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“忘れられない”平成フジテレビドラマ3選!豪華すぎる出演&制作陣、深夜の実験作、時を越えて今も刺さる名言を紹介【FOD特別企画】

2024.12.30

(C)フジテレビ

文=てれびのスキマ 編集=菅原史稀


せっかくの年末年始、ドラマや映画など「何かおもしろいものが観たい!」と意気込む人も少なくないのでは。そんなときこそ、フジテレビ公式動画配信サービス『FOD』がオススメ。ソフト化が実現していないなどの理由で、観返される機会こそ少ない貴重な名作が、『FOD』ならチェックできるケースが多いのだ。

今回はライター・てれびのスキマが、『FOD』で鑑賞できるラインナップから“個人的に忘れられない”平成フジテレビドラマを選抜。今でも色褪せない、いや今だからこそ観るべき各作品の魅力とともに紹介する。

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スーパーアイドル・木村拓哉の美意識を堪能。『ギフト』

『ギフト』 (C)フジテレビ

ついに待望の作品がFODで配信開始された。

1997年に木村拓哉主演で制作されたサスペンスドラマ『ギフト』だ。このころ、木村拓哉は、前年に『ロングバケーション』の主演で人気が爆発していたスーパーアイドル。当然ながら、次なる恋愛ドラマのオファーが殺到したはずだが、木村が選んだのは、まったくカラーが違うハードボイルドな作品だった。

「人ってよく思い出話するだろ?(中略)だから俺もここで思い出話をしようと思う。俺のはちょっと人と変わってる。極端に少ないんだ。あっという間に終わるからさ。しかもその半分はこの女から聞いた話なんだ」

そんな木村演じる早坂由紀夫のモノローグから始まる。そこに流れるブライアン・フェリーの音楽も抜群にハマっていてカッコいい。このモノローグが示すとおり、由紀夫は記憶喪失だ。そして、その姿が最初に登場するシーンもインパクトがあった。

クローゼットの中から全裸・傷だらけで落ちてくるのだ。色気ダダ漏れ。

第1話「女子高生を援助交際ブローカーに届ける」 (C)フジテレビ

彼は腰越奈緒美(室井滋)に拾われるかたちで「運び屋」を始める。マウンテンバイクで街を疾走する姿もまたカッコいい。配達に固執し、なんとしても相手に荷物を届け、その受け取りの代わりにポラロイドカメラで写真に収める。そうした一つひとつの要素に木村拓哉独特の美意識が貫かれているようだ。

『ギフト』は、そんな由紀夫の失われた記憶と消えた51億円をめぐる物語だ。

木村拓哉といえば『SMAP×SMAP』で「探偵物語ZERO」と題して松田優作の『探偵物語』をパロディしていたが、本作はまさに木村拓哉版『探偵物語』といった趣だった。

脇を固める役者陣も個性的かつ豪華。室井滋を筆頭に、小林聡美や梶原善、今井雅之といった名バイプレイヤーたちが配されていた。また、当時はまだバラエティタレントというイメージの強かった篠原涼子も出演していた。そんな中でも忘れられないのが、忌野清志郎の存在。犯罪マニアで由紀夫にさまざまな情報を提供する役回りなのだが、まともに他人と話せないから毎回、由紀夫と小競り合いを繰り返す。そんなシーンと清志郎のキャラクターはとても愛おしかった。

バタフライナイフ事件の影響もあり、長らく見ることができる機会がほとんどなかった本作(2019年にようやくBlu-ray・DVD化)だが、今見ても抜群にカッコいい。

実験的精神を宿す深夜ドラマ『3番テーブルの客』

『3番テーブルの客』 (C)フジテレビ

フジテレビは80~90年代、バラエティ番組でもドラマでも時代をリードする番組を次々と生んでいた。ドラマでいえば、いわゆる「トレンディドラマ」はその最たる例だろう。だが、フジテレビがフジテレビたらしめていたのは、充実した深夜番組があったからにほかならない。

80年後半に生まれた「JOCX-TV2」というレーベルとして始まった深夜枠は、そのレーベル名を変えながら、1996年3月まで続き、若き新しい才能の実験場として記憶に残る番組を生み出していた。それが、カルチャーの先導者としてのフジテレビのイメージを確立させた。「JOCX-TV2」とその後継枠の番組というと『カルトQ』や『カノッサの屈辱』などバラエティ番組が真っ先に思い浮かぶが、ドラマもあった。たとえば、名作『やっぱり猫が好き』や、のちに『ギフト』を手がける飯田譲治による『NIGHT HEAD』もこの深夜枠の作品だ。ほかにも『世にも奇妙な物語』の前身である『奇妙な出来事』もあった。

1996年の「JOCX-MIDNIGHT」を最後にこの深夜枠のレーベル戦略は終わるが、この年の10月からその実験精神を継承した番組が始まった。

それが、『3番テーブルの客』だ。

冒頭のナレーション、

「台本が同じなら、同じ作品ができ上がると思うなら、あなたはドラマを知らない。映像のワンカット、セリフのひとつを取っても監督の思いを反映せずに作品に盛り込まれるものはない。監督は作品という分身を作り出しているのである」

のとおり、三谷幸喜が書き下ろした同じ1本の脚本を毎回違う監督が演出するというドラマファンにはたまらない企画だが、DVD化などはされていない。

もちろん、配役にも個性が出るし、音楽のつけ方から、クレジットやタイトルテロップの入れ方、舞台となる店の作りや明るさ、客の入り具合、間の取り方……何から何まで違う。

極力、脚本のセリフをイジらない監督もいれば、セリフはもちろん設定も大胆に変えている監督もいる。

その監督には、三谷ドラマの演出を数多く手がける河野圭太から、井筒和幸、石坂(宮本)理江子、杉田成道、中島信也、星護、和田誠、蜷川幸雄……と錚々(そうそう)たる顔ぶれ。

その中には木梨憲武もおり、自ら主演も兼ねている。木梨はいかにも三谷的な笑わせどころのセリフやキメの部分を巧妙に避けているのが興味深い。バラエティ畑の三宅恵介は、ほとんどの監督がオシャレな感じに撮る中、あえてチープでダサめな作風にしている。中島信也は舞台のように撮り、星護はミュージカルに、と個性丸出しだ。

第15回「伊丹十三監督編」 (C)フジテレビ

必見なのは、伊丹十三の回。伊丹によって足された部分で極上のエンタメ作品に仕上がっている。伊丹は最後にこうコメントしている。

「脚本を愛し、脚本を尊敬し、そして脚本に逆らって撮りました」

心動かす、珠玉のモノローグ。『彼女たちの時代』

『彼女たちの時代』 (C)フジテレビ

個人的に大好きで、事あるごとにオススメしているのが『彼女たちの時代』だ。ドラマファンの間で「名作」と名高いが、未だDVD化されていない。

90年代最後の年・1999年に放送された本作は、深津絵里演じる深美を始めとする、同じ26歳の3人の女性たちの群像劇。社会に出て数年、仕事にもある程度慣れてきたからこその悩みや苦悩がリアルに描かれている。

また、いわゆる「失われた10年」の長期不況の世相を反映し、深美の姉の夫である啓介(椎名桔平)が、今でいうブラック企業的な会社で人道的にヒドいやり方でリストラに遭う。その描写はあまりにもツラく目を背けたくなるものだった。が、それは今思えば、まったく誇張でもなんでもなかったことが、さらにツラく、同時にいかにクリティカルなものだったかがよくわかる。

が、やはり本作の魅力は彼女たちの日常だ。特別劇的な事件が起こるわけではけっしてない。淡々と日常が描かれている。脚本の岡田惠和の真骨頂だ。

このドラマの大きな魅力は、毎回冒頭や終盤に入る深津絵里によるモノローグ。

「最近ふと思うのだ。そういえば私は子供のころ、何になりたかったんだろう。どんな人に私はなりたかったんだろう。最近こうも思うのだ。たとえばもし今日、私が突然死んだら、どうなるんだろうか。でも、私が死んでこの世界からいなくなって、いったい誰が困るんだろうか」(第1話)

「本当に小さいころは自分で決めれば何にでもなれると思っていたのだ。(中略)いつからなんだろう。いつから私たちは自分に無限の可能性があるなんて思えなくなってしまったんだろう」(第2話)

「よくテレビや雑誌では、『前向きに生きよう、前向きに生きよう』とまるでバカのひとつ覚えのように言うけれど、私はあれが嫌いだ。そんなことは言われなくたってわかっているのだ。うしろ向きより、前向きのほうがいいに決まっている。問題はそんなに簡単ではないような気がするのは、私だけだろうか。いったいどっちが前なのか、わからないのは私だけなんだろうか?」(第3話)

こんな言葉に少しでも心が動かされたら、このドラマを観てほしい。きっと心に深く刺さるに違いない。

第7話「その海は輝いていますか?」 (C)フジテレビ

中でも忘れられないのは第7話。

「きっと、どんなに人がうらやましいと思う仕事にだって、つらいことはあるんだと思う。そしてどんなにつまらないと思っている仕事にも、それなりに喜びがないわけではないんだ。日常って、たぶんそういうものなんだ。でもだからこそ複雑なんだと思う。いっそ死ぬほど嫌だったら、なんの喜びもなかったら、もっと気持ちは簡単だと思うのだ」

というモノローグから始まり、3人はさまざまな悩みを抱えながら海へ向かう。やがて、少し切なく、けれど希望もあり、そして、あまりにも美しいラストシーンに至るのだ。それはぜひ、実際に観て確かめてほしい。

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てれびのスキマ

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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