正統派スタイルながら、独特な切り口を持った漫才で注目を集めるエバース。そのネタ作りを担当する佐々木隆史は、野球一筋の学生時代を過ごしてきた。現在は相方・町田和樹とともに漫才一本で強豪たちと戦う佐々木が、あのころの自分と重ねながら日々を綴る連載「ここで1球チェンジアップ」。
2024年に引き続き、今年も『M-1グランプリ』で決勝進出を決めたエバース。決勝を数日後に控えた今の心境を綴る。
神保町でしのぎを削った仲間たちと
みなさんこんにちは。エバース佐々木です。
『M-1グランプリ』決勝の数日前に書いてます。僕らエバースは2年連続『M-1グランプリ』の決勝に行くことができました。
先月のコラムででかい口を叩いちゃった部分が切り抜かれて、Xでちょっとだけ話題になっちゃってました。これで準決勝で落ちたらとんだ笑い者になるところでした。
でも自ら自分を追い込むことでがんばれたりするので、結果的によかったです。
2年連続の決勝は初めての決勝と比べると「おめでとう」の数が減ります。でも2年連続で決勝に行くほうがすごいことなんだからおめでとうの数が増えるべきな気もします。5年連続の真空ジェシカさんとかどう思ってるんだろ。
とはいえ去年よりはレギュラー番組の仕事とかもやらせてもらってるのでスタッフさんたちが喜んでくれてるから僕もうれしいです。
宮城でやらせてもらってるロケ仕事でも街中でいろんな人に声をかけてもらって、「『M-1』がんばって」とか言われます。けっこうみんな知ってくれてるんですね。
あと、元神保町組が僕たち含めて4組も決勝に行ってるのもうれしいです。今から5、6年前に僕らは神保町よしもと漫才劇場の所属になり、しのぎを削った人たちと一緒に決勝に行けるのは、改めていい劇場だったんだなと思います。
当時から神保町よしもと漫才劇場は若手の劇場というのもあってなめられやすかったのですが、神保町という土地柄なのか若手の劇場にしては幅広い年齢層のお客さんが来てくれるので、ちゃんとスベるときはスベるし、ウケるときはウケる、いい感じの緊張感があったような気がします。
若手のころに陥りがちな若い子にだけウケるようなネタをする人は比較的少なかったです。そのぶん『おもしろ荘』とかで一発当てて、中高生に大人気の一世風靡するような芸人も全然出なかったですけどね。
決勝はまた緊張するんでしょうけど楽しめたらいいですね。僕はこの世で緊張することが一番嫌いなので早く優勝してこの戦いの螺旋から抜け出したい気持ちもあれば、素敵じゃないかさんや金魚番長とか、戦友たちとまた来年以降に決勝で戦えたら楽しそうだなって気持ちもあります。
そんな何回も決勝に行けるほど甘い世界じゃないのは自分が一番わかってるんで決められるときに決めたいですが、優勝したらこれから先ずっと“『M-1』チャンピオン”としての芸人人生になるのかと思うともっと気楽に生きたいなとも思うし、かといって優勝しないと毎年精神すり減らしてこの『M-1』地獄に挑まなきゃいけない。
とにかくおもしろい漫才をお届けできたらそれでいいです。みなさん、よいお年を。
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