深見東州 オリジナル曲コンサート!:PR

“翔んで”さいたまスーパーアリーナ、『深見東州 オリジナル曲コンサート!』レポート

2024.11.1

文=西澤裕郎


大学予備校「みすず学苑」の学苑長であり、実業家、宗教法人の代表、スポーツの振興や芸術活動、福祉や社会貢献、国際協力などを行う、深見東州。文化的な造詣も深く、指揮者、作曲家、能楽師、バレエダンサー、漫談家、さらに画家、書家としての顔も持っている。

音楽活動の面では、オペラ歌手でありながら、ジャズからポップス、演歌までボーダレスに歌い、これまで5回にわたる日本武道館公演を開催。カーネギーホール、ロイヤルアルバートホールを含む世界三大ホールを制覇し、新国立劇場でも12度にわたる公演を行っている。そんな深見が2024年10月2日に選んだ会場は、さいたまスーパーアリーナ!? しかも、すべてオリジナル曲で構成されたコンサートだという。今回も現地に足を運び本公演をレポートする。

8870枚のチケットはすべて完売

シンガーソングライターとして、これまで800曲以上の曲を作ってきた深見。オリジナル曲の発表は2022年の武道館以来2年ぶりだという。前回の武道館は古今東西の名曲のカバーを中心にオリジナル曲を織り交ぜていたので、すべてオリジナル曲というのは筆者にとっても初めてだ。

さいたま新都心駅に到着し、歩いて会場に向かう。平日にもかかわらず会場は老若男女問わずさまざまな人たちで活気に満ちている。今回、QJ編集部から「深見氏のオリジナルTシャツとうちわを持って参加してほしい」(!?)と連絡があったため、Tシャツに着替えて会場入り。すると、「キンチョーは蚊取り線香だけにして、リラックスしてスラックス履いて楽しんでください」と、深見によるギャグを交えた会場ナレーションに先制パンチを受ける。8870枚用意されたチケットはすべて完売。満員の観客の中、18時30分にライブは幕を開けた。

この日の演奏を行う「ROCK54」のメンバーたちとともに、深見が登場。ギター、ベース、ドラムに加え、ピアノ、キーボード、サックス、弦楽器と、名うての演奏人たちが生演奏するのも醍醐味だ。楽曲を披露する前に曲の背景についてMCを行うのも特徴で、歴史やギャグを交えたトークも楽しみのひとつだ。

1曲目は「アンドロメダ王子」。深見の凛々しくも艶やかな歌声が響くと、客席からは大きな歓声が起こり、色とりどりのサイリウムが会場を包んだ。「ここからが怒涛の新曲ラッシュです」とタイトルコールされたのは「翔ばずに埼玉」。各土地をテーマにした楽曲の多い深見だが、スーパーアリーナ公演をする上で作った新曲だという。「古い伝統から、最新のあいみょん、Ado、米津玄師なども心がけてアレンジをした」という同曲を、「埼玉に敬意を払い歌います」と歌い上げた。

全23曲中8曲に「龍神」が登場

深見の楽曲には「龍神」というワードがたくさん登場するのも特徴だ。なんと今回のライブでは、本編全23曲中8曲に「龍神」が登場。「龍神」シリーズの新曲を3曲続けると、ピンクレディ風の強い女性を犬にたとえたという「ピンクのポメラニアン」、深見が長年住んできた西荻窪をモチーフにした「西荻セレブ」など新曲を歌い上げる。中でも、約20分に及ぶ人物や歴史の解説後に始まった新曲「楠木正成」は、「ギザギザハートの子守唄」から「ウィリアム・テル序曲」につながるメロディから始まり、観客たちの度肝を抜いた。

中盤には、スカ調の「人生は仮の宿」から、観客も一緒にダンスする「メタボの雀」で金テープが舞い、ディスコ調の「メスの狼」と大盛り上がりを見せた。ストリングスの演奏ゾーンでは、金ピカに輝く風船のついたカートに乗った深見が登場。花道を渡りセンターステージまでたどり着くと、深見もダンス。一転、「永遠の旅人」ではピアノだけで壮大な世界観を演出し、シャボン玉が会場を舞った。

金色の風船がついたカートに乗る深見

終盤は怒涛の「龍神」シリーズラッシュ。5曲続けて「龍神」シリーズを歌い上げ、「ラストは踊り狂いましょう!」と「龍神21世紀」を会場一体となって踊り、銀テープが舞う中、本編は幕を閉じた。

「スーパーアリーナに捧げます」

アンコールが起こると、真っ赤な上着を羽織り再登場した深見。バンドメンバーも赤のTシャツを着て、ハロウィン仕様のステージセットの中、ファンおなじみの「GAT MAN」を熱唱。「聖者の行進」では、再び深見が歌いながらセンターステージへ。ファンたちも一気にセンターステージに押し寄せ、“翔ぶ”ように声援を送り、ライブハウスさながらの熱気を生み出した。最後は「スーパーアリーナに捧げます」と、この日2回目となる「翔ばずに埼玉」を歌い、3時間30分にわたるライブは大団円を迎えた。

全曲オリジナル曲ということで、正直最初は楽しめるか心配だったが、一曲一曲ギャグを交えた解説に加え、豪華な演出と演奏、深見氏の歌唱力によって、最後まで楽しむことのできたアリーナ公演だった。果たして次はどんなことを考えているのか? 何度体験しても深見東州の底知れなさを思い知らされるばかりだ。

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西澤裕郎

(にしざわ・ひろお)ストリートを愛するカルチャー・マガジン『StoryWriter』記者・編集者。

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