発売中の『Quick Japan』vol.179のSPECIAL EDITION版表紙&約20ページの特集に、YouTubeチャンネル『ニートと居候とたかさき』が登場。本稿では、QJWeb特別版としてアザーver.のインタビューを公開する。
けっして能動的ではないメンバーを巻き込みながらYouTubeを始め、イベント、アパレル、ボードゲームとチャンネルを拡大させてきた家主・たかさき。かつては芸人として舞台に立っていたが、今では「クリエイター」として多岐にわたる活動を行っている。「もう、変わらなくていい。今の延長がいい」という、たかさきのこれまでとこれからを聞く。
たかさき
1994年2月22日生まれ、千葉県出身。家主。元芸人で現在は「クリエイター」として多種多様な活動をしている
「クリエイター」という肩書の意味
──たかさきさんはご自身の肩書を「クリエイター」としていますが、「クリエイター」をどう定義していますか? 聞く人によって捉え方が変わる曖昧な言葉だと思うのですが。
たかさき 動画でも服でも、何かを自分から生み出したら「クリエイター」なんじゃないですかね。アイデアをゼロから生み出す必要はなくて、何かを制作したらクリエイターでいいのかなと思ってます。
──ロールモデルにしている人はいますか?
たかさき いや、いないかも……。知らないだけだと思うんですけど、自分とまったく同じように仕事をしている人がまわりにいないので、誰みたいになりたいとかが定められないんですよね。昔はそういうのかなり探してました。
──誰かを目標にするのではなく、自分で切り開いているんですね。
たかさき 結果的にそうなってたら、めっちゃカッコよくてラッキーだなと思います。マジでラッキー。頼む。
──映像編集からクリエイターのキャリアが始まり、どんどんほかの分野に展開していますよね。どのような流れで仕事の幅が広がったのでしょうか?
たかさき 仕事が枯渇したタイミングで、次の仕事がひとつ増える感覚ですね。たとえば「動画編集の仕事全部終わったな」というときに「YouTubeチャンネルのイベント作ってみようかな」みたいな。今は11月に「ニートと居候とたかさき」のポップアップイベントをやれたらと考えているので、それに向けて多くの時間を使っています。
自分が苦手なことがわかってきた
──今年発売したボードゲームは、視聴者さんからのご提案だそうですね。どのくらい開発に携わったんですか?
たかさき 視聴者さんでTRYBEというボードゲームの会社に勤めている方がいて、ご連絡いただきました。これに関しては、僕は監修みたいな感じですね。企画案を検討したり、イメージに合いそうなイラストレーターを探したり……。
──活動内容が本当に多岐にわたっていますね。
たかさき やってること、本当にバラバラですね。でも集中力が続かないタイプなんで、いろんなことをやるほうが向いてるんです。芸人時代より、今の働き方のほうが向いてますね。
──忙しくなりすぎると、ちゃんと考えられなくなりませんか?
たかさき あ、きつくなることはあります。そういうときは、部屋で「あーーー!!!」って叫んだり、友達の前で「無理だ無理だ無理だ……」とか言ってガス抜きしたりしてます(笑)。あと僕の場合、タスクを書き出してみると大した量じゃないこともあって。頭の中を整理するのがヘタなんで、3日かかると思っていた仕事が1日で終わっちゃうこともあります。最近は自分のことがわかってきたし、パニックになっててもしょうがないので“とにかくやる”ことにしてます。
──以前「しんどいときは深夜徘徊する」とお話ししていたのを聞いたことがあります。
たかさき 最近はたまに日中徘徊をやってます(笑)。ずっとパソコンの前にいると息がつまるんで、徘徊するのを楽しみにしてるところもありますね。「この仕事をやったら徘徊できる」と、日中徘徊を目の前にぶら下げて仕事することもあります(笑)。
変わらず、今の延長で
──チャンネル開始当初、ここまで活動が多岐にわたると想像していましたか?
たかさき いや、本当に何も考えてないです(笑)。当時すでに映像で食えてたし、せっかく変な生活してるんで「観てもらってお金にできたら最高だなぁ」ぐらい。芸人やってただけあって「おもしろい」と思われたい気持ちはあるので、それをアピールできるいい場になるのかなと思ってました。
──チャンネルが「軌道に乗ったな」と思えたのはいつごろでしたか?
たかさき あ~、マジでないかもしれないですね……ものすごくバズるとか、ムーブメントが起きたことが一度もないんで……。エッセイ本を出版したり、アパレルブランドとコラボしたり、今回みたいに『Quick Japan』さんとお仕事させてもらったり……と、ちょくちょく「おぉ!」ってタイミングはありますけど、すぐにショボい存在に戻るというか。正直にいうと、このままゆっくり続けられたらいいなと思っちゃってます。チャンネル登録者数も「増えんな」と思ってるところもあって。もちろん新規の方が登録してくれるのはうれしいんですけど100万人登録してるのに5万再生のチャンネルより、5万人登録してて5万再生のほうがいいと思うんですよ。本当は「YouTuberとして天下獲るぞ」ってスタンスのほうが応援したくなると思うんですけど、僕らにはそういう野望がない(笑)。
始めた当初と同じく、生活を観てもらって、それでお金が入ったらラッキーぐらいの感覚ですね。誰もが知ってるというより、何人かにひとり知ってるぐらいのほうが楽。密着してくれる木島には感謝ですが野望などもないわけで、密着に飽きたり楽しんだりっていうのが続いています。
──飽きつつも続けられているのはなぜですか?
たかさき おもしろいことをやらせてもらえる場所として、残したほうがいいと思っていて。不本意ですけど、罵られたりいじられたりして、苦しい気持ちになれる場所を持っておきたい。
──ドMのような発言ですが……。
たかさき そういうことではなくて(笑)。僕はカッコつけるのが好きなんで、いじられる場所がないと各所でずっとカッコつけてると思うんですよ。別にそれでもいいと思うんですけど、まだ31歳だし直接罵られたりいじられたりする空間があったほうがいいかなと……そういう感謝があるかもしれないです。“かも”です。
──チャンネルとして活動の幅が広がり、収入も増えたと思います。生き方に変化はありますか?
たかさき 自分のことはわからないですけど、野尻と南はあんまり変わってないと思います。野尻は、資本金が増えたぶん、以前よりもギャンブルできるようになりました。あと以前よりもバカが露呈するようになりましたね。南は貧乏が治らなくて「さすがにその移動はタクシーでいいんじゃない?」みたいなときも電車で行って、貧血で倒れたりしてます。生きるの下手すぎ。だからイメージとしては、野尻も南も“変わった”のではなくもともとあったものが“大きくなった”感じですね。南はしんどすぎると飛ぶヤツなんで、これ以上仕事が過度に入り出したら、全然飛ぶと思います。
──いまだにその危険性が?
たかさき あぁ、もう全然信用してないですね。1ミリも。
──「ニ居た」としての目標はありますか?
たかさき ないですね……ポップアップのレベルを上げていくとかは楽しそうだなと思うんですけど。変なこといっぱいさせられてトラウマしかない、愛する人には見られたくないチャンネルになってますし……。
──では、個人の目標はいかがですか?
たかさき 今作ってる「SAMPLE」ってブランドがすごく楽しいんで、コンスタントに続けていきたい。あとこのYouTubeも、できれば続けたいですね。今やっていることを続けつつ、すべてがちょっとずつ大きくなっていったらいいなと。で、新しい仕事もちょっと増えて、いろんな人を巻き込んで、楽しくできたらいいなと思います。
──これまでいろいろ変えてきたぶん、これからが“変わらない生き方”になりそうですね。
たかさき 本当にそうですね。31歳からはもう、変わらなくていい。今の延長がいいですね。
インタビューのアザーver.は『Quick Japan』vol.179に掲載
YouTubeチャンネル『ニートと居候とたかさき』が、8月8日(金)より発売中の『Quick Japan』vol.179のSPECIAL EDITION版表紙&特集に登場する。
今回の特集では、「成長」ばかりが求められる社会の中でのひとつの選択肢として、「変わらない生き方」を提示。さらに、特集には時々動画に出演するラッパー・SKRYUも登場。常に変化し続けてきたSKRYUが、メンバーの魅力を語る。
さらに、QJストアでは限定大判アクリルキーホルダーも販売中。

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