【2025注目!ガールズグループ#2・超ときめき♡宣伝部、FRUITS ZIPPER、高嶺のなでしこ】かわいいを武器に自分らしく言葉を紡ぐ

2025.1.10
ガールズグループコラム

文=吉田可奈 編集=梅山織愛


この5年ほど続いたボーイズグループバブル。「戦国時代」とも呼ばれ、多くのグループが登場したが、2025年に旋風を起こしそうなのは、満を持して登場したガールズグループたち。今年もすでにいくつかの新たなガールズグループのデビューが発表されている中で、「2025注目!ガールズグループ」では今年ブレイク間違いなしのガールズグループを紹介。

近年、SNSを通じて大ブレイクを果たしたグループを挙げるとすれば、「超ときめき♡宣伝部」と「FRUITS ZIPPER」と言って過言ではない。第2回ではそんな2組と、2025年さらなる飛躍が期待できる高嶺のなでしこの3組を紹介する。

超ときめき♡宣伝部

2015年に結成し、今年10周年を迎える超ときめき♡宣伝部は、ひと言で表すなら“努力のグループ”。地道に、そしてコンスタントに活動を続け、出会いと別れを繰り返し、2020年に“令和1かわいいアイドル”と称される菅田愛貴が加入。「ときめき♡宣伝部」から「超ときめき♡宣伝部」と改名し、現体制となった。

生歌とキャッチーなダンスにこだわり、努力を重ね、その歌唱力とパフォーマンスは向上。徹底的なかわいいアイドルを提示し、TikTokでは「すきっ!~超ver~」が世界中でバズり、待望のブレイク。経験と努力が積み重なった彼女たちのパフォーマンスがついに実を結んだ。

そのあと、メンバーの吉川ひよりが大ファンだと公言するコレサワが楽曲提供した「最上級にかわいいの!」で、その人気は確実なものに。ただ愛される“媚び”や“ウケ”を狙う楽曲ではなく、共感度の高い楽曲をかわいくパフォーマンスする彼女たちだからこそ、こんなにも性別、年齢問わず愛されるのだろう。

2024年末に行われたさいたまスーパーアリーナ公演も大成功。ちなみに12月4日に発売した最新アルバム『ときめきルールブック』に収録されている、二股をかけられそうになる女の子の心境を歌った「ちょま」は大声で「逃げて!」と叫びたくなるのでオススメ!

「最上級にかわいいの!」Music Video

FRUITS ZIPPER

2022年に結成し、「わたしの一番かわいいところ」がTikTokでバズり、デビューと同時に大ブレイクを果たした“ふるっぱー”ことFRUITS ZIPPER。

“あざとさ”と“かわいさ”が存分にぎゅっと詰まった彼女たちが歌うのは、自己肯定感に振り切った“自分史上主義”のエールソング。自分が思うかわいさを思いきり前面に出した楽曲とパフォーマンスはとっても清々しく、気持ちがいい。

「NEW KAWAII」でも、どんな姿でも自分がかわいいと思えばそれが正解という令和らしいリリックは、10代、20代の共感を集めスタイルを確立。

これらの曲に積極性を持たせるビジュアルを持つメンバーには、このグループから始めたメンバーは少なく、実はかなりの経験者が名を連ねる。もともとHKT48で活動していた月足天音、子役として活動し、「てれび戦士」も経験した鎮西寿々歌、さまざまなアイドルグループで経験を積んだ櫻井優衣など、これまでの経験を糧に突き進むメンバーが、経験の少ないメンバーを引っ張り今に至るからこその安定感があるのだろう。

どんな状況下でも夢をあきらめなかったメンバーたちは、とても強い。2025年は彼女たちがどう成長するか、楽しみで仕方ない。

「NEW KAWAII」Music Video

高嶺のなでしこ

2025年、さらに注目しておきたいのが高嶺のなでしこだ。上記2組とはまた色合いが違うが、彼女たちもSNSを通じて注目を浴びている10人組アイドルグループだ。

さまざまな音楽番組などで、彼女たちが「可愛くてごめん」を歌っている姿を見たことがある人は多いだろう。というのも、この曲を作ったクリエイターユニット・HoneyWorksが、「たかねこVer.」のサウンドプロデュースを務めているのだ。通称“ハニワ”の楽曲にハズレなし。10代から圧倒的な支持を受ける、まさに青春を具現化した楽曲を、理想のビジュアルと個性を持つ彼女たちが歌うからこそ、より響き、伝わってくるのだろう。

そして、“たかねこ”のライブがエモーショナルで力強いのは、歌う彼女たちが心から共感しているであろう歌詞だから。力強く、自分で立ち向かっていく、かわいいだけじゃない、たかねこらしい強さを感じるパフォーマンスはぜひ一度見てもらいたい。

今回紹介した3組に共通するのは、“自分らしく生きている”ということ。アイドルという職業の中で、自分たちが持っているかわいいという武器をしっかりと自覚し、楽曲ではそれを誰かに媚びるために言葉を選ぶのではなく、自分のために言葉を紡いだ楽曲を歌っているということ。

“異性ウケ”を意識して作られている曲とは異なり、意志を持ち、自立している曲が多いからこそ、異性ファンはもちろん、同性のファンが多く生まれているのだろう。彼女たちが、今後どんな曲を歌い、届けてくれるのか、ワクワクして仕方がない。

「可愛くてごめん」Music Video

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吉田可奈

(よしだ・かな)エンタメ系フリーライター。著作『シングルマザー、家を買う』『うちの子、へん?』(共に扶桑社)が発売中。音楽、映画、声優、舞台、アイドル、オタク事が得意。現在は『InRed』、『steady.』(共に宝島社)、『NYLON JAPAN』(CAELUM)、『ダ・ヴィンチ』(KADOKAW..

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