世界の上位10位のうち7人が日本のVTuber。YouTube「スパチャ」で今、起こっていること

2020.9.2

文=さやわか 編集=森田真規


新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るうなか、リアルイベントを実施するのが困難な状況がつづき、あらゆるカルチャーの領域で配信も含めた生き残りのかたちが試行錯誤されている。

コロナ禍で「Stay Home」がつづくなか、YouTubeの投げ銭機能の「スーパーチャット(スパチャ)」を初めて利用した人も多いはず。そんなスーパーチャットの累計ランキング上位10位のうち7人が日本のVTuberが占めている、というニュースが話題を呼んだ。

スーパーチャットとVTuberの世界で今、起こっていることとは――。


1位のVTuberは1年足らずで累計金額が約9200万円

最近、スーパーチャットの累計ランキングが話題になってます。というのも、2020年8月末の時点でなんと上位10位のうち7人が日本のVTuberなのです。

急にそんなこと言われてもなんのことやらサッパリという方のために、順を追って説明しましょう。

YouTubeには、普通に動画をアップロードする機能と、ライブ中継する機能のふたつがあります。まあ、ざっくり言うと、録画番組と生中継の違いみたいなもんです。

で、生中継のほうにはチャット欄がありまして、見ている人が、その配信にコメントをつけられるわけです。まあ、生中継のテレビ番組にメールやらファックスで意見を送るようなものですね。つけたコメントに対して、配信者が番組内で反応してくれることもあります。配信者と視聴者が、リアルタイムなコミュニケーションを行えるってことです。ライブ配信者のことを、「ライバー」って呼んだりします。

しかし、最近の動画配信ってのは単にコメントをつけるだけでなく、金銭を配信者に送信する、いわゆる「投げ銭」もできるのです。チャット欄にコメントを書き込むだけでなく、お金を払って配信者を応援!……という機能を、YouTubeでは「スーパーチャット」と呼ぶのです。

さて、そのスーパーチャットで、これまでに誰がどれだけのお金を集めたかというランキングが『PLAYBOARD』というサイトで発表されました。その結果、日本のVTuberがベスト10の中に7名もいるんですよ。

VTuberというのは、要するにバーチャルなYouTuberのことです。すなわち、アニメとかゲームみたいな、いわゆる「2次元」的な絵を使ったYouTuberです。

で、特に今回話題になっているのは、バーチャルなライバーってわけですね。

昔だと、アニメってものは、あらかじめ動く絵を描いて、その絵にアフレコ音声をつけたものしかありませんでした。つまり、録画番組しか存在しなかったのです。ところが今は、モーションキャプチャー的な先端技術のおかげで、しゃべってる人の動きに合わせて、リアルタイムで絵を動かすことができるようになりました。……とか言うと、なんか難しそうですけど、まあ、クソざっくり言うと人形劇の高級版みたいなものだと思えばよろしいです。絵で描いたキャラクターを動かすのとしゃべらせるのを、いっぺんに、その場で、できるようになったってことですね。

かつては録画されたものでしかなかったアニメやゲーム的なキャラが、今や生番組の中に存在し、あまつさえ視聴者に向かって話しかけてくれたりする。これはもう、そういうジャンルが好きな人には、本当にうれしい。というわけで、うれしくなってスーパーチャットとかしちゃうわけです。ガンガン課金して、応援したくなっちゃうのです。

というわけで、スーパーチャットの累計1位に輝いたVTuber桐生ココさんは、2020年8月末現在、累計金額が現在9229万7481円。YouTubeチャンネル概要には「人間の文化に興味を持ち、異世界から日本に語学留学中の子どものドラゴン。仁義と任侠を重んじる正義感あふれるドラゴンで、気合で人間の姿を保っている」というプロフィールが書かれています。彼女がデビューしたのは昨年末なので、1年も経たずに累計1位のスーパーチャットされラーになったということになります。すごい。

【#桐生ココ3D】桐生ココ3Dお披露目!#ホロふぉーす始動! 【#JointhefutureJP】

プロレスやアイドルのように虚構と現実の狭間で楽しむ娯楽


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さやわか

ライター、物語評論家、マンガ原作者。著書に『僕たちのゲーム史』『一〇年代文化論』『僕たちとアイドルの時代』『文学の読み方』(いずれも星海社新書)、『キャラの思考法』(青土社)、『文学としてのドラゴンクエスト』『名探偵コナンと平成』(コア新書)、『ゲーム雑誌ガイドブック』(三才ブックス)など。ほか共著..

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