ミュージカル『エリザベート』で黒羽麻璃央が放つ“得体の知れなさ”の正体は?真犯人役としての佇まいの説得力【2025年11月東京公演レポート】
1996年の宝塚歌劇団による日本初演から始まり、2000年以降の東宝版でも日本のミュージカルファンの心をつかみ続けている人気作『エリザベート』に、2020年からルイジ・ルキーニ役として出演している黒羽麻璃央。
2月13日発売の『Quick Japan』vol.182の黒羽麻璃央特集「軽やかな思想家」から、2025年11月・東京公演のレポートを一部抜粋してQJWebに掲載。WEB限定写真もお届けする。
真犯人役=ルキーニとしての“説得力”がある
『エリザベート』は、自由を愛し、類い稀な美貌を誇ったハプスブルク帝国最後の皇后・エリザベートと、そんな彼女を愛した黄泉の帝王・トートの禁断の愛の物語。
本公演は、ルキーニが死者の国で裁判にかけられている場面から始まる。黒羽演じるルキーニはエリザベート皇后暗殺事件の犯人であり、なぜエリザベートを殺すに至ったのか、物語を通じて謎解きをしていく……というのが、作品全体の構成だ。

ルキーニは真犯人でありながら、物語を進行する狂言回しの役割も担う。そのため、出番とセリフ量がとにかく多い。また、孤児院生まれのアナーキストで暗殺者という人物像なので、若々しくキラキラしていてはいけない。
筆者は”黒羽麻璃央”という俳優に対して、明るくはつらつとした印象を抱いていたので、観劇する前は黒羽がどんなルキーニを演じるのか、想像もつかなかった。

実際に観てみると、まず佇まいに独自の魅力があった。軽やかながらもどこか影を帯びた雰囲気が、いい意味で得体の知れなさ、薄気味悪さを醸し出していて、ルキーニとしての説得力がある。

また、トート=“死”に翻弄され数奇な運命をたどっていくエリザベートや、その周囲の人物たちを眺める視線も印象的。

大きな瞳をさらに大きく見開き、舞台上の登場人物と、舞台を観ている観客を交互に見渡し、舞台上と客席をつないでいた。
「キッチュ」を皮肉っぽく歌い上げる
シーンに応じてさまざまな衣裳で登場するのも、ルキーニの見どころのひとつだ。
時には宮廷の召使い、時にはミルク売りの行商、また時にはカフェの店員に扮装して、オーストリアの民衆や宮廷の人々の心情の移り変わりを説明していく。

本作には、エリザベートの決意と自由への渇望を表現した「私だけに」、トートとエリザベートの関係性を歌った「私が踊る時」など数々の名曲がある。
筆者が観劇した回も、エリザベートを演じる明日海りおや、トートを演じる井上芳雄の美しい歌声が客席を魅了していた。

そんななか、ルキーニの楽曲の見せ場といえば第二幕冒頭で歌う「キッチュ」。結婚当初は本物だったはずのエリザベートと皇帝フランツの愛が、時とともにキッチュ(=まがいもの)になっていった様子を、黒羽は見事に皮肉っぽく歌い上げていた。
また、この曲では客席にルキーニが登場し、観客のひとりにマグカップをプレゼントする演出があるのも楽しいポイントだった。
【続きは本誌でチェック!】俳優・黒羽麻璃央の魅力とは?

ミュージカル『エリザベート』レポートの全文は、2月13日発売の『Quick Japan』vol.182に収録。本舞台から感じた、黒羽麻璃央という俳優の魅力とは?
そのほか特集内では、“日曜日の朝”をテーマにした黒羽麻璃央の撮り下ろしグラビアやソロインタビュー、オフの時間を彩る偏愛アイテムも紹介。ファン必見の特集となっている。





