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爆笑問題「最も番組を終わらせたコンビ」が、24年間“ねずみ“で在りつづける理由<FOD『爆チュー問題』特別企画>

2023.1.14

文=西澤千央 撮影=長野竜成 編集=田島太陽 菅原史稀


1999年にフジテレビの子ども番組『ポンキッキーズ』のコーナーとして始まった「爆チュー問題」。天才ねずみ“おおたぴかり”(太田光)と普通のねずみ“たなチュー”(田中裕二)が、人間の世界から拾ってきた物や言葉について「でたらめ」な解釈を繰り広げるコントバラエティは、世代を超えて爆笑できるお笑いコンテンツであり、多くの人に既存の価値観を問い直すきっかけを与えた。

あれから24年、長寿番組となった『爆チュー問題』を、爆笑問題のふたりはどのように見つめているのか。多様性の時代に『爆チュー問題』が在る理由。

『爆チュー問題』はFODで配信中!

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『爆チュー問題』でしか表現できない“でたらめ”な世界観

あれ、『クイック・ジャパン』は休刊になったんじゃなかった?

いや、まだ大丈夫です。

おかしいな、本当に休刊じゃない?

なってないんですよ。諸事情で1号休みましたけど。

一回休んだよね(笑)。

1年前、去年の夏ぐらい。

また復活したんだ。しぶといね〜。

これからもしぶとくがんばります(笑)。今日はおふたりに『爆チュー問題』の真実について、お伺いしたく参りました。まず、本格派漫才師として名を揚げていた20年前のおふたりは、この番組のオファーをどんな気持ちでお受けになったんでしょうか。

最初は『ポンキッキーズ』の中の1コーナーということで、「『ポンキッキーズ』で何かやりませんか」というオファーだったんです。うちの社長が「子ども番組、どうかな?」って言ってたけど、俺はすごくやりたかった。『セサミストリート』とか好きだったから「絶対やる!」って言って。(『ドリフ大爆笑』の)「ばか兄弟」みたいなのがやりたかったんだよね。

「ばか兄弟」、いかりや長介さんと仲本工事さんがやっていたコントですね。

そう、でもなかなか難しいんですよ、あれは。

ちょうど当時『だんご3兄弟』のプロデュースをやってた佐藤雅彦さんに「こういうオファーが来ていて『ばか兄弟』みたいなのやりたい」と相談して。あの人はパッとひらめくから、次の日すぐ電話かかってきて「できました。『爆チュー問題』でどうでしょう。ふたりはネズミなんですよ。天才ぴかりと普通のたなチュー」。「普通」っていうのは、俺がつけたんだけどね。たなチューが人間界の何かを拾ってきて、天才ぴかりは天才だから、それを全部知ってるかのようにでたらめなことを言う。確かに、「ばか兄弟」は人間でやると難しいけど、ネズミってことにしちゃえばOKなんですよね。

その時点で『でたらめな歌』もできてた、わずか1日で。「天才はお前だろ」って、佐藤さんに言いたかったです(笑)。「でたらめな歌」と『だんご3兄弟』をほぼ同時に作ってるんですよ。

僕はその段階を知らないんです。「今度『ポンキッキーズ』でこういうのやるよ」って聞かされたときには、もうキャラクターのイメージイラストもあった。

イラストも完璧だったね。

例題みたいなミニコントも書いてあって。「ああなるほどな、おもしろそうじゃん」って、わりとすんなり思いましたね。ただ僕ら、「お前らテレビ出ていいのか」って言われるようなネタをやってたりもしたんで、子ども番組に出るのはどうなんだろうっていうのは、一瞬思いました。

子ども番組ということを、おふたりはどれくらい意識されてたんですか。

多少ぐらいだね。結局は「みんなー!」とかやるけど、言ってることはもう「スケキヨだよ」みたいなことだからね。「誰も知らねえだろう」みたいな。

ひどい話(笑)。

「でたらめ」というのも、ひとつの発明なんじゃないかなと思います。おふたりは漫才でも、既存の価値観に難癖をつけつづけてきたと思うのですが、この番組も、放送開始当初の1999年から「価値観の多様性」がテーマとして掲げられていました。

そうですね。たぶん佐藤さんから見て、僕らがでたらめに映ったってことじゃないですか。『天才バカボン』なんかが大好きなんですよ、僕は。バカボンのパパがやってることってたいていでたらめなことばっかりで。そういうのは本当に基本ですよ、お笑いの基本は「でたらめ」。価値観の多様性だと思ったことはないけどね。

今はとにかく多様性なんだよね。

確かに番組スタートからこの24年で、物事に対する社会の捉え方も変わってきました。

変わってきましたね。本当に俺らの活動で唯一変わってないのは、この『爆チュー問題』。あとはもうガラガラ変わってる。

それはおふたりの中で、『爆チュー問題』をつづけたいという意志があったからでしょうか。

ものすごいあります。だからそれはさんざん、フジテレビとも話してきた。文部科学大臣賞(平成17年度 芸術選奨 文部科学大臣賞 放送部門)もらったとき、その文言の中に『爆チュー問題』のことも書いてあって。「子どもから大人まで幅広く」って。それを当時の……あのときの社長、誰だっけな。

村上さんだっけ。

違う違う。誰だっけ、あのときの社長。

……。

誰もわからない(笑)。

銅像くれたじゃん、『爆チュー問題』の金の像。わざわざフジテレビに呼ばれて、花束くれて。こんだけやってくれたのもフジテレビだけですよ。各局でレギュラーやってたけどそこまでお祝いしてくれたのはフジテレビだけだからうれしくて。

「『爆チュー問題』レギュラーにしてもらえませんか」と。そのときは「絶対します」って言われたんだけど、それ以降どんどん端に追いやられて。『ポンキッキーズ』は終わるし。衛星になったり、もう今ネットになったりして。どんどん隅に追いやられて。

金の銅像まで作ってもらったのに。

当時火曜スペシャルって枠があったから「特番1回でもいいからやらしてくれ」「絶対やりましょう」って言ったのに。俺いまだに覚えてます(笑)。

おふたりにとってそれぐらい『爆チュー問題』は大切な番組だったんですね。

本当に、俺らの代表作だと思ってるので。30周年ライブでも、最後は『爆チュー問題』でコントやったんですよ。

『爆チュー問題』でしか表現できないことがあるのでしょうか。

まあそうね。ネズミっていうキャラクターに入ると、逆に世界が広がってもうなんでもありになるっていうか。今は本当にいろんなものが細分化されちゃってるけど、俺はやっぱり小さな子どもから大人まで、みんなが観ておもしろいというものがやりたいから、一番合ってると思う。

それは本当に難しいことだと思います。世代を超えて笑わせるっていうのは。

今、コロナでお客さんを現場に入れられなくなっちゃったけど、毎年クリスマスにはお客さん入れて収録してたんだよね。そうすると必ず親子でみんなネズミの耳つけてきてくれる。子どもはわけわかんないけど、親が笑ってるから一緒に笑ってるってそういう感じ。

以前空気階段さんにインタビューしたときに、水川かたまりさんが芸能界の目標は『爆チュー問題』に出ることだと。それぐらい若手芸人にも影響を及ぼしている。

かたまりぐらいだからね、そんなこと言うの(笑)。あとほとんどの若手には影響は及ぼしてない。でもうれしいね。それが『キングオブコント』獲るまでになってくれたのは、本当にうれしいですよ。

「楽しい」が贅沢になった時代。爆笑問題がバラエティに求めること

今までの収録で印象的だったエピソードはありますか?

そうだなぁ。この番組はリハーサルでこっちも楽しくなっちゃうんだよね。そのときBOOMERと一緒に……。

BOOMER! なつかしい!

(笑)。これは絶対に書いておいたほうがいい。「なつかしい!」。

すみません……失言でした。

絶対書いておいて。

そのなつかしいBOOMERやみんなで、「ワー!」って言いながらリハーサルやってたんですよね。そのときに、道具として畳が一畳敷いてあって。それでテンション上がって、こいつ(太田)がその畳を蹴っ飛ばして、BOOMERの伊勢(浩二)に当てようとしたらしいの。でも畳って超重いじゃないですか。

ネズミの足はペラペラだしね(笑)。

この足で畳バーンて蹴ったら「わーーー」つって、「痛ええ」つって。結局は骨折してた? ヒビ入って(笑)。

全然びくともしなかった、畳。

当てようとしたって言うんだけど、軽いと思ったのか。

伊勢さんもびっくりされたのでは。

伊勢はなんにもされてないのと一緒だから(笑)。ただこいつが暴れて痛がってるだけだから(笑)。

リハからすごく盛り上がってるっていうことですね。

もうぐちゃぐちゃですね。本番もめちゃくちゃなときもよくありますから。

リハの意味あったのかなあれ。

台本関係ないし。

けっこう時間ギリギリのときもあったよね。生放送でね、尺に収まらないときもあったし。

そういうとき、田中さんはちゃんと止めるんですか?

いやもうそれ厳しいんですよ。一応コントだからストーリーがあって「このくだりやらないと次行けない」とか出てくる。だから出番終わって引っ込んだときに、フロアさんとかディレクターさんがバーって来て「あのくだり、ちょっとできないかもしれない」っつってコーナー丸ごとカットとかはあったかもしれない。

あったね。

観覧で来たお客さんが、置いてきぼりみたいなことはよくあった。ポカーンとして、「こいつら何してんだろ」みたいな(笑)。

楽しい。でもだからこそ、ここまでつづいたという感じもあるんですね。

いつ辞めるって言うのかなと思いながらここまで来ましたね。

爆笑問題 インタビュー

以前『クイック・ジャパン』vol.156のインタビューでも「我々おそらく今までで一番番組を終わらせたコンビですから……」と太田さんおっしゃっていました。

そうそう。ほかはぜんぶ終わっちゃってるよね。

その中で『爆チュー問題』はずっとつづいてきたっていう。これから『爆チュー問題』としてどんなことをやっていきたいですか。

それは本当にいっぱいあるんだけど、言ってもどうせフジテレビはやらないからさ(笑)。さんざん言ってきてるんですよ、特番やらせてくれって。ゴールデンでも深夜でもいいから。いろんなゲストを呼んで、要はコントあり歌ありゲームありとかね、そういうものをやりたいんですよ、このソフトの中で。

たとえば僕がサックス吹いたり、あいみょんとかそういう、今をときめく人たちにネズミとして登場してもらって。本当に言ってみりゃ、人間がやってるバラエティをぜんぶネズミにしてやるっていうね。

歌ありコントありというのは、フジテレビのバラエティのイメージとして強いです。おふたりにとって、フジテレビバラエティのどういうところに魅力があると思いますか。

やっぱり僕らの世代は、バラエティーといえばフジテレビなんです。『オレたちひょうきん族』を夢中で観てたし、「タケちゃんマン」「ブラックデビル」みたいに、大がかりなセットを使って、何億円かけてこのくだらないことやってんだっていうね。

当時のフジテレビのキャッチコピー「楽しくなければテレビじゃない」って、あの感じが僕らは本当に楽しかった。自分たちもコメディアンになったらああいうことができるんだと思ってたけど、バブルが弾けちゃってなかなか制作費も厳しい状況になったり、コントやってもあんまり数字が上がらなくなったり。これ言うとまた古いって言われちゃうんだけど、もう世代は違っちゃってるからね。

でも、フジテレビが作ってきたようなバラエティーを、今もう一回やったら若い人も楽しいんじゃないかなって思う。『SMAP×SMAP』が最後じゃないかな、歌ありコントありって感じ。

『オレたちひょうきん族』には、おしゃれなイメージがあります。

おしゃれっていうかね、本当に楽しいの。スタッフの人も出演者もみんな楽しんで遊んでるっていう感じ。今はその余裕がなかなかないし、お金もないしっていうね。だから贅沢なんですよねきっと。

「バカをやって、笑われつづけたい」

しかし今でも、お笑いは絶えず盛り上がっていて、若手芸人もたくさん出てきて。若手芸人さんと絡むことによっておふたりの中で変化が生まれることもありますか。

いやもうただ楽しいだけだね。空気階段にしてもよくこんなやつら……俺らの時代はああいうネタは大好きだったけど、逆に受け入れられなかったというか。

やってることのレベルがめちゃめちゃ高いんですよ。あれがコンプライアンスがんじがらめの時代に、コンテスト番組で爆笑をかっさらっていくというのはね……(鈴木)もぐらがあの汚い裸でブリーフ一丁で出てきて(笑)。あんなもん本当はダメなんだよ。

だけど堂々とそこでやって、うまーくその批判をそらしてやってると思うんですよ。俺らはあれやりたかったけど、そのころの時代的には、ああいうマニアックでシュールなコントは伝わらなかった。

時代も徐々に変わってきて、そういうおもしろさが伝わるようになった。

したたかにやってますよ。大谷翔平のレベルが上がってるのと同じですよ。

そのなかでおふたりは若手の憧れとして存在している。

誰も憧れてないで有名な爆笑問題。

そうそう。誰も目指さない。

(笑)。以前『クイック・ジャパン』で爆笑問題さんを特集したときの取材時にも思ったんです。インタビューも撮影もすごく楽しくて。なぜおふたりからは、大御所の威圧感みたいなものを感じないんだろうと。

俺が中御所で、こいつ(田中)は小御所なんで(笑)。

御所いらねえだろ(笑)。

若手の方も絡みやすそうに見えるんです。太田さんイジったり田中さんイジったり。年取ってきた現代人すべてに突きつけられる問題だと思うのですが、偉そうにならないようにするためにはどうしたらいいんでしょうか。

炎上をつづけることじゃない?(笑) どうやったって偉そうになれない。世の中が許さないからね。

なるほど……炎上にはそんな意味が……深い、ネズミの目線だ……。

深くもないですよ(笑)。お客さんの前に立って、バカやって笑われるってのは本当の基本で、そっからいなくなりたくないっていうだけなんだけど。

今回『爆チュー問題』は動画配信サービス・FODで配信されますが、FODでこれからやってみたいことはありますか?

その出口はどこでもいいんだよね、やらせてくれるなら。でも以前やっていたような通常の『爆チュー問題』は定期的にやりたいですね。

今回ワールドカップの中継をスマホで観るようになったりして、どんどん映像の楽しみ方も変わってきてますよね。

そうなんですよね。それこそ漫才やるときも、ライブやテレビと、まあやり方はいろいろありますけど、「テレビの場合はこのネタはできないだろうからライブだからやっちゃえ」というのは多少あるにしても、基本は目の前のお客さんにウケるかどうかだけであんまり感覚は変わらない。

とにかくおもしろいことをやって、観てる人に笑ってもらう。

混乱しちゃうしね。俺覚え切れないし(笑)。やってる側としてはいつも同じ気持ちです。

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西澤千央

(にしざわ・ちひろ)1976年生まれ。神奈川県出身。実家の飲み屋手伝い→ライター。『クイック・ジャパン』(太田出版)や『文春オンライン』、『GINZA』(マガジンハウス)などで執筆。ベイスターズとねこと酒が好き。

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