「前髪のギャル感にこだわったり、水着を着こなせるよう体作りもがんばりました」“2025年放送アニメ”レイヤーに聞いたコスプレのこだわり

2025.12.15
(左から)らいむたそさん、絢子お姉さん、iLU(あいる)さん

文・撮影=ソムタム田井 編集=森田真規


世界最大規模の同人誌即売会として知られる『コミックマーケット』。2025年夏に開催された『コミックマーケット106』に参加していた、同年放送の人気アニメのキャラクターに扮したコスプレイヤーたちにインタビューを実施。それぞれのコスプレに対する“こだわりポイント”を聞いたレポートをお届けします。

コスプレイヤーに聞いた“衣装やメイクに対するこだわりポイント”

コスプレイベントといえば会場を彩るレイヤーたちの衣装を通して、その時期に旬のアニメやマンガ、ゲームなどを分析できるところも参加する上での醍醐味のひとつ。昨今ではほぼ毎週末、全国各地でさまざまなコスプレイベントが開催され、いずれも大盛り上がりとなっている。

そうしたイベントに興味はあるものの、まだ参加したことがない方に向けて、本稿では2025年下半期に行われたコスプレイベントをプレイバック。取材時に撮影させてもらったレイヤーたちの写真を掲載しつつ、それぞれに聞いた“コスプレに対するこだわりポイント”と併せて紹介する。

12月30、31日には、世界最大規模の同人誌即売会であり、コスプレが楽しめる年内最後の大型イベントでもある『コミックマーケット107』が東京ビッグサイトにて開催されるということで、本稿ではこれに先駆けて、8月に開催された『コミックマーケット106』に参加していたコスプレイヤーたちをピックアップ。

屋外に設けられた撮影エリアをのぞいてみると、『その着せ替え人形は恋をする』や『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』、『忍者と殺し屋のふたりぐらし』といった2025年に放送されたアニメ作品のキャラクターに扮したレイヤーが続々集結。中には、同じ作品のキャラ同士で集まり“併せ”を楽しんでいたグループもいて、それぞれに撮影のための長蛇の列ができていた。

「今回のコスプレでは、アニメや原作コミックと照らし合わせながら、全身のディテールを忠実に再現することにこだわりました。つけまつげで目尻を強調したり、アイシャドウに赤を使ったり、チークを目のすぐ下に入れたりと、メイクには特に力を入れてキャラの雰囲気を再現したつもりなので、注目していただけるとうれしいです。また、袖のフリルは最初に用意したものだとちょっとボリュームが足りなかったので、ここだけ別にパーツを作成して、それを組み合わせてこちらの形に仕上げました。乳袋もがんばってモリモリにしたので、じっくり見てください!」(『その着せ替え人形は恋をする』喜多川海夢[衣装:黒江雫]/瀬戸みるかさん)

『その着せ替え人形は恋をする』喜多川海夢(衣装:黒江雫)/瀬戸みるかさん
『その着せ替え人形は恋をする』喜多川海夢(衣装:黒江雫)/瀬戸みるかさん

「海夢ちゃんが実際に存在していたら、こんな感じになるんじゃないか……ということを意識しました。海夢ちゃんのスタイルをリアルに再現するつもりで、体作りをがんばりました。ウィッグカットでは前髪のギャル感にこだわったり、ネイルは色味だけでなく長さも忠実に再現したりして、私の中の“理想の海夢ちゃん”を表現してみました」(『その着せ替え人形は恋をする』喜多川海夢/絢子お姉さん)

『その着せ替え人形は恋をする』喜多川海夢/絢子お姉さん
『その着せ替え人形は恋をする』喜多川海夢/絢子お姉さん

「こちらは大好きなアニメに登場するキャラクターの新衣装で、どうしてもコスプレをしたくなり、3日間無休で制作に当たりました。出来栄えには自信があるので、細部までじっくり見ていただけるとうれしいです!」(『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』アナーキー・パンティ/iLU[あいる]さん)

『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』アナーキー・パンティ/iLU(あいる)さん
『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』アナーキー・パンティ/iLU(あいる)さん

「理想的な紫の色味にしたくて、白い生地とニーハイを紫の染料で染めました。スニーカーもベージュのものをオレンジの染料で染めています。衣装は写真だとわかりにくいんですけど、無地ではなく和風の模様が入った生地を使っているのがこだわりです。手甲の造形パーツは、メタリック感のある紫のフェイクレザーを貼って制作したもので、ウィッグ、衣装、ニーハイと、紫の色をうまく統一できたことも個人的に気に入っています。ちなみにウィッグは、うしろから見ても結い上げているようにしたくて、毛束を張りつけることでそれらしく仕上げました。汗で髪型が崩れないようにしっかりセットしてきたことも、今回のコスプレで気をつけたポイントです」(『忍者と殺し屋のふたりぐらし』草隠さとこ/トキワさん)

『忍者と殺し屋のふたりぐらし』草隠さとこ/トキワさん
『忍者と殺し屋のふたりぐらし』草隠さとこ/トキワさん

「こだわったポイントはウィッグの造形とメイクです。パンティの強気な性格を表現したくて、表情や仕草にもこだわったので、そのあたりにも注目してもらえるとうれしいです」(『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』アナーキー・パンティ/かえるちゃんさん)

『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』アナーキー・パンティ/かえるちゃんさん
『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』アナーキー・パンティ/かえるちゃんさん

「こちらのコスプレではロングヘアの維持・管理に気をつけました。ニベアクリームを使ってサラサラの状態をキープしていたので、屋外でもウィッグが絡まず、スムーズに写真撮影に対応することができました」(『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』アナーキー・ストッキング/らいむたそさん)

『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』アナーキー・ストッキング/らいむたそさん
『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』アナーキー・ストッキング/らいむたそさん

「写真だとわからないと思うんですけど、いつ前髪をかき上げても大丈夫なようにしっかりメイクをしてきました。ブリーフの魅力は“面のよさの持ち腐れ”だと思うので、その再現を意識しました。それともう1点、手作りで用意したゴースト探知機リュックもこだわったポイントです。実は中には熱中症対策グッズがたんまり入っていて。とても実用的でお気に入りのアイテムです」(『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』ブリーフ/3269.さん)

『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』ブリーフ/3269.さん
『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』ブリーフ/3269.さん

QJWebでは今後も、全国各地で実施されるさまざまなコスプレイベントに取材参加し、レポート記事を作成していく。連載形式で順次アップする予定なので、こちらもご期待いただきたい。

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ソムタム田井

(そむたむ・たい)ライター兼カメラマン。コスプレ文化の研究家として、『ORICON NEWS』『まんたんウェブ』『WebNewtype』『ファミ通.com』『Movie Walker』など、多数のWEBサイトや書籍に寄稿。コスプレイベントの企画やキャスティングを担当しつつ、世界コスプレサミット『Co..

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