遅く起きた日曜日に、友達とゆっくり話す(スズキナオ)

2020.5.3

親父はピンク・フロイドが好きで、お母さんは平野レミみたいにテンションが高い

約束した時間になり、パソコンの画面にトミータの顔が現れた。最初は照れて、「はは、えーと、今日はちょっとじっくりと話したくて」「ははは、じっくりと話すんだ」みたいに、どうしていいかわからなかったが、気を取り直して話し始める。

左がトミータ。4月中ころからテレワーク中とのこと

「まず、生い立ちから聞きたいんだけど」「ははは。そこからなんだ」と笑いながら、トミータはアルバムをモニタに向かって見せてくれた。彼は2020年の4月に結婚式を挙げる予定で、ギリギリまで準備を進めていたのが、やむを得ず延期することになってしまった。私も招待してもらっていて、久々に周辺の仲間たちにも会えるのを楽しみにしていたのだが、残念ながら叶わなかった。その結婚式の演出用に用意した写真が、ちょうど手元にあるという。その写真を見せてもらいつつ、幼少期の話を聞く。

――トミータって何年生まれだっけか?

トミータ 1980年生まれ。千葉で生まれた。千葉の千葉市。

――それはなんで、というか、お父さんが千葉の人だったの?

トミータ いや、両親とも千葉で、母方の実家に、親父がマスオさんみたいに来て、じいちゃんばあちゃんと2世帯で住んでた。婿に入ったわけじゃないんだけど。

――へー。

トミータ これがね、七五三の写真。

七五三の時の写真を見せてくれた

――あれ! 兄弟いるんだっけ?

トミータ いるいる。3人兄弟。俺、長男。これさ、七五三の写真なんだけど、ちょうど年齢が7歳、5歳、3歳なんだよ。

――兄弟いたんだな。前に聞いたっけ?

トミータ 言った気がするけどな(笑)。兄弟は今、みんな結婚して子どもいる。

――そうなんだねー。

と、こんなふうに、改めて友達のことを最初から知っていくみたいにいろいろ聞く。小学校のころのトミータはやせ形で小児喘息持ちで、入院することもたびたびだったという。ご両親は心配しただろうな。

――お父さんはどんな人なの?

トミータ 親父は59歳で死んじゃったんだけど、ちょっと濃い顔しててさ、港の設計をするような仕事をしてた。土木の仕事だよね。護岸工事どうするかとか、テトラポッドみたいなのをどうやって配置するかとか。海外出張で単身赴任が多かったから。

――あ、そういうふうに長い間海外にいたりしたんだ?

トミータ そうそう。長い間、家にいなかったりした。国際電話とかがさ、まだすごいタイムラグがある時代だったから、こっちから話しかけて、1秒、2秒して親父の声が聞こえてくるの。週1ぐらいで電話してた。俺が中学ぐらいのときに親父は独立して、それからはずっと国内にいたけど。

――お母さんはどんな?

トミータ 優しい。優しいけど、変わってるね。テンションが高くて、平野レミみたいな。ひとりでずっとしゃべってるし。お母さんも、親父も、音楽が好きで。

――そうだったんだね。家で音楽がかかってるみたいな?

トミータ 親父がプログレが好きで、ピンク・フロイドがすごい好きで。お母さんはビートルズがすごい好きだった。

今まで当たり前のように存在するものと思っていた友達の姿が新しく立ち上がり直す

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スズキナオ

大阪在住のフリーライター。「デイリーポータルZ」「メシ通」等のWEBメディアで記事を書いている。酒とラーメンが好き。パリッコとの飲酒ユニット「酒の穴」としても活動中。著書に『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』(スタンド・ブックス)など。

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