「さよならほげちゃん!」みんなからの生前追悼文集
2024年12月31日、ほげちゃんが引退する。
広島県出身。2016年9月、音楽ユニット「禁断の多数決」に加入。2017年12月脱退。MVに出たり、モデルをしたり、イベントをやったり。何者なのか。何者とも言い表せない。それがほげちゃん。
あのころ、Twitterを開けばいつもほげちゃんがいた。2010年代後半、インターネットを中心に活動する女の子たちがたくさん出てきたが、ほげちゃんはその原点といえる。私も少なからず影響を受けたひとりだし、きっとこれを読んでるあなたにも、謎の女の子を掘り続けるだけの夜があったはずだ(まだインターネットが深海だったころの話)。そんな女の子たちが、歳を重ねて何者かになっていくなかで、ほげちゃんは、今日まで変わらず“ほげちゃん”であり続けた。完璧な遂行である。
引退後、ほげちゃんのすべてのSNSが削除された世界で、ほげちゃんがたしかに存在していたことを証明するために、何か残したいと思った。そこで本記事では、引退イベントの『生前葬』にかけて、ほげちゃんをよく知っている人たちから文章を集めた「生前追悼文集」をお届けする。ここに来ればいつでもほげちゃんを思い出せる。そんな場所になりますように。
目次
藍染カレン(女優/アイドル)
ほげちゃんとはまだ上京したてのころ、バイト先で出会いました。仕事がじょうずで明るくて優しい、漫画のヒロインみたいな女の子だと思った。わたしは友達が少ないので、とても貴重で大切な存在。お互いHello!Projectが好きだと分かったとき、勇気出してご飯いきたいって言えてよかったな。
たくさん一緒に酒飲んで、イベントして、アホみたいに酔っ払ったり歌ったり、楽しかった。ほげちゃんが引退を決めてからもイベントができたけど、その度に“こいつこんな可愛いのに引退するんだぜ……ウソじゃん?”とかろるらりと言い合ってた(笑)
でもね、自分が一番納得できるタイミングで引退を決めて、そのあとの一年超いっぱい会える機会つくって駆け回ってたほげのこと、すごくかっこいいって思ってたよ。いつでも明朗快活で、おっきいわんちゃんみたいに笑う顔が大好き。ほげちゃんでいてくれてありがとう。
旅行行こうな!
ろるらり(イラストレーター)
YouTubeで解像度の低いPVでブンブン踊ってる、圧倒的透明感の女の子に心射抜かれてから、もう7、8年になるという事実や、年の瀬と共に迫るほげちゃんの引退に焦りを隠せない、2024年12月のろるらりがいます。
ほげちゃんとろるらりの付き合いは長いようで、2年くらいの空白がありました。私くらいの年齢になると、本当に本当にくだらないことで人との縁が離れたりすることがあるあるなため、そのひとつだと思って、愛しかった時間や、私にしては珍しくしんどい日に横にいてくれたほげほげの笑顔を頭の片隅に圧縮していましたが、ろるらりは内心、またどこかで一緒にお酒が飲めないかなと思いつつも、遠慮をしていました。
そんな矢先に、藍染カレンさんという天使が、ふとしたことでほどけたまま誰も結び直さなかったほげと私とのリボンを、「もうええでしょう」と珍しくお姉ちゃんピエールになり、ていねいに結び直してくれたことで、我々のアニメは続編が決定しました。
私は今やほげ関係者だから、ほげがほげじゃなくなっても、ほげちゃんとして絡んで幸せそうにしている姿はこれ以上はインターネットには刻まれず、我々の秘密になるわけですが、私はそれで後悔がないように、今年はたくさんイベントを打ったりグッズを作ったりと、ファンの皆さんと共に思い出を増やせて、とても満足です。本当に楽しかった!
ほげちゃんの明るくピュアでちょい頑固な性格とか、彼女らしい思い切った引退の決断については、ほかの人が言及してそうだから割愛します。
ほげちゃん、出会ってくれて、またなかよくしてくれてありがとう。
また一緒に琉球居酒屋に行きましょうね〜
ブラジル
ほげちゃんて太陽すぎる、といつも思います。ただ、ほげちゃんが太陽と違うのはずっと真ん中にいるのではなく自ら動いて周りの星を隅々まで照らしに行っているところです。常にいろんなところに気を配り、照らされてないところがないようにしているのをよく見かけるので、すごいなあと思っています。驕らず、冷静に自分の良さを理解して放出している感じも最高だし、人としていろんなところを尊敬しています。ほげちゃんと同じグループで活動できたこと、とてもうれしいです。いつも気にかけてくれてありがとうございました。これからも仲良くしてください!
yomi(NEW POLARIS)
ほげちゃんがバイバイ宣言を出してからもうじき一年、一年前に宣言してくれたのにこんなにもあっという間なことってあるのでしょうか
ほげちゃんはわたしにとって姉のような存在
というか姉です、血つながってないけど
自分を取り巻く事象に
一緒に喜んでくれ、一緒に怒ってくれ…
一緒に怒ってくれる人間なんてそんなにいないですからね
時に人生の厳しさも教えてくれる
イベントをするときも段取りが良過ぎて姉!って感じ
数年に渡り「ほげよみ水産」というイベントをやってましたがそのタイトルから連想されるように酒をいっぱい飲むので記憶は大体ないです
一時期ほげちゃんは酔って噛んでくる癖が酷かったのですが、ある日その噛み跡がハート型になって
後日それを見たほげちゃんに
『ハート型?!どうした、誰にやられたの?!?!』とすごい勢いで聞かれましたが
“””あんただよ”””
自分がやったのにゲラゲラ笑っていました
ほげちゃんだなぁと思いました
近くにいるけどファンでもあるので
わたしは未だに言っています
ほげちゃんバイバイしないでくれ
恋桃あすか(ロロキルッ!)
わたしが物心ついたときからキャス配信してたり気づいたらグループに入って歌って踊ってたりして、普段は言わんけど昔からずっと憧れ! たくさんの人に愛されてて本当にすごいなって思います。活動する上で大変なこともあったと思うけどそんなの感じさせないくらい堂々としててかっこいいし1人の人間として尊敬してます。仕事も忙しくて東京と広島で会えん距離だったけどあすかが困ったり辛いときは絶対電話で話聞いてくれて、味方になってくれてありがとう! 改めてほげちゃん長い間ほんとにお疲れ様でした! これからも変わらず元気に過ごして長生きしてね!
岩崎(CMディレクター)
ほげを一言で例えるなら“光”。
もちろんこれは情緒的なニュアンスもありつつ、どちらかというと物理的な意味合いが強くて、マジの話、刹那を生きているっぽいのですよ、ヤツは。
動物的で、無軌道。とりわけ執着というものを感じさせない。特に理由もなく、いきなりラインのトーク履歴とか全部消すんですよ。情に厚く、生真面目で面倒見もいいんだけど、とにかくそういう底知れない部分がある。
だから今回のバイバイを知ったときも、妙な納得感があった。ふとそう思ったから、そうするのだろうと。
でもそんなほげが、バイバイを一年前に告知したことは、自分にとって衝撃だった。あのほげが、先を見据えた。ファンの気持ちを考えてのことだと思う。ほげとファンの間に強い絆のようなものを感じて、グッときた。滅多に見せないヒューマニティだ。
この一年間、ほげはどう過ごしたのだろう。少しは感傷的になったりしたのかな。いつも通り、突き進んだのかな。やっぱり全然わからない。
でもヤツが知ってか知らずか、「ほげちゃん」としてのこれまでの人生の中で、多くの人の心を明るく照らしたことに、間違いはないと思う。
おつかれ、ほげちゃん。
てらおかなつみ(イラストレーター)
ほげちゃんがインターネットに現れたときのことを覚えています。広島にこんなに可愛い子がいるんだ!とびっくりしました。ほげちゃんはみんなと仲良くなれる猫みたいな人。これからもほげちゃんが居心地の良いところで自由に楽しく過ごして欲しいです。
金井球
ほげちゃんからのDMに飛び上がった日のことははっきりとおぼえています。「オールナイトイベントをやりませんか」という、初対面としてはありえないそのお誘いに、二つ返事で飛びついて本当によかった! ほげちゃんが活動を終了することを発表したのは、はじめましての20日後でした。
ほげちゃんの最後の1年の何日かをいっしょに過ごせた人生が誇らしいです。何回会っても、幻で、本物で、憧れすぎてちょっと緊張してしまうけど、それすら包み込んでくれる大きな人です(かっこいい…. …)
ほげちゃんのこれからに幸多きことを、友人としてとてつもなく願っています! 大好きです!
ぼく脳
インターネットなんだけど人間なんだよな。あなたは。難しいけど。
ていうか「ほげちゃん」ていう名前が空いてたのすごいね
イトウ(中野ロープウェイ)
私のなかで中野ロープウェイの準レギュラーという不動の地位を確立しているほげちゃんは、ほげちゃんがまだブロードウェイで働いていたころ、毎日のようにお店に遊びにきてくれていました。生前のほげちゃんとデカキンの話(無駄話)などをしたり、西友の1400キロカロリー弁当を店の奥で食べていたほげちゃんの姿が昨日のことのように思い出されます。
私という小さな命に天から与えられた役割の一つは、来店したほげちゃんを写真に撮り、それをツイッターに投稿するということでした。ほげちゃんは私の写真を見て「いとんは女の子をかわいく撮るのが上手だね!」と言ってくださることがあり、それを真に受けた私は思わず「そうなのかな?」などとつい思ってしまうことが多々ありましたが、これはやはり勘違いでしょう。なぜなら、ほげちゃんという人は奇跡のフォトジェニック人間であり、誰がどう撮ってもめちゃくちゃかわいく写る人なのですから。そのような奇跡の人の写真を撮らせていただくという重大な役割を与えられたことは、取るに足らない私の人生にとって大変な喜びでありました。
「ほげちゃんって結局なにものなの?」とはみんながよく言うことですが、このような問いが投げかけられること自体が、ほげちゃんという存在のすごさであるといえるでしょう。私は、ほげちゃんYouTubeの質問に答えちゃるコーナーから、ほげちゃんはほげちゃんだし、あなたはあなただし、私は私しかいないよという大事なことを学ばせていただき、それ以来ほげちゃんがなにものなのかを問うことはなくなりました。そして、その学びによって、私も、私がなにものかであろうとする妄念から解放されたのでした。この学びと教訓は、ほげちゃんの楽しそうに酔っ払った写真の表情とともに深く心に刻みつけたいと思います。
禁断を最初に辞めたときはライブ後の事後報告だったのに、今回は1年前からの予告引退ということで、ほげちゃんの振り幅のすごさがあらためて感じられます。
そんな、あらゆることにオールオアナッシングなほげちゃんみたいな人は世界に一人しかいないよな、と考えてしまいますが、「世の中の人はみんな一人しかいないから大丈夫」というほげちゃんの言葉もあわせて思い出されます。その言葉を胸に、私も世界に一人しかいない人間として今後の人生を楽しんで生きていきたいと思います。
生前はたいへんお世話になりました。
ほげちゃんもお願いなのでどうかお元気でいてください。
ももすももす
なんでよ、ほげちゃん。ももすは、改名して一緒にやろうって言ったよね、そのときの返事覚えてるよ。「ワハハハ!」ほげちゃんにとっての「さよなら!」は「ワハハハ!」だったんだね。ももすは悲しいよ、あ、でもうれしい。みんなはこれでさよならかもしれないけれど、ももすは、これからもずっとほげちゃんと友達だから。羨ましがりたまえ、愚民共。ほげちゃんはわたしが初めて二人でお酒を飲んだ友達。ずっとずっと友達なんだからねっ!ね?
なかむらしんたろう
ほげは“ほげちゃん”を引退してしまいますが、わたしたちの中にあるほげちゃんは永久に不滅です。本当に存在するのかしないのか。伝説のポケモンのように現実味がないからこそ実体なんて不要なのかもしれません。飲酒妖精。これからも酔っ払って楽しくなるたびに、「酒を楽しみ終わりゆくほげちゃんの姿」が脳裏に浮かぶことになるでしょう。さよならほげちゃん、またどこかの居酒屋でふらっと会えることを祈って。
長谷部悠生(Kroi)
ほげちゃんとはよーく飲みました。
お酒大好きな私と酒バイブスの合う初めての人でした。
シラフで会ったことはほぼないです。
だから毎回会うと初めましてな感じです。
目黒の床で飲んだ夜。ゲイバーで飲んだ夜。
全てかけがえのなき思ひ出です。
これからは緑ハイを見て貴女を思い出すことにします。
さようならほげちゃん!
ありがとうほげちゃん!
お疲れさまほげちゃん!
るみなす(サバシスター)
ほげちゃんの隣でギターを弾いたのは何回だったろう。
私が東京で音楽をするはじめの一歩が禁断の多数決でした。そこで出会ったほげちゃんとの時間は、今の私を作る土台となっています。
姉のように手をひいてくれて、妹のように笑ってくれるほげちゃんは、これからもみんなの心の中で陽気に六甲おろしを歌ってくれることでしょう……
そんな隣でギターを添えられるように、私もがんばります。
ありがとうとさようなら。ほげちゃん。次は球場で!
小林司(編集者/ミスiDの人)
振り返ればほげちゃんはいる。
ほげちゃんという女の子を思い浮かべるとき、彼女が全くミスiDでもなんでもないのに、思い出すのはミスiDです。
今川宇宙、中村ちひろ、なつみん、ろるらり、五味未知子、藍染カレン、yomi、金井球……僕のほげちゃんの記憶にはいつも隣にミスiDの誰かがいます。
「私を見て」という強めの2024年のインフルエンサーやTikTokerたちと比べ、ミスiDの女の子たちはみな「見つけてくれたらうれしい」くらいの、頼りなくて儚い、フラジャイルを持ってた気がします。
だからゆるいつながりが必要でした。今でいうガールズクラッシュ、シスターフッド。そのインターネット・ガールズ・ツリーは暗い世界の果てまで広がり、つながっていきました。
ほげちゃんは、2010年代から2020年代初頭にかけてのインターネットに広がったそんな頼りなくて儚い、何をやってるのかよくわからないだけど魅力的な女の子たちのつながりそのものでした。
お酒を飲み、よく笑い、誰にでも分け隔てなく、掴みどころがなく、女の子の輪の中にはいつもほげちゃんがいる。そう、あの時代、振り返ればほげちゃんはいました。
これからも僕たちはほげちゃんの姿を探すでしょう。向かいのホーム、路地裏の窓、こんなとこにいるはずもないのに。
ごいちー
ほげちゃんとは写真のころに出会い、急に一緒に住んだり、お互いの相談事をしたり、パンを腐らせたり、首をかじられたり、腹がちぎれるまで笑い転げたり、あっという間ですがもう7年以上の仲になりました。ほげちゃんはとってもやんちゃで破天荒なところが魅力ですが、本当はすごくしっかりしているところも実は大好きです!
そして最近気づいてしまった彼女の魅力は画ヂカラ! 昔から何気ない写真はたくさん撮ってきましたが、最近になって写真集やライブの撮影でほげちゃんを撮る機会が増えて気付いてしまいました。(スピリチュアルな話ではないのですが)手動で合わせているはずのピントが彼女にだけギューンっと引き寄せられるように合うんです。何をしていても絵になる。非常に興味深い人間でした。最後の写真集でも新しいほげちゃんを撮れたのではないかと思っています。本当に最後までみんなを飽きさせない最高の女でした。
最後私に撮らせてくれて本当にありがとう!宝物だよ!
バイク川崎バイク
BKBです。ブンブン。初めてのクイック・ジャパン様へのコメントが、真空ジェシカとかではなくまさかほげちゃんになるとは。凄すぎほげちゃん。
思い返せば8年前、禁断時代の貴方を偶然インスタで見つけその妙な華に惹きつけられ、ライブ見にいかせてもらったファンでした。それからは逆にBKBの単独見に来てくれたり、たまに飲みいったり。そういえばだいぶ前、ゴリラ好きを公言してたほげちゃんにゴリラの置き物あげたら、変な空気流れた記憶あります(バリくそ爆笑BKB)。業界をスパッと引退すると聞いたとき、掴みどころないけど軸はブレないほげちゃんらしいな、と思いました。
Bバイバイほげちゃん K気をつけてね Bビール飲み過ぎなどに! BKB! ヒィア!
ほうのきかずなり(禁断の多数決)
ほげちゃんと最初のシングルをリリースしたのが2016年だったので、ほげちゃんと出会ってから何気に8年しか経ってないのが不思議な感覚、なんかもう10年以上の付き合いがあるように錯覚しちゃうくらいに、ほげちゃんと過ごした日々の充実度、内容量が多いんだと思いました。ほげちゃんの性格上、一度決めたら絶対に引退すると思いますが、こんな時代になっちゃったのでいつでも戻ってきていいと思うし、引退したあとも今と変わらず元気でエネルギッシュに日々を楽しむ姿が垣間見えます。また飲みに行きましょう。
ほげちゃん(本人)
こんにちは
ほげちゃんです!
この度はクイック・ジャパンさんにweb記事でこんな素敵な企画をしていただき、とってもうれしいです!ありがとうございます!
写真は上村窓さんに撮っていただきました。
撮ってもらいたかったからうれしかったー!写真、いいでしょ?
窓さん、ありがとうございました!
何を言えばいいんだろう、うーん。
あ、コメントを寄せてくださった皆さま! 本当に本当にありがとうございます!
実はまだコメント見れてないのだけど、絶対に最高なんだろうなー。どうしよう。
一人一人にコメントを残したいくらいなのですが、長くなってしまうので…本当に皆さまありがとう…
配信してた時期も合わせると約10年? みんなにみてもらえてたのしかったですー!
こんなにみてもらえて、色々やれるとは! 幸せすぎー!
わたしは、みんながいてくれて助かったことたくさんありました!わたしもみんなを助からせていたらいいな。
いなくなっても助からせ合うことってできるかなあ、できればいいな。
わたしはみんなを思うと、助かることができるよ!これからも!
一方的に助かることができるのもうれしいけど、助からせ合いができたのなら最高です!
じゃ(-_-)/~~~ピシー!ピシー!