<アウト>な“お笑いマニアJK女優”。狂気の宿る「トラウマネタ」が忘れられない(奥森皐月)

2020.11.12
奥森皐月

文=奥森皐月 編集=田島太陽


3歳のころから芸能活動を始めた奥森皐月。『おはスタ』(テレビ東京)や『すイエんサー』(Eテレ)などにレギュラー出演し、2019年の『やついフェス』では「公式キャンペーンガールオーディション」でグランプリを獲得した、16歳の女優・タレントだ。

11月12日(木)放送の『アウト×デラックス』(フジテレビ/23時〜)に「お笑いマニアJK女優」として出演することから、改めて「お笑い」への異常なほどの偏愛ぶりと、おすすめのネタを紹介する。


「アウト」だという実感はないけれど

生まれてから16年、私の人生の軸となっているのは「お笑い」だ。

物心がつく前から両親の影響で、芸人さんのネタやバラエティ番組を観ていた。お笑いが大好きな子供として成長していき、お笑いばかりを観る生活が当たり前となっていたのだ。

高校生になった現在もお笑い愛は変わらず、むしろ加速している。劇場にライブを観に行ったり、月に200本ほどネタを観たり、お笑いラジオを聴いたり、芸人さんの情報を収集したり、と純粋無垢にお笑いライフを楽しんでいた。

ところが、今回『アウト×デラックス』にて「全く役に立たない知識を増やし続ける女子高生」として出演することになった。少女はある日突然「アウト」の称号を受け取ったのである。日常的にお笑いに触れて、その知識がついていくことは通常運転なので、未だに私が「アウト」だという実感はない。

奥森皐月(『アウト×デラックス』出演時の様子)
『アウト×デラックス』収録時の奥森皐月

幼少期によく観ていたネタは、ラーメンズ・ジョビジョバ・さまぁ〜ず(敬称略)。まわりの子がアンパンマンを応援しているとき、私は『リンカーン』(TBS)や『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ)、『はねるのトびら』(フジテレビ)、『ロンドンハーツ』(テレビ朝日)など、けっして子供向けとは言えない番組でゲラゲラ笑っていた。

『笑う妖精』(テレビ朝日)という深夜番組で、野性爆弾のくっきー!さん(当時は川島邦裕名義)が披露していた絵描き歌は、未就学児にも刺さるお笑いでとても楽しく観ていた記憶がある。

ネタ番組、ラジオ、配信やSNSもチェック

ネタ番組や賞レース、お笑い系の特番は欠かさず家族で観るのが習慣。家でバラエティ以外の番組を再生することはほとんどないといっても過言ではない。素晴らしい英才教育を受けてきたのである。

歯車が狂い始めたのは小学校高学年になってから。自分でSNSやネット配信を自由に視聴できるようになってからというもの、途端に「若手芸人」の世界に興味を持ち始めた。それと同時に三四郎やアルコ&ピースのラジオを聴き始めたことで、私の中のお笑い愛は頂点まで達した。

それからというもの、テレビのネタ番組は全部観て、芸人さんのラジオを聴き漁り、各お笑い事務所が配信しているネタ動画や芸人さんのYouTube・配信・SNSを幅広くチェックするようになった。数え切れないほど好きな芸人さんができて、偏りなく全員をリスペクトしながら応援するのが私のスタイルとなっている。

ただ、その中でも格別に憧れを抱いた芸人さんがメイプル超合金のカズレーザーさんとAマッソの加納さんだ。

知識欲の大切さを教えてくれたカズレーザー

カズレーザーさんの、楽観的かつ現実的な思想が垣間見える発言に魅了された。当時の私は小学5年生。以降、世にあふれているカズレーザーさんが発した言葉をすべてチェックし、味わうことが日課となった。

メイプル超合金がブレイクランキング1位(『ORICON STYLE』発表)となった2016年、出演番組本数の295本をすべて観ていた。ネットニュースの記事やSNS投稿を漏れなく読み、当人がいない場で話題になっている番組や配信もすべて観る生活。眼に映る赤がすべてカズレーザーさんに見えるほどには麻痺していたが、毎日発見があって楽しかった。

そして、このときに情報収集と調べる能力が相当備わった。知識欲の大切さや、しがらみや固定観念に縛られない考え方をカズレーザーさんから学べたと思っている。

Aマッソを知るほど、自分の「狭さ」に気づく

また、加納さんに関しては中学2年生のころ「尊敬する人物」というテーマの論文の課題で題材にした。加納さんが作るネタも番組も文章も、何もかもが好きで仕方ない。言葉選びの巧みさは、お笑い界のみならず全人間の中でも随一だと思うほど魅力的だ。

懸賞非売品で赤色しかないカズレーザーマーカーと、Aマッソ加納をテーマにした論文
懸賞非売品で赤色しかないカズレーザーマーカーと、Aマッソ加納をテーマにした論文

豊かな知性と、かわいらしいキャラクター、人としての強さ、どの面をとってもかっこいい憧れの女性だ。『SunSetTV』で配信されていた『Aマッソのゲラニチョビ』という番組を初めて観たときの衝撃は忘れられない。オシャレな編集にお笑い濃度高めの企画、挑戦的なのにどこもかしこもおもしろい。このようなお笑いもあるのか、と感動した。私の中学生の思い出は、『ゲラニチョビ』を観た記憶が大半を占めている。

Aマッソを知れば知るほど、自分の見える世界はまだまだ狭かったのだと気づかされる。幼少期にAマッソに出会っていたら、間違いなく将来の夢はAマッソになっていたことであろう。

おもしろさの中に狂気を宿す「トラウマネタ」とは?


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