山本彩「Mステ」ソロ初出演 「イチリンソウ」に込めた思いと2019年の変化とは?

2020.1.24
山本彩「Mステ」ソロ初出演 「イチリンソウ」に込めた思いと2019年の変化とは?

山本彩の最大の魅力と

長年ブレないポリシー

文=渡辺彰浩 編集=田島太陽
トップ画像=「イチリンソウ」(通常盤)山本 彩


曲目はファンの意見で決定

山本彩が1月24日放送の『ミュージックステーション』(Mステ)に登場する。AKB48グループからの卒業メンバーで、『Mステ』のレギュラー回にソロで出演するのは初の快挙だろう。

しかし、山本の出演が発表されたとき、曲目はまだ決定していなかった。「#山本彩Mステ歌唱曲」のハッシュタグでファンの意見も取り入れながら、ようやく決まったのが初のシングル曲「イチリンソウ」。

さまざまな候補から選ばれたこの曲は、ひとりで歩んでいく決意や覚悟を道の脇に咲く花に重ねた、山本作詞・作曲のミディアムナンバー。自身の心境を歌いながら、“誰かの背中を押す楽曲になってほしい”という思いを込めて制作された楽曲だ。

山本彩 「イチリンソウ」

シンガーとしての山本彩が、2019年に得たもの

彼女の魅力は、ファンと作り上げていくライブにある。

2018年11月にNMB48を卒業し、2019年よりグループ活動と並行していたシンガーソングライターとしての活動を本格始動。その1年を振り返ると、ツアーにリリースにと常に走り続けていた。2月からスタートしたツアー「I’m ready」は、東名阪のZeppをはじめ、全国24都市で27公演。卒業公演に約3万人を動員した彼女のキャリアからは考えられないほど小規模の会場でもライブを行い、まるで自身に試練を課すような全国行脚だった。

それは“1年目の新人”として改めて初心に帰るためだったのだろう。そして、初めて訪れる土地やライブハウスの緊張感の中で、近い距離だからこそ自然に生まれるファンとの会話、一人ひとりとの目線のやり取りによって、大人数のグループにいるときには見失いがちだった「歌う楽しさ」という音楽の原点とも言える答えを見い出していった。

「CDで完成じゃなくて、それをライブでみなさんと共有して、初めてアルバムは完成する」

2017年11月19日 NHKホールでのライブより

彼女の言葉から受け取れるのは、会場に生まれる熱気やファンの声によって、楽曲が育っていく、大きくなっていくということ。実際、ファンとの関係性が描かれた楽曲が山本には多くある。つらいときに誰かを支え、力になる存在という意味がタイトルに込められた「サードマン」、最新アルバム『α』収録の「Homeward」にも「私の歩く道は いつだって君の元へと続いている」と綴られており、ライブでの発言にも通ずるように「ファンと一緒に」という彼女のポリシーは常に一貫している。

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渡辺彰浩

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渡辺彰浩

(わたなべ・あきひろ)1988年生まれ。福島県出身。ライター、編集者。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。

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