JO1が『紅白』で見せた“緊張感”と“経験”。愛にあふれた「節目になる日」

2023.1.2
JO1『PROTOSTAR』

※トップ画像=JO1『PROTOSTAR』より
文=新 亜希子 編集=森田真規


2020年3月にデビューし、2022年の大晦日『第73回NHK紅白歌合戦』に出場を果たした11人組のグローバルボーイズグループ「JO1(ジェイオーワン)」。

本稿では『NHK紅白歌合戦』でデビュー曲「無限大」を披露したJO1の様子を、本番でのパフォーマンスや当日のSNSなどを追いかけつつレポートする。


豆原一成の動揺であらわになった“緊張感”

2022年12月31日、グローバルボーイズグループ・JO1が『NHK紅白歌合戦』に初出場を果たした。

20時ごろ、11番手で登場したJO1。VTRにて「一糸乱れぬシンクロダンス」とパフォーマンスの見どころを紹介されたほか、デビューシングルから6作連続チャート1位の記録や、11月29日・30日に京セラドーム大阪で行われたアジア最大の音楽授賞式『2022 MAMA AWARDS』での受賞の瞬間も放送されるなど、積み重ねてきた偉業にもスポットライトが当たった。ライジングスターとして、期待を背負っての登場だ。

代表してコメントしたのは豆原一成。「めちゃめちゃ緊張しているんですけど、JO1という名前でも……覚えて……(帰ってほしい)」と、緊張のあまり噛んでしまう場面があった。常々「緊張はしない」と口にし、落ち着いている最年少が珍しくあらわにした動揺に、『紅白』という舞台が持つ独特な緊張感が伝わる。メンバー全員が、今にも「がんばれ」と駆け寄りたいような表情で耳を傾け、大平祥生、川尻蓮はとっさに豆原の肩を抱く。いつまでも失われない彼らの初々しさが、魅力として垣間見えたシーンだった。

応援ゲストとして、ロバートの秋山竜次が扮するキャラクター、“プロの取り巻き”こと白木善次郎が登場。白木と司会者らとの賑やかなやりとりにJO1から笑顔がこぼれ、いざステージに向かう足取りは軽い。カメラにポーズを取りながら、晴れやかな表情で大舞台へと向かった。

パフォーマンスが物語っていた“経験”

ここまではおそらく、テレビの向こうで見守っていたファンも緊張していたことだろう。しかしJO1の場合、パフォーマンスさえ始まってしまえばなんの不安もない。「どうぞ、見てくれ」という気持ちさえ湧いてくる。いつだって「いつもどおり」やれる、それだけの練習を重ねてきたことも、磨き上げてきた実力があることも知っているから。夜明け前のような静かなイントロと共に、11人で組み上げたフォーメーションが映し出される。川西拓実の歌い出しで、夢見ていたステージが幕を開けた。『NHK紅白歌合戦』で、11人で「無限大」を披露する瞬間が、ついにやってきた。

先ほどまでの緊張が嘘のよう。水を得た魚のようにいきいきと歌い踊り、楽曲コンセプトに沿った挑発的な表情を見せるメンバーたちは、不敵な笑みさえ浮かべている。河野純喜のパワフルボイスはまさに“炸裂”、與那城奨は自身のソロパート<広がっていくミライ>でロングトーンを響かせる。いつもどおり悠々と歩いて立ち位置につく姿も、リーダーの堂々たるものだ。

木全翔也、鶴房汐恩のラップのかけ合いには、通称「ただの友達」である彼ららしい空気が流れていた。メンバーであり、友人である互いと並んで立つ大舞台、ふたりの見せ場。その感触は世界中で彼らにしかわからないのだと思うと、うらやましくもなる。つづく白岩瑠姫、佐藤景瑚のパートには、初出場とは思えぬ異彩の華があった。次から次へと主役が出てくる、そんなステージだった。

印象的だったのは、<限界なし 制限なし 全てを賭けよう>のあと、同曲のPerformance Videoと同じカットでカメラ目線を決めた金城碧海。「無限大」発表当時よりも等身大ながら、さまざまを経験した今だからこその、自信に裏打ちされた精悍な顔つき。2022年に彼らが得たものは本当に大きく、それはつくづく言葉ではなくパフォーマンスが物語るのだと思った。

SNSでも話題を呼んだJAMとの“絆”


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