平成J-POPは常々「あいつからの連絡が来ねえ!」と嘆いている。平成mixi女子から令和へ届けたい恋の格言!【平成はLOVEだった#4】

平成J-POPは常々「あいつからの連絡が来ねえ!」と嘆いている。平成mixi女子から令和へ届けたい恋の格言!【平成はLOVEだった#4】

文=奈都樹 編集=山本大樹


平成ひと桁生まれの“みんなのギャル”ライター・奈都樹が駆け抜けた平成の時代のすべてをLOVE一本槍で語り尽くすエッセイ連載。恋に恋したあのころを、もう一度みんなで見つめ直そう!

交際2カ月、J-POPを聴きながら彼の連絡を待つ日々の始まり

※画像はイメージです

春、新たな恋に浮かれてますか?

いや、それとも雲行きが怪しくなってるころでしょうか? おかしいな……彼からの連絡が激減した……なんてことになってませんか。

あの急変っぷり。初めから連絡しないタイプならまだしもズブズブやりとりしたあとに、ある日を境にぱたっと途絶えるあの感じ。意味わからん。

私が初めて経験したのは高校1年生のとき。毎晩Skype(1)して、お互いの趣味の話や昔話なんてしてたら、あっという間に時間が経って、「あーもう朝になっちゃったね」「時間が足りないね」「学校で会えるの楽しみ♡」「放課後一緒に帰ろーねー♡」とか言い合ってたのに。

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ある日を境にSkypeどころかメールまで来なくなる事態(2)。交際2カ月あたりでしょうか。J-POPを聴きながら連絡を待つ日々が始まりますよ。

【注釈 その1】
(1)インターネット好きカップルの間で重宝されていたツール。当時私たちの恋の合言葉は「スカイプしよ?」だった
(2)その後、周囲にかなり遅れてガラケーからiPhoneに乗り換え。やりとりをメールからLINEに変えたことで連絡来ない問題は解消された。原因は相性ではなくツールだった

平成J-POPは常々「あいつからの連絡が来ねえ!」と嘆いている

電話がない夜に強がっちゃう女子もいれば(3)

夜中の3時にPHSが鳴るのを待ってる女子もいるし(4)

寝るにも携帯にぎりしめてないといられない女子(5)もいれば、

メールも電話も“会いたい”もいつも私ばっかりじゃん!と不満気な女子もいて(6)

平成J-POPは常々「あいつからの連絡が来ねえ!」と嘆いている(いつまでも待っているから♩なんて余裕があるのはYUIぐらい)。そう、この夜に泣いているのはあなたひとりではないのです(7)

【注釈 その2】
(3)SPEED「White Love」
(4)宇多田ヒカル「Movin’on without you」
(5)青山テルマ feat.SoulJa「そばにいるね」
(6)西野カナ「もっと…」
(7)ちなみに連絡を待つ間にいらぬ想像をして宇宙も超えてしまう女子といえばaiko(「冷たい嘘」より)

ケータイはあったらあったで不安が増幅する

ケータイなんてゲットして、これで好きな人と連絡し放題♪なんて喜びも束の間、新たな愛情指標ができてしまい、結局私たちは自分の首を絞めてる。

過去と現在の連絡頻度を比較して冷めたんじゃないかと不安になったり、女友達から「彼氏と毎日電話してて」とか聞かされればそれが愛情ってものなんじゃないかと思ったりして、もう会って「好きだよ」と言われるだけでは満足できない。

コミュニケーションツールはあったらあったで問題。

ちなみに高校時代の私は、西野カナを聴けるほど素直ではなくて、椎名林檎を聴いて鬱々としていた。

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頼りになる男友達はいないし、オトメスゴレン(8)もろくなこと書いてないしで、こうして音楽を聴いてベッドでじっと待つしかないのである。

【注釈 その3】
(8)2010年代を生きる女子たちの恋愛の教科書だった。今はエロサイトと化している

連絡を待つ女子の希望、それはmixi。

そんな当時の女子の希望といえばmixi(9)だった気がする。最終ログイン時間、「足あと」、日記、つぶやき……彼の生存確認ができる機能があれ一本に集約されていた。

彼に直接話せない直接触れられない(10)けど、せめて今何をしてるのか知りたい、私のことどう思ってるのか知りたいと、3分おきにmixiを開く。

ログイン時間3日以内であれば忙しいのねと安心できるし、足あとがついていれば御の字だ(しかしログイン時間5分以内で足あとがつかなければまた不安というエンドレス)。

【注釈 その4】
(9)足あと機能が廃止されたときの同級生たちのざわめきは今でも忘れられない
(10)globe「sweet heart」の一節。ちなみにマーク・パンサーは電話線をはずしたり電話を無視したりしがち

彼が放っておいている間に、新たなLOVEがひっそりと育まれていく

一方で、じっと連絡を待っていると思いもよらないところから恋がやってくることもある。

特にあのころのmixiには恋の種が至るところにあり、“同じ趣味や関心事を持つ人たちが集まる場所”こと「コミュニティ」で特定のメンバーとやりとりしてるうちにお互い意識していくこともあるし、知り合いの知り合いから突然マイミク申請されてDMでやりとりが始まるなんてこともあった。

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こうして彼氏が放っておいている間に、新たなLOVEがひっそりと育まれていく。

恋なんて言わばエゴとエゴのシーソーゲーム。親も兄妹も恋人もなんなら浮気相手すら見ていないところで急速に芽吹いてしまうものである。

愛となったらまたちょっと違うけどね。

時代が変われど、ツールが変われど、女子は彼からの連絡を待つ

その後mixiを卒業した私たちは、Facebookで好きな人の写真を漁って、Twitterではいいね欄とツイートを徹底チェックして(11)、そんなことをしながら連絡を待っていた。

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それからさらに時が経ち令和となった今ではFacebookは廃墟へ、いいね欄も非公開となったので、今度はストーリーズの「足跡」を気にしている(12)

とはいえこれは30代の私の話であって、中学1年生の親戚に聞いたところ、学生たちはストーリーズの質問箱でなにやら駆け引きめいたことをしているらしい。

私にはそれがなんなのかはよくわからないけれど。

【注釈 その5】
(11)アカウントのいいね一覧が公開されていた時期は、いいねの更新チェックで生存確認を取っていたし、あの一覧から彼の趣味や好みを把握していた
(12)彼氏が不在中に彼のタブレットのGPSから、居場所を常時チェックしているという猛者もいる

平成mixi女子から令和へ届けたい恋の格言!

え? 30代でもまだこんなことで悩まされるの?と不安になった学生さん。安心してください。

大人になると環境が変わって、私たちはこの震えを楽しめるようになるから。

会社と自宅を往復するだけの淡白な日常で、たまーに心を揺さぶられることがあればそれはそれでちょっとした興奮がありますよ。

ここまで読むと女の恋は始まるのが早くて男たちからしたらちょろいなんて思うかもしれない。

でもひと筋縄でいかないのは、その恋はあちこち簡単に生まれて、簡単に枯れてしまうというところにある。

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連絡をいつまでも待っててくれてるもんだと思って、気が向いたときに連絡をしてみたら、実はすでにその子は別の彼の連絡を待っていたなんてこともある。

男のスキルが試されるのは、恋を芽吹かせることではなく、その恋を愛に咲かせられるかどうかにあるのかもしれない。

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奈都樹

(なつき)1994年生まれ。リアルサウンド編集部に所属後、現在はフリーライターとして活動しながら、クオーターライフクライシスの渦中にいる若者の心情を様々な角度から切り取ったインタビューサイト『小さな生活の声』を運営中。会社員時代の経験や同世代としての視点から、若者たちのリアルな声を取材している。