ONE N’ ONLYインタビュー――アイドルでもアーティストでも戦えるグループに

2020.6.28

(写真左から)KENSHIN、NAOYA、HAYATO、EIKU、REI、TETTA
文=坂井彩花 写真=関 竜太


EBiSSH、さとり少年団(SBC)の2グループが融合して生まれたONE N’ ONLY。歯に衣着せぬリリックと攻撃的なサウンドは、正統派アイドルとは一線を画す存在だ。

理想の偶像がありがたがられる時代でも、彼らは決して迎合しない。歌とダンスを武器にアーティストとしても生きる彼らが目指す音楽とは何か。アーティストとアイドルの両面から、6人はメッセージを発信する。

※本記事は、2020年4月25日に発売された『クイック・ジャパン』vol.149掲載のインタビュー記事に加筆・修正をしたものです。


ONE N’ ONLYがそれぞれをレベルアップさせた

――ONE N’ ONLYは、どのようなグループでしょう。

HAYATO 今何が求められてるのか考え、どんどん試行錯誤して、僕たちにしかできない音楽やジャンルを追及していくグループですね。「唯一無二の存在になろう」という願いを込めて、ONE N’ ONLYになりました。

――僕たちにしかできない音楽ですか。

HAYATO J-POPとK-POPのいいとこ取りって、僕らの強みだと思うんですよ。英語のように聞こえる歌に最先端のサウンド、そして本格的なダンス。ほかにもそういう路線のアーティストさんはいますけど、その中でも頭ひとつ飛び抜けた存在になれるようパフォーマンスを磨いてます。

EIKU ボーカル陣は歌い方にすごくこだわって、“日本語だけど英語に聞こえるフロウ”を意識してます。

――EBiSSHとさとり少年団の合同プロジェクトとして発足したONE N’ ONLYですが、最初からこんなふうに活動がつづいていくと思っていましたか。

TETTA 最初は「1回合同でやってみよう」って感じで。気づいたらレッスンも増えていって、「I’M SWAG」が完成して、いろんな方が反応してくれて……。

REI ライブで披露したとき、自分たちが想像したよりもお客さんの反応がよくてびっくりしたよね。

HAYATO リリースが決まり、みんなで過ごす時間が増えるにつれて、「ONE N’ ONLYいいな」って。僕たちも思ったし、ファンの方も感じてくださったんだと思うんです。だからこそ、「Dark Knight」へつながりましたし。

――ONE N’ ONLYとEBiSSH・さとり少年団って、対照的だと思うんですよ。光と闇みたいな……。

EIKU そうですね。全然、音楽性も違うので。

REI EBiSSHは大人っぽい曲が多いけど、ONE N’ ONLYは攻撃的。

KENSHIN さとりは男子高の同級生って感じかな。ONE N’ ONLYは、闇の組織のイメージ。3人とも雰囲気がまったく別だよね。

――異なるイメージを表現することに戸惑いはなかったんですか。

KENSHIN ありましたよ! さとり少年団の曲をやってるのに、ONE N’ ONLYの自分が入っちゃったりして。人格を両立させなきゃいけないのは、難しかったですね。そこが、楽しかったりもするんですけど(笑)。

HAYATO 僕は自然と使い分けできるようになっていった気がします。最初の頃は「ONE N’ ONLYのときは、視線でまわりを殺すくらい世界に入り込む」とか意識してました。

――ボーカルのほうは歌い分けも大変そうですが……。

REI そこまで違いを感じることはなかったんですけど、新しい世界は開けた気がします。「I’M SWAG」をきっかけにラップをやり始めたり、ONE N’ ONLYの曲調に合わせて力強い歌い方を勉強したり。レコーディングで楽しいと感じる瞬間が増えましたね。

EIKU 僕も大変さより「勉強になるな」って感想のほうが強いかも。さとり少年団だとボーカルがひとりなので自分しか見えなかったんですけど、ふたりの歌声に触れて新しい引き出しが増えました。TETTAくんはセクシーで突き抜けるような高音が魅力的だし、REIくんは誰にでも届くハッキリした声質がかっこいい。いろんな歌い方や声質があるのだと、すごく勉強になりました。

――それぞれのレベルアップにつながっているわけですね。

REI ONE N’ ONLYとして活動することによって、パフォーマンスのスキルもグループとしての団結力も上がったと思います。

単なる偶像では終わらない


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坂井彩花

(さかい・あやか)1991年、群馬県生まれ。ライター、キュレーター。ライブハウス、楽器屋販売員を経験の後、2017年にフリーランスとして独立。『Rolling Stone Japan Web』『Billboard JAPAN』『Real Sound』などで記事を執筆。エンタテインメントとカルチャーが..

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