2024年11月23日、グローバルボーイズグループ・JO1が全国ライブツアー『JO1DER SHOW 2024 ‘WHEREVER WE ARE’』の初日公演を神奈川・Kアリーナ横浜にて行った。
この日、ロサンゼルスやニューヨークを含むアジア&アメリカを巡るJO1初のワールドツアーが2025年2月からスタートすることも発表され、いよいよ本格的に“世界へ”羽ばたいていくグループの未来に対する期待感に包まれたままライブは幕を閉じた。
ここでは、そんな『JO1DER SHOW 2024 ‘WHEREVER WE ARE’』初日公演の模様をレポートする。
目次
会場の温度をどんどん上げていった「Love seeker」
グローバルボーイズグループ・JO1の4都市14公演をまわる今年初の全国ライブツアー『JO1DER SHOW 2024 ‘WHEREVER WE ARE’』が、神奈川・Kアリーナ横浜で初日を迎えた。
生バンドによる重厚なアンサンブルがJAM(JO1のファン)で埋め尽くされた場内に響き渡り、⿊を基調にしたジャケットとダメージデニムを合わせた⾐装に⾝を包んだ大平祥生、川尻蓮、川西拓実、木全翔也、金城碧海、河野純喜、佐藤景瑚、白岩瑠姫、鶴房汐恩、豆原一成、與那城奨という11人が、度肝を抜くかたちでステージに登場。大歓声が上がった。
髪色や髪型が大きく変わったメンバーが多く、木全は金髪に、河野は赤髪に、與那城は青髪になったとウキウキした表情で自己申告していた。川西の金髪オールバックにメガネ姿も新鮮で、それぞれがこのツアーに向けてビジュアル面でも気合を入れていることが伝わってきた。
川西の伸びやかな歌声から始まり、序盤で木全と大平によるラップ調のかけ合いが入る「Love seeker」では、11色の色とりどりのボーカリゼーションの力をたっぷりと見せつけた。2番の鶴房と大平のラップのかけ合いではコミカルな動きを展開し、ライブならではの高揚感を宿した。巧みに緩急をつけながら、ファンキーでソウルフルなグルーヴで場内の温度をどんどん上げていった。
先駆者の頼もしさを感じさせた「WHERE DO WE GO」
場内に口笛が響いた。最新曲「WHERE DO WE GO」だ。白岩が吐息混じりに「Where do we go」と発し、川尻のハイトーンの歌につなぎ、與那城が伸びやかな歌でさらに景色を広げた。難易度が高いであろうフォーメーションの移動を行いながらも、ぐっとテンポを落としたサビはバキバキに踊るのではなく、ゆるやかな動きで余裕のあるセクシーさをにじませる。
2番では川西がかけていたメガネをすっと外したり、與那城がジャケットをはだけてたくましい筋肉が見て取れるTシャツ姿を見せたりと、サービスも欠かさない。余韻を増長させるように口笛が鳴り響くなか、11人を代表するかのように川尻が堂々たる風格を放ち、楽曲を締めくくった。
デビュー5年目だからこその経験値に裏打ちされた抜きの美学が通底するファンクポップ。「WHERE DO WE GO」には、「僕たちが歩けばどこであろうとレッドカーペットになる」というメッセージが込められている。
「どこへ向かえばいいのだろう? 風に任せて もっと色づく未来まで Okay 自分のstyleで切り開け」という序盤のフレーズから、オーディション番組出身のダンス&ボーカルグループの先駆者として未開の地を歩き、海外でも活動を行い、『NHK紅白歌合戦』に3年連続の出場を決めたJO1の気概がにじむ。しかも、風通しのいいサウンドだからこその自由気ままなムードがより頼もしさを感じさせる。
バラード曲では伸びやかな11人の歌声が重なることで生まれるJO1ならではのハーモニーの魅力が炸裂し、曲に込められた想いをいっそう重層的に伝えた。川尻が上げた手を左右に振り、それと呼応するように客席のペンライトが左右に揺れ、センチメンタルなムードを生み出す場面もあった。
ダンスをしなくとも、歌唱力だけで約2万人を魅了した一方で、ゴリゴリのダンスチューンではパワフルでダイナミックなパフォーマンスを展開。11人はあるときは獰猛に、あるときはクールに、あるときはチャーミングに、あるときはジョイフルに、楽曲によって変幻自在に表情を変え、無限の可能性を見せつけた。
『JO1DER SHOW』という新たなフラッグ
今回のツアー名には『JO1DER SHOW』というワードを初めて冠している。ライブ中、川尻が「ちょっとしたご報告があります」と前置きし、「『JO1DER SHOW』は今後ずっと使い続けていくタイトルになります。つまり、JO1DER SHOW 2024、2025というふうになっていく。このタイトルを僕たちとJAMのみなさんで育てていきたい。なので、みなさんもこのショーの一員です。初日ですよ! ナイスなワンダーショウにしていきましょう!」と明かした。
『JO1DER SHOW』をいうライブの名称を今後も使っていくということは、『JO1DER SHOW』をJO1のブランドにしていくということだ。筆者が「WHERE DO WE GO」のリリースタイミングで行ったインタビュー(『AERA dot.』、「JO1が初のアジアツアーで得たものとは 『この11人で良かったと思うことがすごく増えた』」)で、メンバーは『JO1DER SHOW 2024 ‘WHEREVER WE ARE’』についてこう言っていた。
「アジアツアーで感じたのは、もっと一体感をもって楽しんでもらえるライブにしなければいけないということ。『JO1といったらライブ』と思われるレベルに持っていきたい」(與那城奨)
「見てくれた人を一人残らずJAM(JO1ファンの呼称)にできるようなライブができれば、言語問わず自ずと世界に広がっていく。日々試行錯誤しています」(河野純喜)
『JO1DER SHOW』という新たなフラッグを打ち立てたことは、與那城が言うように「JO1といったらライブ」と思われるレベルに持っていくことに寄与するであろうし、河野が言うように『JO1DER SHOW』を観た人をひとり残らずJAMにすることができれば、JO1が世界に広がっていく大きなきっかけを作ることになるだろう。
記念すべき『JO1DER SHOW』の初回となったこの日のライブ。巨大なLEDビジョンや花道から伸びたセンターステージをフルに使った演出は、エンタテインメント性抜群。ユニットステージでは衣装や演出の力も相まって、それぞれの個性と新たな表情が際立つと同時に、11人という大所帯のグループだからこそのさまざまな組み合わせの妙が全開になっていた。
初の試みがいくつもあった。それに対してメンバー同士、「マジで最高だった!」とか「緊張した!」と口々に言い合っていたが、お互いを労い合い、讃え合う姿からは、これからもライブで新たなトライを続け、「『JO1DER SHOW』なら間違いなく楽しい」という全幅の信頼を得る未来を目指す意志が透けて見えた。
大平祥生「過去イチのライブだと思ってる」
アンコールで與那城が「ここで発表がございます」と言うと、ビジョンに初のワールドツアーの情報が映し出された。世界最⼤のライブエンターテインメント企業であるLive Nation Entertainmentの⽇本法⼈「ライブネーション・ジャパン」と⽇本⼈アーティスト初となる包括的グローバル・パートナーシップを結び、2025年2⽉から『JO1 WORLD TOUR JO1DER SHOW 2025 ‘WHEREVER WE ARE’』を開催することが発表された。映像が映るなかで佐藤が腕立て伏せをして、笑いを巻き起こしていたのがさすがだった。
2月15日の台北公演からスタートし、アジア、北⽶を含む6都市全7公演のワールドツアー。「JO1、世界へ」という文字が映し出され、與那城が「みんな拍手!!」と言うと、メンバーは腕を突き上げたりしながら、興奮をあらわに。
佐藤は「筋トレのメニューを2倍にする」と気合いじゅうぶん。木全が「JAMが喜んでる声を聞くときますよね。マジでいつも泣ける」と言えば、川尻が「みなさん……というか、あなたのおかげです!」と言って感謝を伝えた。
そして與那城が、「ここからJO1、世界に羽ばたいていきます。厳しい道のりだと思いますが、JO1とJAMのみなさん、力を合わせてがんばっていきましょう!」と宣言。
「JO1DER SHOW」を新たに打ち立てたのは本格的な世界進出に向けて、自らの背中を押す意味合いもあるのだろう。複数の新たな試みからは、JO1ならではのエンタテインメントの濃度を上げて世界に羽ばたこうという気概が漲っていた。
大平がライブ中に「僕的には(今回のライブは)過去イチのライブだと思ってる」と言い切っていたが、「JO1といったらライブ」という未来に向けて大きく歩を進めたことが強く伝わってきた。
JO1の表紙・巻頭特集「5年目のGo to the TOP 時代を変える11の夢」
2024年6月に発売された『Quick Japan』vol.172の表紙&第1特集では、グローバルボーイズグループ・JO1が登場。合計3万字以上のソロインタビューを含む40ページ以上にわたる総力特集を実施。
特集のテーマは「5年目のGo to the TOP 時代を変える11の夢」。2020年3月に「グローバルボーイズグループ」としてデビューし、コロナ禍の影響を真正面から受けながらも、激変するエンタテインメントの世界で目覚ましい活躍を見せているJO1。デビュー時から「Go to the TOP」を掲げてきた彼らは、活動5年目を迎えた今、どんな夢を抱き、どのように時代を変えようとしているのか。
メンバー11人が夢見る「TOP」に向けた現在地を明らかにするため、「あなたにとって“TOP”とは何か?」「現時点での“TOP”への到達度は?」「“TOP”に到達するために必要なことは?」という質問をぶつけ、合計3万字以上となるソロインタビューを実施。
『Quick Japan』の公式ECサイト『QJストア』では、通常の表紙とは別パターンの限定表紙を販売。QJストアでの売り上げの一部は「能登半島地震」の復興支援のために寄付する取り組みも行っています。