『春のラフフェスin森ノ宮 2023』:PR

未来の『M-1』王者もレジェンドも、本気ネタを披露する“笑いの祭典”。『春のラフフェス』全7公演を事前解説

2023.3.13

文=すが家しのぶ 編集=菅原史稀


皆さんは『ラフフェス』というお笑いフェスティバルをご存じですか?

『ラフフェス』とは、吉本興業が毎年春と夏に大阪で開催している大型イベントのこと。特定の芸能事務所が主催している……と聞くと、閉鎖的な印象を受けてしまう方もいるのではないかと思いますが、毎回、事務所の垣根を越えたさまざまな芸人たちが集まって、数々の企画ライブで盛り上がっているんですよ。

そんな『ラフフェス』の最新版『春のラフフェスin森ノ宮 2023』が、3月18日から21日にかけて大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールで開催されます。4日間のうちに行われる公演は全7本。本記事では各公演について『ラフフェス』担当者にコメントをちょうだいしつつ、お笑いライターである私、すが家しのぶが見どころをご紹介します。

ビスケットブラザーズ×コットンのツーマンライブ 再試合

まず最初にご紹介する公演は、『キングオブコント2022』王者・ビスケットブラザーズに、準優勝のコットンが再び挑む“コント頂上決定戦”です! ネタあり、コント交換あり、ゲームコーナーあり、見どころだらけの60分となります。

それぞれのネタはもちろんですが、なんといってもお互いのコントを交換をするところが本公演の注目ポイントです。それぞれコントの世界観がはっきりある2組、どのネタになるかは本番までのお楽しみ、ビスケットブラザーズ原田の濃いキャラクターをコットンのどちらが演じるのか……。そして、コットンの自然なコントの演技を、ビスケットブラザーズがやるとどうなるのか⁉ 実力派の2組によるステージを、ぜひとも生でご覧ください!

濃厚なキャラクターと不可思議な世界観で独自のコントを形成するビスケットブラザーズと、的確な設定作りとリアリティ志向の強い演技で多くの人を魅了するコットンは、『キングオブコント2022』優勝コンビと準優勝コンビという関係性にはあるものの、まったく異なった芸風の2組。そんな彼らによるツーマンライブとなれば、個性と個性が火花を散らしながら激しくぶつかり合う公演になるのは間違いありません。

ビスブラが王者の余裕を見せつけるのか、コットンがあの日の雪辱を晴らすのか、「再試合」というタイトルにふさわしいスリリングな内容になることでしょう。……華々しい舞台で激闘を交わした2組だからこそ、かえって和やかになるのかもしれませんが、それはそれでアリな気もします。どうなりますやら。

インディアンス×ランジャタイの「国民サイコー!国民サイテー!ライブ!!!」

今回で3回目の開催となる、大人気コンビ2組によるコラボライブです。『M-1グランプリ2020』敗者復活戦で話題になった、インディアンスランジャタイによる対極のフレーズ「国民サイコー!」「国民サイテー!」。彼らがツーマンライブを組んだらどのような化学反応が起こるのか、お客様に見届けていただきたいです。

本公演の見どころは、とにかく楽しそうな4人の姿ではないでしょうか。それぞれの漫才はもちろん、ゲームコーナーでも大はしゃぎしている4人を観て、皆さんにも元気をおすそ分けさせていただきます!

客観的に見ると、『M-1グランプリ2021』決勝の舞台で競い合った2組によるツーマンライブ、ということになるはずなのですが、そのようなストーリー性の重厚感をまったく覚えないところに、彼らの芸風の強みを感じずにはいられませんね。

スウィングするべしゃりでトークを脱線させていく田渕さんの勢いに抗いながらも、引きずり込まれるきむさんのスピード感あふれる漫才のインディアンス、巧みな表現力で奇妙奇天烈な物語を繰り広げる国崎さんになんの対応もできない伊藤さんによる我が道を行く漫才のランジャタイ、それぞれまったく芸風が異なる2組ですが、実はひとつだけ共通点があります。それは、ボケが走り出してしまったら、もう誰も止めることができない、というところ。そんな彼らによる公演なのですから、それはもう、とんでもないことになるのは間違いないでしょう。

果たして、予定されている上演時間内に公演を終わらせることはできるのでしょうか? いろいろな意味でドキドキしそうですね。(※本公演の入場チケットは完売につき、配信チケットのみ販売中)

僕たちの好きなコント4~新時代を担うコント師が集結、大好きなネタを披露~

今回で第4弾の『僕たちコント』シリーズ! 出演者に一番好きなコントを選出してもらい、彼ら自身がイチ推しのコントを観ていただける公演となっております。

これまでの『僕たちコント』は、コント王者のビスケットブラザーズコットンロングコートダディなど今最も勢いのある芸人たちを多く輩出している公演ではないかと思います。今回の出演者にも、新時代を担う注目株7組が集結しています。

本公演の推しポイントは、会場ならではの演出を楽しんでいただけるところです! そしてこれからの時代を担うコント師たちのネタを観ることができ、今後の出演者の活躍を楽しめるような内容になっているので、そちらも注目していただきたいです。

もはや『ラフフェス』の風物詩となりつつある『僕たちの好きなコント』。コントを愛する芸人たちが集結し、自らが愛してやまないコントを演じます。客にウケるネタではなく、あくまでも自分の好きなネタを演じる、というコンセプトがいいですね。強烈に個性的な、好き嫌いの分かれるネタを観ることができそうです。

そんな本シリーズの第4弾となる今回の公演。空気階段、男性ブランコ、コットン、そいつどいつ、ビスケットブラザーズなど、過去3回の公演に出演していた顔ぶれを思うと、かなり攻めた人選といえるのではないでしょうか。『キングオブコント2022』ファイナリストに選ばれたいぬ、ニッポンの社長、大手事務所に籍を置かずに独自路線を驀進しつづけているラランドを除けば、まだまだ全国区では名の知られていない人たちばかり。しかし、その新鮮味の強いセレクションからは、彼らの今年以降の活躍に対する期待が感じられます。

注目株は、『キングオブコント2022』で初の準決勝進出を果たしたイノシカチョウ、『M-1グランプリ2022』で初の準決勝進出を果たしたハイツ友の会でしょうか。しかし、新たな才能というのは、突然変異的に爆発することも少なくありません。今回の公演では、そんな歴史的な瞬間を目の当たりにすることができるかも……?

目指せM-1王者!スーパーマラドーナ塾長の森ノ宮 夜の強化合宿!~後輩を全力バックアップ!本気ネタ&熱血ミーティング~

昨年春の合宿につづき、今年は夜の森ノ宮でネタ強化合宿ライブを開催! 『M-1』での活躍が注目される芸人が全力ネタを披露。『M-1』4度の決勝を経験したスーパーマラドーナが塾長となり、後輩たちへ熱血アドバイスを送ります。

Mおじ”と呼ばれ、誰よりもM-1への思いが強いスーパーマラドーナ武智。4度の決勝を経験したノウハウを、後輩たちへ熱く、そして優しく伝授していきます。出演者は今年の活躍が注目されるコンビを選出しました。そんな“未来の『M-1』チャンピオン”の最強ネタを、誰よりも先に観届けられる機会となっております。

ネタ終わりには『M-1』についての質問や、今悩んでいることを、塾長のスーパーマラドーナが愛を持って回答するコーナーもあります! 芸人たちが『M-1』にかける思いや苦悩、裏側まで観ることができます。

ほかの『M-1』ファイナリストに比べて、やや目立たない印象を与える漫才師・スーパーマラドーナ。ですが、当時の彼らの戦い方を振り返ってみると、後半の緊張感溢れる状況下で前半のフリがさらりと昇華される2015年の『落武者の霊』、叙述トリックのような展開で観客を魅了した2016年の『エレベーター』、ボケの質量と前年の仕掛けを更にパワーアップさせた2017年の『コンパ』、比較となるヤバい人間を登場させることでこれまで以上に強烈なキャラクターを引き出すことに挑戦した2018年の『隣人』と、基本的なスタイルはそのままに、ネタをブラッシュアップさせながら、決勝の舞台に挑みつづけていたことがわかります。最終的に優勝することはできませんでしたが、『M-1』という大会に向けたネタの調整が適切であったことは、4大会連続決勝進出という結果が裏づけています。

そんなふたりが『M-1』に特化した強化合宿を敢行するわけですから、おもしろくならないわけがありません。参加する若手漫才師もやたらと豪華。当たり前のように、昨年大会の準優勝コンビ・さや香が出演しているのがスゴいですね。歴戦の猛者であるスーパーマラドーナとのミーティングで、彼らのネタはどのような進化を遂げるのでしょうか。もしかしたら、今年の『M-1』王者はこのメンバーの中にいるのかもしれません。『M-1』ファンならば必見の公演です。

一発屋レジェンドスペシャル in OSAKA ~笑いの聖地で大逆襲!? 迎え撃つ旬の芸~

かつて一世を風靡した「一発屋」芸人のレジェンドたちが大阪に君臨。大阪の旬の芸を偵察しようと、今大阪で大人気の若手芸人を巻き込んで、ネタバトルを繰り広げる公演となっています!

一発屋芸人はかつて大ブレイクした、芸人のエリート集団。彼らは、芸人界の「ギニュー特戦隊」といえるかもしれません。おちゃらけているようだけど、めちゃくちゃ強い。くだらないことも全力で行う姿は、尊敬に値します。

一方、私自身が大阪に住むようになったのは最近で、大阪の人たちのお笑い熱や、大阪の芸人の勢いを肌で感じました。こんな大阪に一発屋芸人たちが降り立ったら、どのようなステージが生み出されるのか。一発屋という手練れ集団が大阪をどのように制覇していくのか。大阪でも一発をあげられるのか。この未曽有の事象を多くの方に一緒に体感していただきたく、今回のイベントを企画しました。

誰もが知るギャグを持つレジェンドたちに対し、大阪の若手芸人が自身の芸で挑む勇姿とその死闘をぜひ見届けてください。

「一発屋芸人」という言葉には、旬を過ぎた過去の人たちというニュアンスが込められています。それゆえに、テレビバラエティでは、十把一絡げに取り上げられて粗末な扱いを受けることもしばしば。しかし、彼らがかつて、まったく無名の状態から時代の頂点へと登り詰めた、いわばジャイアントキリングを達成したレジェンドであるということは、けっして忘れてはならない事実です。そのコミカルな格好の奥底には、とんでもない力が潜んでいます。

今回、そんな彼らを迎え撃つのは、これからの大阪のお笑いを支えていくことが期待されている、旬の若手芸人たち。かつて大舞台を体験した先駆者と、時代の最前線を突き進む後進たちの邂逅という、お互いにとって学びのある公演になるのではないでしょうか。

個人的には、洗練された正統派のシチュエーションコントに、”狂度”の高いボケを煮詰めたような漫才で人気のマユリカが、レジェンドたちとどのように対峙するのかが気になるところです。

なにわボケの会~ボケだけで春のラフフェスでイベントできるかな~

シャンプーハット恋さん笑い飯・西田など、ボケ数人の飲み会から始まった関西お笑い界の巨大組織「なにわボケの会」。現在では60名以上の会員がいるとか⁉ 基本は飲み会を目的とした集まりですが、才能あふれるメンバーのアート展示会なども行ってきました。

しかしコロナ禍となり、飲み会ができなくなってしまった状況で、集まる機会がなくなったことも。会員数が多いため、現在も飲み会の実施は難しいのですが、感染対策を行ったライブであればみんなで集まれるかもしれない……。そこでこのたび、シャンプーハット恋さんを中心に出演者を募り、ライブを実施することになりました!

ボケ芸人がこんなにも大人数集まるライブは、ほかにありません。大喜利やゲームコーナーなど内容は盛りだくさんです! さらに、今回だけのスペシャル企画を実施、ロビーではアート展示会も開催。「なにわボケの会」メンバーの魅力を堪能してください! 

関西のボケ芸人さん30人が集結する公演……という字面だけで、期待と不安で胸がいっぱいになりそうですが、その筆頭がシャンプーハットの恋さんという一点で、ちょっとだけ安心感を覚えてしまうのは、きっと私だけではないのではないでしょうか。

なにせシャンプーハットといえば、恋さんの自由奔放な振る舞いをてつじさんがやんわりと受け止めてあげる、優しさに満ちあふれた漫才。そんなハートフルな漫才を演じている芸人が先頭に立っているグループなのですから、どのようなかたちであれ、和やかで楽しい公演になることは間違いないでしょう。

会場ではボケ芸人たちによるアート作品も展示されるとのこと。関西のボケ芸人さんには、笑い以外の方面にもクリエイティブな才能を発揮する方が数多く存在しているので(前述の恋さんもイラストが得意で、2021年までエッセイ漫画『パパは漫才師』を連載されていました)、もしかすると、ここで新たな鬼才が発掘されるかも?

キャプテン林~FC林メンバーで語り合う会~

爆笑必至! 関西の芸人フットサルチーム「FC林」のメンバーによる90分のトークライブです。芸人たちから「過去一おもしろかったライブ」と太鼓判を押される本公演は、恒例の「最近のギャロップ林さんエピソード」トークのほか、新たなゲーム企画も追加してパワーアップしております。

この公演の見どころは、ずばり「ギャロップ林」。「大阪芸人は必ず、ギャロップ林のおもしろエピソードを持っている」……そんな声も、芸人たちから上がっています。今回もたくさんの企画を用意していますが、時間内に収まる気がしません。盛り上がり過ぎて、エピソードトークのみで終わるかもしれません。腹の底から笑いたい方は、ぜひ観に来ていただきたいです!

2組の人気コンビによるツーマンライブ、伝説級の一発屋芸人たちを集めたスペシャルライブ、今年の『M-1』での活躍に注目が集まる強化合宿ライブ……などなど期待に胸躍る数々の公演が予定されている中で、『ラフフェス』という笑いの祭典におけるオーラスを飾る企画が、ギャロップの林さんをフィーチャーしたトークライブというのが素晴らしいですね。何が素晴らしいのかを、言葉にするのは難しいのですが。

ギャロップの林さんといえば、トレンディエンジェルやシシガシラのようなポップで明るいハゲ芸人が注目を集めている昨今において、ちょっと珍しい物悲しさを漂わせるタイプのハゲ芸人です。とはいえ、ただ哀愁を漂わせているだけではなく、その表情や言動には妙な可笑しみがまとわりついています。それがまた周囲の芸人たちにとっては魅力的なのでしょう。実力のある語り手たちによる素晴らしい林さんのエピソードトークが期待できますね。

お笑いファンであれば見逃したくない企画が目白押しの『春のラフフェスin森ノ宮 2023』ですが、交通費やタイムスケジュール、感染症への不安などの理由から、会場まで出かけることが難しい人も少なくないのではないでしょうか。

そんな人のために、今回のイベントはすべて配信が予定されています。配信チケットは、吉本興業公式のライブ配信サービス「FANYオンラインチケット」で購入することができます。会場に行ける人は会場で、会場に行けない人はネット環境のあるリラックスできる場所で、それぞれ『ラフフェス』を楽しみましょう!

『春のラフフェスin森ノ宮 2023』

【日程】3/18(土)、3/19(日)、3/20(月)、3/21(火)

各入場チケット・配信チケットの料金や販売スケジュールはこちら

『春のラフフェスin森ノ宮 2023』公式サイト

春のラフフェスin森ノ宮』オンラインくじも実施!

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F賞:缶バッチ ※撮り下ろし
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【参加芸人】
※五十音順
アインシュタイン・稲田
アキナ・秋山
アキナ・山名
いぬ・有馬徹
いぬ・太田隆司
イノシカチョウ・純吉
イノシカチョウ・関本
イノシカチョウ・ムギ
今井らいぱち
インディアンス・きむ
インディアンス・田渕
鬼としみちゃむ・鬼沢さん
鬼としみちゃむ・しみちゃむ
おろろ・長谷川
女と男・ワダちゃん
ガクテンソク・よじょう
カベポスター・永見
カベポスター・浜田
木尾モデル
祇園・木﨑
ギャロップ・林
銀シャリ・鰻
黒帯・大西
黒帯・てらうち
コットン・きょん
コットン・西村
さや香・石井
さや香・新山
シャンプーハット・恋さん
ジョイマン・池谷
ジョイマン・高木
ずが☆こうさく
スーパーマラドーナ・武智
スーパーマラドーナ・田中
span!・マコト
スマイル・ウーイェイよしたか
セルライトスパ・大須賀
滝音・秋定
滝音・さすけ
ダブルアート・タグ
超速バギー・アキラ
ツートライブ・周平魂
デルマパンゲ・迫田
デルマパンゲ・広木
天津・木村
トット・桑原
どんちっち・青木
どんちっち・竹岡
ニッポンの社長・ケツ
ニッポンの社長・辻
ハイツ友の会・清水
ハイツ友の会・西野
爆ノ介
ビスケットブラザーズ・きん
ビスケットブラザーズ・原田
ビタミンS・お兄ちゃん
藤崎マーケット・田崎
藤崎マーケット・トキ
フースーヤ・田中
フースーヤ・谷口
フミ・もーりしゃす
フミ・とん平
ヘンダーソン・中村
マイスイートメモリーズ・花谷
マイスイートメモリーズ・福田
マユリカ・阪本
マユリカ・中谷
マルセイユ・津田
ミサイルマン・岩部
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ゆにばーす・川瀬
ゆにばーす・はら
吉田たち・こうへい
ラフ次元・梅村
ラフ次元・空
らぶおじさん
レイザーラモンHG
令和ロマン・髙比良
令和ロマン・松井
レギュラー・西川
レギュラー・松本
ロングコートダディ・堂前
笑い飯・哲夫
笑い飯・西田
全89名


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すが家しのぶ

(すがや・しのぶ)1985年生まれ、香川県出身。お笑い評論家。フリーペーパー『SHOW COM』誌上でお笑い芸人DVDレビュー『神宮前四丁目視聴覚室』連載(Vol.1~Vol.28)。『立川談志落語集成 1964-2004』土橋亭里う馬、『東宝名人会 立川談志大全集』毒蝮三太夫・野末陳平、各インタビ..

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