないから
結局さ、君は僕のワンダーウォールなんだ)
僕は「君が大好き」とか「愛してる」とか、よくあるラブソングの歌詞が苦手なのですが、この曲は直接愛してるなどを伝えてるわけではないけど、ノエルの「君」に対しての想いが歌詞に表れていて、とても好きな歌詞です。「君は僕のワンダーウォールなんだ」とありますがWonderwallは調べてみるとノエルの造語らしいです。作詞者にしか分からない言葉で「君」を表現するのがとても素敵だと思いました。
ノエルの死生観が表れた一曲
Live forever
Maybe I just wanna fly
Want to live I don’t wanna die
Maybe I just wanna breathe
Maybe I just don’t believe
Maybe you’re the same as me
We see things they’ll never see
You and I are gonna live forever
(多分、ただ飛びたいだけなんだ
生きていたい 死にたくないだけ
多分、ただ息をしていたいだけ
多分、ただ信じないだけ
多分、お前と俺は同じ
あいつらには見えないものを見てるんだ
俺とお前は永遠に生きるんだ)
この曲は「永遠に生きる」というテーマでノエルの死生観が曲に表れています。初めて聴いた小6のころは特に気にせずギターソロがかっこいいなくらいにしか思ってませんでしたが、改めて聴くとすごくかっこいい歌詞だなと最近感じました。
いわばこの曲は「死にたい」など暗い歌詞が流行っていた90’sロックへのアンチテーゼで、そのころの曲に対して「永遠に生きよう」という歌詞を書くのがノエルらしくて好きです。僕もこの曲を聴いて人生つらいから死にたいと思うんじゃなくて、死にたいような人生を反発して生きてやるよ、と思うようになりました。
ノエルの歌詞は変に取り繕わず、率直で誠実だからこそ30年ほどたった今でもオアシスの曲が愛され、影響を与えているのだと僕は思います。これから何十年先も彼の歌詞が誰かの背中を押すのでしょう。
Profile 小峰 緑
高校2年生、オアシスの影響で中1からエレキギターを習い始め、現在は高校でバンド活動をしながら作曲もしている。オアシスの一番好きなアルバムは『モーニング・グローリー』。